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王宮のパーティの当日。
侯爵家の馬車で行く、父・母・姉とは別に、
私はライオネル様が迎えに来て下さった。
「娘をお願い致します」
「ご令嬢をお預かり致します」
父とライオネル様が挨拶をする。
そしておのおの馬車に乗り込み、王宮を目指す。
馬車に乗ると、ライオネル様が、
じっと私を見つめているのを感じた。
「どうかされました?」
何かおかしい所があったらどうしよう、
そんな不安を感じながら聞く。
「いや・・・美しい。
それに、俺の色を纏っているのを見ると、
本当に幸せに包まれる」
その言葉に顔がかあーと熱くなる。
これからパーティなのよ?
こんな赤い顔では困るわ!
そう思いながらも、心臓はどくどく言っている。
「ライオネル様も素敵です」
いつもより、更に格式が高いパーティ用の軍服。
片方だけマントが付けられ、飾緒もあり、
更に華やかさが増している。
顔は何でもないといった風を装いながらも、
ぶんぶんと尻尾を振るライオネル様に、
もう婚約者なんだからと、おかしくない程度に、
じっくりとライオネル様の姿を堪能した。
王宮に到着し、門番に招待状を渡し、
他の待っている人の列とは別の場所に案内される。
一定の高位貴族はこういった優遇があり、
先に王宮に入れるのだ。
王宮はいつ見ても立派で、
いくつもの尖塔が立ち並び、その色は真っ白だ。
他国からは”白亜の宮殿”と呼ばれ、
その美しさは有名である。
中に入ると、王家の威厳を示すように、
柱一本にも綺麗な装飾がなされ、
置かれている物は全て国宝級の物だ。
何度も通ってきた道とは言え、
婚約のお披露目をするというのと、
なによりライオネル様と一緒という事で、
いつになく緊張していた。
侍従に待合室に案内される。
大ホールに入るのは下級貴族から、
高位貴族である私達は後になる為、時間の調整をする。
「ほら、落ち着くよ」
そう言って、ライオネル様がドリンクを手渡して下さった。
「ありがとうございます」
笑顔でお礼を言って口に含む。
冷たい果実水は緊張を和らげてくれる。
さあ、パーティはもうすぐ。




