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私はお菓子を食べて、落ち着いてから、

何度も頭の中で考えていた話をする。


「実は・・・・将来の事を夢に見たの」


「それで?」


姉は真剣に聞いてくれる。

本当にいい姉だわ。


「この国では人間と獣人とで争いが起きる、

 それを止めるのが私の子供なの」


「え?」


子供と聞いてびっくりしたのだろう、

姉が手で口を抑える。


あ~やっぱりそういう反応になりますよね。

すみません・・・


「で、誰との子供なの?」


驚きはそのままに、真剣に聞いてくれる。


「ライオネル・ルイ・ギルバーン公爵です」


その場に沈黙が下りる。


「そうなのね、アマリアはどうしたいの?」


あくまで夢なので、無理にライオネル様と、

付き合う必要はないと言外に含めて聞いてくれる。


「私・・・ライオネル様とお見合いしたいと思うんです」


「アマリア!」


姉は相当驚いている、

当然と言えば当然だ、今まで王太子と結婚したいと、

さんざん姉に話してきたのだ、

夢ごときで急に心変わりしては、不信に思うだろう。


「王太子様はいいの?」


「はい、私はこの国が好きです、

 この国に生まれた高位貴族として、

 この国で反乱が起こる可能性があると分かって、

 放置はできません。

 私はライオネル様に嫁ぎたいのです」


「そう」


そう言うと、姉はしばらく考え始めた。


姉が考えている時、無言になるのはよくある事なので、

私はじっと待つ。


正直、私では両親を説得したり、他の貴族との力関係の調整、

お見合いの手配は難しい、


こういった事に一番頼りになるのは姉なのだ、

私は祈るような気持ちで紅茶を手に、姉の返事を待つ。


「分かったわ、でも、いくら国の為とはいえ、

 アマリアが不幸になるのは許せないわ、

 お見合いは設定します、

 しかし、大事にされていないと分かったらすぐ別れる事。

 結婚を認めるかは別よ」


「ありがとう、お姉様!」


私は笑顔で姉にお礼を言う。


やったぁ~、姉がこう言って下さったら、

お見合いは間違いないわね。


両親も姉からの打診なら、受け入れるだろうし、

あとは父から確認があったら、

お見合いを受けると言うだけ。


本当に姉がいて下さって良かった。


私はほくほくの笑顔で、姉の部屋を後にしたのだった。

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