第6話:さようならのあとで
かつて家族だった女性と、とうとう真正面から向き合う時が来た。
陽介は、自分の過ちと向き合い、レイナの母との関係に終止符を打つ。
“さようなら”のあとに待っていたのは、切なさと、そして確かな前進だった。
日曜の午後。
陽介は久しぶりに、元妻に連絡を入れた。
陽介:「……話がしたい。レイナのこと、俺たちのことも含めて」
カフェで向かい合ったふたり。
かつては、未来を語り合ったテーブルだった。
元妻:「もう、私は母親なんて呼ばれる資格ないよ」
陽介:「それでも、レイナの母親だ。
でも……このままじゃ、レイナが壊れてしまう。俺が引き取る。法的にも」
元妻:「……そう」
彼女はわずかに寂しそうに微笑んだ。
元妻:「私も、本当は分かってた。
このまま、逃げることしかできないって。あなたといたら……自分の未熟さが苦しくて」
陽介は何も責めず、ただゆっくりと頭を下げた。
陽介:「ありがとう。今まで一緒にいてくれて」
ふたりは、静かに別れを告げた。
帰宅後。
陽介はリビングで、美咲とレイナに向き合って話す。
陽介:「今日、元妻と会ってきた。正式に離婚届も出す。
レイナの親権も、俺が持つことになった」
レイナ:「……ママには、会えないの?」
陽介:「……会おうと思えば、いつでも会える。でも――
本当の“家族”っていうのは、血だけじゃない。心だと思うんだ」
美咲はそっとレイナの手を握る。
美咲:「私も、レイナと家族になりたい。ゆっくりでいい。
でも、ずっとそばにいたいよ」
レイナは小さく頷き、ふたりの手を自分の小さな手で包み込んだ。
夜。
レイナは一人、家族の絵をまた描いていた。
そこには、三人の姿。
そして、その下に書かれた文字。
「わたしのあたらしい家族」
次回予告
「次回、『ふたりの願い』
“ママになってほしい”――少女の告白がすべてを変える」




