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81話 もう1つの別世界?

「ルーファ準備出来ているか」


「はい。いつでも出発できます」


あれから2日後、今日はペルロストから魔界で報告を聞く日である。今は出発の準備をしている最中である。本当ならアミール達とダンジョンへ行く日だったのだが、予定があると言って攻略は明日へ延期となった。

中止になった分リンウェルは相変わらずシュミレーションボードをやるそうで、アミールとサーラはギルドで依頼を受けるそうだ。そういえばエリースから新しい依頼が来ているとルーファが言っていたから今頃はそれを受けているのだろう。


「ルーファ、何か今日は楽しそうだな」


「今日は待ちに待った日ですから」


ルーファはどうやらこの日を楽しみにしていらしい。虐殺は心が痛むのだが、ルーファ的には遠慮なく暴れれるからそれがいいんだそうだ。リーゼロッテもそんなことを言っていたので、俺もストレスを溜めないように気をつけないといけないな。


「アーバス様はそういうことはないのですか?」


「今のところそういう感情はないな。楽しみはあるけどな」


なんせエクストリームの攻略が楽しいからな。報酬はどうでもいいのだが、強いモンスターと戦えるのが楽しみになっていたりする。トゥールの仕事も悪くないのだが、そっちは俺の一言で全てを動かしてしまうので発言には気をつけるようにしている。


「そうですか。でもいつかは来る時がありますので、その時は私やリーゼロッテに相談してください」


「何する気だよ」


「それは秘密です」


ルーファやリーゼロッテに相談って一体どうなるのかわからないが、2人と戦闘だけはやりたくないな。人間界でやれば人的被害は甚大だろうし、別世界でも被害が尋常じゃないだろう。


「それにしても遅いですね」


「時間はまだあるからな。それに任務が長引いているのかもしれないし」


今はルーファと2人だが、それとは別でもう1人呼んでいるのである。その人物の到着してから魔界へと行くことになっているのだが、その人物がまだ到着していないてのである。

といってもまだ集合時間より1時間も早い上にルーファは昨日からこの拠点に泊まっていので実質その1人の到着待ちをしているだけだしな。


「そいうえば昨日例の装飾品が競売にかけれられて落札されました」


「へぇ、いくらになったんだ?」


どうやらエクストリームでドロップした装飾品がついにオークションに出たそうだ。オークションに出したスキルは調理+105%のスキルのついた装飾品で、主に貴族などのコックをターゲットとした出品だそうだ。

コック1人が買う分には到底買える値段ではないが、貴族や国が買うだろうとルーファが言っていた。アーバスの予想では白金貨より1つ上の銀白金貨だうと思っていた。


「金白金貨100枚でした」


「ゲホゲホッゲホ」


あまりの金額の高さに思わずむせこんでてしまった。金白金貨なんて1枚でも小国の国家予算に匹敵するのになんでそんな金を100枚も出せるんだよ。そんな金を出せる国なんて数える程しかないぞ


「ちなみにどこが買ったんだ?」


「アルバイス国ですね」


「だろうと思ったわ」


アルバイス国とは大陸の西の方にある国で主に魔道具の生産や武具の販売を主にしている国である。値段は結構するのだが、値段以上に高性能な装備や魔道具であり、大国であれば大半がアルバイス国の装備という国も少なくはないくらいには人気と信頼があるな。ルーファ商会でも取り扱っており、装備品の中では結構な販売割合を占めていたりする。

それくらい人気で金が潤っている分、大胆にお金を使う傾向にあるのだが、流石に金白金貨100枚はやりすぎだろう。


「大丈夫なのかあの国は」


「まぁ、金白金貨100枚以上を月間で売り上げている国らしいですので大丈夫だとおもいます」


金白金貨100枚以上売り上げているのも凄いのだが、それだけ使っても懐が何も痛くないのがすげぇよ。ちなみにルーファに聞いたのだが、ルーファ商会も金白金貨100枚の出費くらいは痛くも痒くもないそうだ。なんならアルバイス国の10倍の利益を稼いでいるらしい。そっちの方がもっと衝撃だったわ


「主様、お待たせいたしました」


「レイラ来てくれてありがとう」


「いえいえ。主様の為ならば呼ばれたらいつでも参上するおつもりです」


そんな話をしているとやって来たのは諜報部隊のリーダーで幹部のレイラだ。レイラは諜報もそうだが、自白などの魔法を使うことができるので今回は追加でレイラを招集した形だな。ルーファでも自白させることくらいは出来るのたが、代償としてそいつは使い物にならなくなるから最終手段だ。


「アーバス様、パンドラワールド方はどうなっておりますか?」


「そうだな。少し覗いて見るか」


パンドラワールドについてはペルロストからの報告を聞いてから確認しようと思っていたのだが、この際だから一度覗いて見るか


「居るにはいるが、思ったよりも少ないな」


「ということはペルロストが結構な数を捉えたのですか?」


パンドラワールドを確認したのだが、そこには想定していた数よりも少ない人しか来ていないようだった。住居も建設している建物の半分程度しか住んでいる痕跡はないしな。


「それだとありがたいが、これは他にもある可能性を考えた方が良いだろうな」


「他ですか?1つあれば問題ないのではないですか?」


「もしかしたら2つ以上を発見、もしくは作成して片方を囮にしたかもしれないな」


普通なら避難できるスペースを1つ作ればそれで十分と言えるのだろうが、設置準備で地上に出ている魔族にそれを教えていることを考えるとこっちは囮だろうな。


「つまり本命の空間があると」


「だろうな。しかも自白の場面を仲間が見ている可能性もあるから速攻動かないといけないな」


反ペルロスト派の奴らについては順番に自白をさせるつもりだが、それをペルロスト派に紛れた反対派が見ているかもしれないからな。確認が取れた時点で襲撃しないと逃げられる可能性があるからスピードが重視されるだろう。


「なら、空間の場所がわかった時点で座標を私が送りますので、対応してくださりますか?」


「わかった。俺が確認した後にルーファにサインを送ることにするか」


「わかりました。それでいきましょう」


とりあえずこれで別空間への対処はこれでいいだろう。後は魔界へ行く前の最終確認だな。


「レイラ、今回行うのはペルロストの潔白の確認と見せしめだ。反ペルロスト派の情報を正確に抜き出してほしい」


「了解であります。万が一ペルロストが関わっていた場合はどうするおつもりなのですか?」


「ルーファに更地になるまで暴れてもらう予定だ」


「それはやりすぎではないでございますか……」


レイラがペルロストへ同情の目を向ける。万が一にも反ペルロスト派と共謀していることになればアーバス達トゥールを裏切ったのと同然なので仕方ないが、ルーファが暴れた後の虫けら一匹すら残らない大地を想像したレイラは顔を引きつるしかなかった。


「では、聞きますが、レイラ様は魔界からの進行に対して人間界が対処出来ると思いますか?」


「それは厳しいでありますね。トゥールなら抑え込むことは可能でございますが、それでも時間はかかりますわね」


魔界からのモンスターだけならルーファだけでも対処できるだろうが、そこに人間を守りながらという条件が付けばルーファだけでも厳しいだろう。


「そういう訳だ。トゥールと魔界で不可侵協定もあるしな」


トゥールが魔界への権力を持ったタイミングで魔界と不可侵協定の取り決めをしており、魔界の状況報告や足りない物資などの融通を行う為にペルロストはトゥールの仲間になった経緯があるしな。

実際魔界では物資が枯渇しやすい状況となっており、人間界からの物資を融通したりすることでここ最近は食料危機を一切として招いていない状況となっている。


「先に言っておくけど今回の目的は敵対脅威の排除ですよ。敵対しない物に何かをすることはありません」

 

「それはわかっておりますが…」


それでも仲間が裏切ったら容赦なく殲滅するところに驚愕しているのだろう。俺としてもやりたくないんだけど、人間界へ進行だけは止めないといけないからな。万が一あると結構な数の犠牲が生まれるだろうし。


「レイラ。それだから温情をかけようとはするなよ」


「流石にそれはだけはいたしません」


レイラは少し優しいところがあるからな。自白させるのに影響は出ないとは思うが、それでも不安は残るな。もしかしから他の人材でも良かったのかもしれないな。


「わかった。それでは行こうか」


と、アーバス達は魔界にいるペルロストのところへと転移で移動するのだった。

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