寄生虫の存在する世界を圧倒的に軍事力で殲滅する。
寄生虫が都市に侵略し始め172日目。
日本の人口は2026年から82%減。生き残っている人間はごく僅かであった。
「はぁ、はぁ。」
《植体寄生虫》ラージトリフが家畜の豚に芽を生やし、脳を洗脳する。洗脳された状態では肉体が強化され、あらゆる他種の生物を食い尽くす。
そして、今日もまた一人、追われる者がいた。
「まずいまずいまずい!」
一人の青年が全力で荒廃した街を駆け抜ける。後ろには二体のラージトリフが付いてきている。
「…ハァ!生身の…人間が……寄生虫から逃げれるわけねぇだろぉ!!!」
汗を大量に流し、息を切らしながら諦めたように叫ぶ。
随分と長いこと逃げてきていたが、人間にはここが限界。走ることを辞めた少年の肩を寄生された豚が噛み付く。
溢れ出た血しぶき。と同時に青年は大きく笑う。
「…なんちゃってな!!!」
上に乗り掛かるラージトリフの体に喰らい付いた青年はそのまま肉片を口から捨てる。
「豚なのにやっぱりまずいなぁ!お前は!」
そのままもう一体の足を掴み、背負い投げのような体勢でビルの壁へと投げつける。
「ふぅ、危なかったぁ。」
この青年ーーー天ヶ瀬ニコは寄生されながらも自我を保っている唯一の存在であり、このマジガチ最恐の寄生虫に立ち向かおうとするやべぇ奴の一人でもあった。
寄生虫が都市を埋め尽くしてから、193日経った。
天ヶ瀬ニコは寄生されているため、体内で栄養を作り出せる。
そのため食は必要ない。
必要のないことだが、天ヶ瀬ニコはどうしても美味しい牛肉が食べたかった。
「あのスーパーならあるんじゃねえか?」
アサルトライフル【AK-47】を肩にかけ、弾を確認しながらじっと見つめる。
その建物は完全に侵食されており、悍ましい赤色の根が覆い尽くしており、周りには飛行型【原生種】ボンパンや犬に寄生した生物が多数存在する。
「おそらく中に母体があるんだな。あの数は尋常じゃねぇ。」
地上も空も安全がないこの世界は本当に油断できない。いくら寄生虫の再生能力があったとしても、俺は頭と心臓を同時に破壊されたら一発アウトだ。
その分核が複数個存在する可能性のある寄生虫の脅威は計り知れないモノだ。
「ただ!美味しいお肉のためだ!!!命ぐらいかけてやるよ!」
俺は覚悟を決め、ビルの高台から助走をつける。
心の中でサンカウントをすると同時にビルから飛び降りる。その瞬間なんだ今の寄生虫と目(目がないものもいる)があう。
「よっしゃ!!!オメェらここらでちょっと戦争ダァ!!!」
まず気にするは突破口の確保。1秒でも早くお肉エリアに辿り着かない限りは最高の牛肉は待っていない。
(飛行型が厄介だな。ただ、気にすることじゃねぇぜ!!!)
いくつもの触手を銃で蹴散らし、外にいる母体に接近する。
恐らく母体は計三体。全員潰さないと侵食は止まらない。
「オラァ!!これでも食らえ!!!」
寄生虫は同時に脳と核を破壊する必要がある。銃でもいいが1番手っ取り早いのは、やはり爆破。一気に五つほどの手榴弾を投げ込み、戦場は荒地と化す。
「肉!肉!!肉!!!」
湧き出てくる寄生虫をお構いなしにスーパーと中へと入っていく。そこには人間が寄生されて自我を保てなかった状態。【threat種】が待ち構えている。
顔面は人だが、体は完全に腐敗した肉塊。ただ、そこに慈悲を持つのは、サバイバル16日目でやめた。人の声を放ってくるが、気にすることなく殲滅する。
周囲が一掃されたところで母体とご対面だ。
【threat種】と【植体種】の混合。熊に寄生されており、
体の全身には根っこを生やしている。
俺は最初から考えていた作戦をするべく、母体と銃を置いて戦う。
母体は大振りで右手を振り、それをニコは難なくいなす。
鉄をも貫くほどの威力。当たれば全身が粉砕されるであろう。
警戒しながら少しずつ距離を詰める。その瞬間、足に母体の根が絡む。
「!!! クソ!」
すぐに払おうとするが、銃も弾く根っこに意味はない。
そのまま口元まで運ばれ、頭部を突かれる。
勝負アリだと確信した母体はすぐに口の中に放り込む。と、同時に体内で爆発が起き、母体の腹が破れる。
天ヶ瀬ニコは体内に入れられたと同時に全身に仕込んであった爆弾を起動、爆発し、ニコ自身も死んだと思われたが、そこは寄生虫の超再生。壊れたそばから直していた。
「よっしゃぁ!母体撃破!!これで美味しい肉が拝める…え?」
爆破の威力を上げすぎたニコは間違えてスーパーごと更地にしてしまった…。
日本消滅まで残り1324日




