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396話 心配により

「主、敵拠点は消滅したとのことです」


「やはり、レーザー砲は処理出来なかったか」


キリコから砲撃の結果が伝わってくる。やはり物理的に弾けないレーザー砲は処理出来なかったようで、敵の指揮所は壊滅的な被害が出ていたようであった。


「とれば各施設への攻撃も有効そうだな」


なんせ指揮所以外にも何施設か爆撃を防いでいた場所があるからな。そこを重点的に砲撃すれば重要拠点全てを破壊できるのも時間の問題だろう。


「キリコ、残りの施設についても次元艦隊による砲撃の指示をする」


「アーバス様、もしかして前線へ出られるのですか?」


「あぁ。確実に相手の拠点を潰しておきたいからな」


アーバスは戦線が壊滅したこともあって相手が反撃に出られないと予想してアーバス自身も前線へと加わるつもりでいたのである。


「それではここの防衛はどうされるおつもりですか?」


「既に四天王を引かせてあるから大丈夫だろ」


アーバスは両端が壊滅的な被害が出たタイミングで四天王を魔王城へと帰還させており、既に各自持ち場へと戻っていたのであった。


「それに大丈夫なところは障壁で守っているから大丈夫だろうしな」


四天王が戻ってきても尚、アーバスは防衛の手を緩めておらず、主要箇所に関してはアーバスの障壁が展開したままとなっていたのであった。


「そうだったのですか。ペルロスト、本当にアーバス様を出撃させてよろしいのですね」


「はい。ここにいる皆様は私が守りますので問題はありません」


レイラはアーバスを出撃させていいのかどうか魔王城の主たるペルロストに聞くのだが、ペルロストは問題ないとのことであった。敵が崩壊している今の状況のせいでペルロストが少し楽観視しているのではないかとレイラは感じるのであったが、きっとアーバスが出撃したい為にそう言ったのだろうと勝手に納得する。

それにこちらには最終戦力としてルーファがいるので万が一の時はそちらに頼ることになるだろう。


「そういう訳だから行ってくる。レイラ、魔王城に何かあればすぐに戻るから連絡してくれ」


「了解であります」


アーバスはレイラ達に留守番を頼むと転移でバルファーティア達のいる前線中央へと移動する。


「アーバス様、どうしてここへ?」


「増援だ。といっても非常時の戦力だけどな」


とアーバスは非常時の戦力であることを伝える。なんせ本来であればアーバスの力は必要がなくても倒せるという風に踏んでいるからな。


「アーバス様、それ程敵の主力は強力なのですか?」


「次元艦隊の爆撃を全て弾くくらいには優秀だからな。警戒しておいて損はないだろう」


アーバス自身が戦力とやってきた理由は爆撃を迎撃した人物達が非常に警戒しないといけないからと感じたからだな。その人物達がお眼鏡に適うかは別物ではあるが、アーバスとしては万が一といったことがあってはならないので前線へと合流したのである。


「ちゃんと作戦通りに進めれているか?」


「はい。主力砲撃直後より敵拠点への侵略を開始しています。まだ、敵拠点へは到達はしていない状況ですが、敵拠点の状況はどうなっているのですか?」


「とりあえず指揮所らしきところとアウトホールへの攻撃をしたところだ。敵指揮所は壊滅、残りの無傷な施設もこれから砲撃が行なわれるところだな」


「そうですか。ということは相手の指揮系統は混乱していると言うことでよろしいですか?」


「あぁ。そう思ってもらって問題ない」


なんせ相手は指揮所を破壊されて非常に混乱しているだろうからな。ただ、敵指揮所がハリボテの可能性があるのと敵の通信を傍受出来ていないので実際のところはどれ程の被害が出ているのかは未知数だけどな。


「前線では何か情報は掴めているか?」


「いえ。今のところは何も」


「そうか。捕虜とかは捉えているか?」


「捉えていませんね。全て皆殺しです」


どうやらリーゼロッテ達は捕虜を取っていないせいか前線で必要な情報を集めていないそうだ。本当であれば末端でもいいから生け捕りにして情報を引き出して欲しかったんだけどな。

アーバスはやれやれと思いながら崩壊している相手前線から情報を引き出せそうな人物を索敵で探すと丁度良いところに指揮官らしき人物がいたのでそいつを転移で引き寄せる。


「とりあえず黙っとけ」


アーバスは急に転移されて困惑して叫んでいるそいつと麻痺で黙らせると魔法で記憶を確認する。


(なる程ね。戦争の世界ね)


アーバスは相手の国の言語を理解するとそこから向こうの世界情勢を確認する。向こうの世界は戦争が絶えない世界であり、魔法は無いが、兵器はあるようである。そして超人間という普通の人を越えた人が稀に誕生するらしく、その人物達が戦争で兵器以上の力を出すことから超人間の数が国の強さの指標となるとのことであった。そして今回侵略してきている国はシャドルという国は世界一超人間を保有している国であり、あちらの世界ではトップに君臨するような国だそうだ。

今回シャドル国にアウトホールが出現することは始めてだったそうだが、国会は侵略戦争をする案を即時承認。それによって第二大隊がこの世界へと侵略戦争に派遣させたようであった。


(ということは超人間を能力を抑えておく必要があるな)


恐らく前線に派遣させている人間は普通の人間で、超人間は誰一人として派遣されていないのだろう。アーバスはその超人間がどんな人物達であるかを確認する為に更に記憶を確認していく。


(こりゃとんでもない人物だな)


アーバスは超人間がどれ程の強さがあるのかを確認すると驚きを隠すことが出来なかった。まず、超人間の身体能力であるが、銃弾くらいの速さであれば余裕で躱せるどころかそれを至近距離で斬ることすら可能な身体能力を持ち合わせているみたいだな。


(こちらのモンスターで例えると災害級と同等レベルかな?)


この指揮官の持っているデータからアーバスは実力を予測する。災害級と同等のレベルであれば大罪人であるバルファーティアやリーゼロッテでも油断しなければ倒せることができるだろうな。


(ということはさっきの砲撃での戦果は思ったより少ないかもしれないな)


指揮所のレベルにもよるが指揮所の迎撃に当たっていた超人間は攻撃を避けられているだろう。それにこの侵略戦争を終わらせようとすれば超人間全てを倒す必要がありそうだな。


(そして派遣された超人間は5人か)


アーバスは指揮官から派遣された人数と侵略作戦の概要を把握すると用済みとばかりに指揮官を斬り捨てる。


「アーバス様、何かわかりましたか?」


「どうやら超人間という災害級クラスの人間がいるらしい。それを倒さないとこの戦争は終わりそうにはないな」


「へぇ、それは楽しみですね」


リーゼロッテは不敵な笑みを浮かべる。なんせバルファーティアだけで圧倒できる戦場を見て退屈そうにしていたもんな。アーバスはそんなリーゼロッテを見てルーファを投入しなくて良かったと感じる。なんせルーファとキョウロクールとして解き放てば超人間程度簡単に捻り潰して戦争を終わらすることが出来ただらうしな。それなのでバルファーティアやリーゼロッテでも歯ごたえのある強敵がいることにアーバスは心配しつつもどれ程戦えるのか楽しみにしていたのであった。

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