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476話  2vs6(アミール視点)

「やあっ」


私は手短な相手を攻撃するが、防御重視の相手は安々と攻撃を防がれる。攻撃速度自体は最速なのだけど防御重視の相手はやっぱり簡単に対応してくるわね。


「ここだぁっ」


と1人を攻撃する私に手が空いている相手が私の真横から攻撃しようとするが、私はそれをバックステップで軽々と回避する。


(やっぱり一撃で退場させるのは厳しわね)


私は距離を取るとここまでの攻防を回想する。最初、私が単独で相手前衛に乗り込んで2人退場させたのだが、そのタイミングで相手の主力6人が一斉に私に襲いかかったのである。私は6人もの相手が来たことに驚いたものの、すぐに防御へと切り替えて相手の攻撃を受け流して直撃だけは回避して、持久戦へでカウンター重視の戦法に切り替えたのよね。

持久戦に持ち込んでからは相手の攻撃を捌きながら隙を見て相手にカウンターで攻撃を仕掛けているのだが、向こうも防御重視なせいか一撃で攻撃決めきることができず、しかも他の相手がすぐにフォローに入るせいで普段のような連撃使って崩して退場とう戦法も取れないでいるのよね。


「アミールどうする。このままでは埒が明かないぞ」


と背中合わせになったクロロトが私に向かってそう声を掛けてくる。私が苦戦しているのを察してか戦闘序盤からクロロトが私のフォローに入ってくれて、私の相手する数を減らしてくれており、そのお陰で私はここまで4vs1で相手と戦うことが出来ていたのであった。


「そうね。クロロト、相手の装飾品が何が付いているかわかるかしら?」


と私はクロロトに相手の装飾品について聞いてみる。私にこれだけの人数を掛けてくる以上は雷と氷の対策はしているだろうが、問題はそれ以外に対策の装飾品を付けているのか私じゃわからないのよね


「雷と氷対策の装飾品を付けているが、それ以外はないみたいだぞ」


クロロトは相手の装飾品を確認していたようで、やはり雷と氷対策の装飾品を付けているみたいね。全属性の対策の指輪を付けられていると属性ダメージが入らなくて困り果てるところだったのだけど属性ダメージが入るのなら大丈夫そうね。


「クロロト、今から属性のフィールドを展開するから展開と同時に攻勢に出てくれる?」


「別にいいが、あいつ等に氷と雷は効かぬぞ」


属性フィールドの展開にクロロトは賛成するものの、相手にダメージが入らない属性のフィールドを展開しても意味がないとクロロトは思っているみたいね。残念だけどそれは私達のことを何もわかっていないわね


「ぐわぁっ」


「白と黒の雷だと!?しかもダメージが入るだと」


属性フィールドを展開したことによって現れた白と黒の雷に相手は驚くと共に属性ダメージによって減らなかったHPがみるみると減っていく。


「アミール、何をしたのだ?」


「内緒よ。でも、これで攻撃出来るわね」


属性フィールドのダメージが想定外だったのか、慌てふためく相手に私は今がチャンスとばかりに近くの敵へと切り込む。


「いつの間にっ!?がはあっ」


視線を外した相手に攻撃を当てるのは容易く、相手は私が接近してきたことには気付いたのだけれども防御されるよりも速く剣を相手に突き刺して退場させる。


「ヴィクル!!全員戦闘に集中しろっ。じゃないとやられるぞ」


属性のフィールドに気を取られて1人退場してしまったことで相手は正気に戻ったのは戦闘態勢に戻ってしまう。私としてはそのまま属性フィールドに気を取られていた方が都合が良かったのだけれど流石にそれは厳しいそうね。


「はあっ」


ただ、相手が1人減ったのは私にとっては好都合で私は近くにいる相手を攻撃しにかかる。


「これ以上の犠牲は出させないぞ」


だが、正気に戻った相手は元のように1人が私の攻撃を受け止めながら他の人達で私へ攻撃を当てる陣形を取っており、私が攻撃したことてで残りの2人がこちらへ攻撃を仕掛けようと接近してくる。


【ドラゴンインパクト】


私は目の前の相手と鍔迫り合いをしながら反対の手を後ろへと向けるとその手から魔法を放つ。放った魔法は龍属性のみに存在する魔法であるドラゴンインパクトで、この魔法は手から放たれた龍属性の波動によって相手を吹き飛ばすというものね。この魔法を受けることによってダメージには無いのだけれど吹き飛ばされて壁等に叩きつけられた時にはダメージが発生するのよね。


「これで邪魔者はいなくなったわね」


「ぐぬっ」


そしてドラゴンインパクトによって吹き飛ばされるということは相手の味方が近くにいないということで相手と一定時間1vs1の状況を作り出せるということにもなるのよね。

私は残り2人が吹き飛ばさせると同時に目の前の相手を倒すべく攻勢へと入る。まずは鍔迫り合いをしていた剣を引くとさっきと逆方向から剣を振り抜く。


「グッ」


先程までは距離を詰めてからの攻撃だったので相手は余裕を持って防御が出来ていたみたいだけれど近接戦では実力不足が露骨に出ているのか、私が振り抜いた剣に対して私よりも少し遅れて防御する。そのせいで相手の剣を受け止める位置が初撃よりも下がった位置での防御となって鍔迫り合いをするにしても先程より余計に力を入れないと拮抗しないみたいね。


「そこっ」


私はまた剣を引いて反対の角度からと交互に剣を振るって徐々に相手の防御する位置を下げていく。そんな悠長なことをしていたら吹き飛ばした相手が帰ってくると心配になるかもしれないが、ドラゴンインパクトは着地に失敗した場合に強制的にスタンするという効果を備えているのよね。そして吹き飛ばされた2人は見事に着地に失敗してスタン状態となっているのでそこそこの時間稼ぎになっているのよね。


【ホーリーランス】


私は相手が防戦一方になって余裕が出来たところで光属性の攻撃魔法であるホーリーランスを展開する。私の真上に展開した2本の光の槍は狙いをつけると真っ直ぐにスタンした2人へと飛んでいく。

私の実力だったら戦闘中に2人を狙って魔法を放つことは出来ないのだけれど動かない相手となれば話は別ね。


(今ね)


徐々に防御が厳しくなってきた相手に私はここぞとばかりに勝負を決めに掛かる。攻撃は先程までと全く同じ攻撃なのだけれどさっきまでと違うのはその威力。身体強化に加えて攻撃力も魔法で強化した私はそのギリギリで防ごうとする相手の剣目掛けて振り抜く


「しまった」


無理な態勢での防御に加えて今まで見せていなかった威力の一撃に相手は気付くことも出来ずに攻撃を受け止めるとその衝撃で持っていた剣が弾き飛ばされる。


「勝負ありね」


私は相手の剣が弾き飛ばされたのを見て間髪入れずに剣を振るう。相手は剣が弾き飛ばされたことに動揺して飛ばされた剣の方を見てしまうが、それは致命的なミスで私はそのミスを逃すまいとここで勝負を決めに掛かる。


「がああああああああっ」


剣で斬られた相手は一撃でHPが無くなってそのまま退場する。私はそれを確認するとすぐに周囲を見る。


(ちゃんと当たったみたいね)


まずホーリーランスを放った2人だけれどちゃんと当たったようで2人共退場となっていた。いくら魔法が苦手とはいえ動かない相手に対して攻撃を外したらアーバスに笑われていたわよね?


(クロロトはまだ戦闘中ね)


どうやらクロロトは先程の属性フィールドの動揺で1人倒すことが出来なかったようで2vs1で攻撃を受けないように立ち回っているようであった。


「クロロト、加勢するわ」


「ありがたい。では左の者を頼む」


私が加勢したことに何かを察したクロロトは私の目線の先にいる相手を指示してくる。私はそれに対して無言で頷くと早速斬り掛かるのであった。

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