表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
優しいパン  作者: Yama


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/8

第7話:ふたりの願い

「ママになってくれたらいいのに」――

小さなレイナのひとことが、美咲の胸に強く、深く届いた。

陽介もまた、家族の形を見つめ直し、美咲と向き合う覚悟を決める。

静かに、でも確かに、三人の「願い」がひとつになっていく。

春の終わり、暖かな陽が差し込む午後。

レイナは学校を早退し、風邪気味で寝込んでいた。


毛布にくるまり、熱っぽい頬。

美咲が冷えたおでこを拭き、ミルクを差し出す。


美咲:「飲めそう?」


レイナ:「……うん」


ミルクを少しずつ飲みながら、レイナはポツリと呟いた。


レイナ:「ねぇ……美咲さんがママになってくれたら、いいのに」


その一言に、美咲は動きを止める。


レイナ:「だって、美咲さんはやさしいし、話も聞いてくれるし……パンもおいしいし」


美咲は泣きそうな笑顔で答えた。


美咲:「私も……そう思ってたよ。レイナのママになれたら、どんなに幸せかって」


レイナ:「ほんとに……なってくれる?」


美咲:「うん。なりたいよ、レイナのママに」


二人は手を握り合いながら、熱のある涙を一緒に流した。


夜、陽介が帰宅し、美咲からその話を聞く。


陽介:「……あの子が、そんなことを……」


美咲:「私、軽はずみに“ママになる”なんて言ったかもしれません。でも……心からそう思ったんです」


陽介はしばらく黙ってから、美咲の手を取った。


陽介:「……俺も、もう迷ってない。レイナのためだけじゃなくて、俺自身が、君と生きていきたい」


数日後、レイナは再び絵を描いていた。

紙の中には、三人の姿。


笑っているパパ。

パンを持ったママ。

そして、その間で、レイナが満面の笑みを浮かべていた。


絵のタイトルは、こうだった。


「ほんとうのママとパパ」

次回予告

「最終話、『優しいパン』

 家族とは、血のつながりではなく、心のつながり――

 ひとつのパンが、三人の未来を変えていく」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ