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獣人公爵とスパイスな恋  作者: あいら


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最後に予定されていた食事となった。


書店、魔導具屋で予定以上に時間を過ごしてしまい、

ランチの時間は過ぎていたが、

予約がされ、連絡も行っていたのだろう、

特に何も言われる事もなく、店内に案内された。


バトラーについていくと、個室へと案内される。

4人が座れるぐらいのテーブルに、

椅子が2客だけ用意されている。


恐らく特別な部屋なのだろう、

調度品も一流の物が揃えられ、

大きな花瓶には、溢れんばかりの花が生けられている。


それとは対照的に、

テーブルには花の部分のみの短い

フラワーアートとキャンドルが置かれており、

店主の趣味の良さが伺える。


壁紙やカーテンも王宮にあっても

おかしくない程の物で、

普通の令嬢なら、雰囲気に飲まれてもおかしくない所だ。


バトラーが椅子を引いてくれて席に着く。


すでにオーダーされていたらしく、

メニューもなく、オーダーもしていないが、

料理が運ばれてきた。


最初に運ばれたアミューズは、

小さな料理が3つ乗った料理だった。

ゼリー状の物や、生春巻きのような物、

それぞれが色鮮やかで、

1つの品にいくつもの食材が使われている事が分かる、

とても手の凝った物だ。


それらを、ソースにつけて味合う。


「まあ、美味しい」


王太子妃教育として、いろんな物を食べてきた、

王宮の料理も食べてきたが、

それらとなんら遜色がない。


「それは良かった、ここのシェフは元々

 王宮料理人だったんだ、

 それに独自のアレンジを加えていて人気なんだ」


その言葉に頷く。


オードブルのスープを飲み、

ポワソン、ソルベはランチの為だろう省略されていた。


とうとうメインのアントレだ。


大きな肉の塊を煮込んだであろう料理が出され、

今までの繊細な料理との違いに驚いた。


「凄いわ」


「これは食べ応えありそうだ」


肉を前にライオネル様は嬉しそうだ。


ナイフを肉に入れると、すっと肉が切れてびっくりする。


今まで形を保っていたのが不思議なぐらい、

柔らかかった。


「こんな料理は初めてだわ」


私は更に細かくし、一口大にして口に運ぶ。


何これ!美味しい!!!


思わず、手を口に持って行く。


「美味しいだろう?」


自慢げなライオネル様。


「はい、本当に美味しいです」


単なるワイン煮込みではないだろう、

いろんな調味料が入れられているはずなのに、

それらが全て調和し、最高のハーモニーを奏でている。


「この肉料理目当てでこの店を訪れる客も多い」


「私もその一人になりそうです」


ライオネル様ははははと笑った。


「スパイスにこだわっていたから、

 こうゆう料理は好きだと思ったんだ」


完全に見抜かれているわ。


でもそれがこそばゆく嬉しく思う。


最後にデザートが運ばれてきた。


デザートはシンプルなケーキだ。


「それにしても、何も買わなかったが良かったのか?」


ライオネル様が訊ねて来られる。


「ええ、いろいろ見れて充実しました、とても満足です」


笑顔で伝えると、それが本心だと分かったのだろう、

ライオネル様もほっとした顔で微笑んだ。


「それで、これを」


そう言って、渡されたのは・・・


「指輪・・・ですね?」


「ああ、魔導具屋で買った物だ、

 宝石ではないので、気軽に受け取って欲しい」


「ありがとうございます」


そう言って指輪を受け取る。


少し太めのリングに石が付いている、

宝石ではないという事は、おそらく魔石なのだろう。


「魔導具という事ですが、何か効果があるのですか?」


ライオネル様に尋ねると、


「まあ、護身というか・・・

 その石を捻ると、俺の指輪が赤く光る事になっている

 危険だと思ったら、指輪の石を捻ってくれ」


護身という事は、使う事がない方がいい事なのだろが、

万が一という事もある、

今日の思い出にもなって、気分がどんどんと上がる。


「ありがとうございます、ライオネル様」


左の中指がサイズが丁度だったのでそこにつける。


ライオネル様も、今まではしてなかった

魔石のついた指輪をした。

今は白だが、私が魔石を捻れば、

ライオネル様がしている指輪の魔石が、

赤く光るという事か。


護身以上に、お揃いの指輪をしている事に、

私は嬉しかった。

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