どこへ行くんだい?
気づくと朝靄の中にいた。
湿気で服が重たい。
少しずつ明るくなってきて、靄も晴れてきた。
軽い記憶喪失。
前後不覚。
きゃあきゃあ子どもたちの嬌声が聞こえて、一斉に走り抜けてゆく。
「君たち、どこへ行くんだい?」
「未来へ!……おじさんは?」
「俺も、未来だよ」
俺はにっと笑って答えた。
ふっと目覚めた。
今日はいつも通りの時刻に目が覚めたが、今見た夢が強烈な印象で、頭に残っている。
新しい1日が始まる。
また一歩未来へ進む。
確かに街は、俺の子どもの頃に比べてより近代的に進化している。これから先も街は変わり続けるだろう。
さあ、行くか。
どこへ?
……未来へ。