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「お姉様少しよろしいかしら?」


ライオネル様と子供を作る、

その前に、お見合いして結婚する必要がある。


ライオネル様は獣人で公爵の身分。

身分的には釣り合うのは幸いだ。


獣人は国民の3割程だが、優秀な人物が多く、

国でも重要なポジションについている事も多い、

例にもれず、ライオネル様も騎士団長という立場だ。


両親も反対はしないだろう。


しかし、今まで王太子の事を

「素敵~」

と語っていた私が、いきなりライオネル様と

お見合いしたいと言っても無理がある。


そこで頼ったのが姉だ。


姉の名前はリリアナ・スカーレット。

私と同じ、金の髪、緑の瞳だが、

ウエーブがかかった私とは違い、長いストレートの髪をしている。


姉の部屋は、私の部屋と同じベージュがベースとなっているが、

花模様の壁紙でピンクのレースを付けている私と、

幾何学模様で壁紙と同じベージュのカーテンの姉の部屋では、

随分違って見えた。


ちなみに、家具も私は白に金縁だが、

姉の家具は重厚な茶色の家具で統一されている。

これも大きく部屋のイメージを変える要因だろう。


「あら、アマリア、もう大丈夫なの?」


その表情は作り物ではなく、

本当に心配してくれている事が分かる。


姉はとにかく私に甘い。


そんな姉が私も大好きだ。


「もう8日も寝たのよ、大丈夫よ」


姉を安心させるように微笑む。


姉は侍女にすぐにお茶の用意をするよう伝える。


「あのね、お姉様に相談があるの・・・」


「まあ」


姉の目が大きく見開かれる。


社交の場では完璧なポーカーフェイス、

むしろ、必要な場に合わせて、表情を作る事もできる、

優秀な姉だが、私には自然な表情を見せる。


「実はね、私、予知夢を見たの」


「予知夢?」


本当は転生してゲームの知識が蘇ったからだが、

そもそもこの世界にはポータブルゲームという物がない。


その上、自分が作られた存在だと知るのは、

あまりいい気持ちがしないだろうと思って、

姉には予知夢と伝える事にしたのだ。


この国には、聖二コラが予知夢を見て、

王に国の危機を伝え、民を守ったという伝承がある。


突飛な話ではあるが、まったく受け入れられない

話でもないと思ったのだ。


そうしている間にも、焼き菓子と紅茶が淹れられる。


姉はそれを確認して侍女に席を外すよう指示をした。

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