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353話 ガルブロス戦

アーバスは戦闘準備を終えるとまだ気付いていないガルブロスに魔力弾を1発叩き込む。本当は近づいてからの方が良いのだが、それだとアミール達の位置から戦闘が見えなくなるからな。敢えてアーバスはアミール達から少し離れた位置で戦闘をするつもりであった。


「ギャオオオオオオ」


という咆哮が消えると奥からズシンにズシンと音を立ててガルブロスが小走りにアーバスの元へとやってくるとそのままガルブロスはジャンプしてアーバスへ飛びかかる。


「それは効かないな」


アーバスはその突進を難なく障壁で受け止めるとガルブロスは障壁に沿って滑り落ちるように胴体から着地する。もしアーバスが障壁を展開していなかったら今のでアーバスが潰されるかサーラの元へと飛んでいっていただろう。


「はあっ」


アーバスはアイテムボックスからハンマーを取り出すと胴体から着地して怯んでいるガルブロスの頭をモグラ叩きの要領で振り下ろして攻撃する。


「ギャオオオオン」


アーバスの振り下ろしたハンマーは怯みから回復しようと立ち上がったガルブロスを直撃すると頭を強制的に地面へ叩きつけられたガルブロスは再び怯んで力なく身体ごと倒れ込む。


(やっぱり全然減っていないな)


アーバスは超索敵でガルブロスのHPを確認しているのだが、攻撃を当ててもノーダメージと錯覚するくらいしか減って居なかったのである。元々魔法以外に大したダメージが入らないのは知っていたが、全くダメージが入っていないことに少し嫌気が差す。


(やっぱり今のアミールじゃSランクモンスターは任せられないな)


ガルブロスは近接戦への防御の高さ以外はAランクモンスターとそこまで変わらないので近接戦のダメージ次第では任せようかと考えていたのだが、そんなことはなかったな。


(でも、ダメージは入るからまだ殴らせてもらうぞ)


ガルブロスは硬いだけでダメージが無効ではないからな。ただ、ハンマーで殴っているだけだとダメージが全然入らないので魔力弾を撃ち込んでてダメージを与えていく。


「ギャオオオオ」


「うるせぇ。怯みやがれ」


「オォン」


怯みから復帰して吠えるガルブロスの顔面にアーバスはハンマーで横殴りを入れるとガルブロスはスタンすると同時に吹き飛ばされてダウンする。


(ハンマーはこれで終わりだな)


アーバスはスタンしたことを確認するとアイテムボックスから虹刀取り出してハンマーから持ち替えると魔力弾と連撃でガルブロスの体力を削っていく。


(全然削れねぇ)


アーバスはガルブロスのHPを見ながら攻撃しているのだが、虹属性を付与した虹刀であっても削れるダメージはハンマーとほぼ変わらずであった。魔力弾はダメージこそ剣より入っているものの、元々のHPが多いのもあって削り切るのに時間が掛かりそうだ。


(なら追加するか)


全然削れないHPに痺れを切らしたアーバスは魔力弾の魔法陣を追加で展開してガルブロスのHPを倍速で削っていく。


「ギャオオオオン」


「あったなそんなの」


スタンから復帰したガルブロスは大音量で咆哮するとその衝撃波で魔力弾の魔法陣が破壊される。ガルブロスは魔法が苦手なことを理解しているのか魔法陣があると咆哮や尻尾での攻撃などによって魔法陣を破壊するという行動をするのである。ただ、本来なら尻尾などで物理的に破壊する行動の方が多いので咆哮で魔法陣を破壊するのは珍しい行動と言えるだろう。


(だからといってもうハンマーは使えないしな)


ガルブロスのスタンであるが、アーバスの腕なら1度目は数回攻撃するだけで簡単に取れるのだが、2回目からはスタンまで攻撃する回数が膨大に増えるのである。その回数は個体差にもよるが約100回で、定期的に頭に当てながらその回数攻撃しないといけないのでアーバスは2度目のスタンを取りに行かないのである。


(でもこのまま咆哮ばかりするのならありかもな)


アーバスはそんなことを考えながら魔法陣を再展開をするのだがそんなに甘いことはなく、ガルブロスは展開された魔法陣を尻尾を振ることで破壊する。ガルブロスの尻尾は伸縮自在で、その長さは自身の体長の3倍程まで伸びると言われている。なので、魔法陣を展開するのならそれだけの距離を離して攻撃するのが基本の立ち回りである。


(ダンジョンが狭すぎて射程外から撃てないなこれは)


アーバスは魔法陣を展開するのだか、ダンジョンが洞窟という特性と今いる場所のせいで射程外に魔法陣を展開することが出来ず、アーバスが展開した魔法陣は尻尾によって順番に破壊されていってしまう。


(そしてこれか)


ガルブロスはアーバスへ接近すると前足と顔を使って攻撃してくるのでアーバスはその全てをカウンターしてダメージを与えているはずなのだが、やはりダメージは殆ど減ることはなかった。


(仕方ない。出すか)


アーバスは諦めて銃剣を出して左手に持つと虹刀でガルブロスの隙を作って銃弾をガルブロスへと撃ち込んでいく。


「ギャオオオオオン」


「やっぱりこっちは入るよな」


アーバスはニヤリと笑うとガルブロスが咆哮すると同時に虹刀と仕舞うと右手に左手と全く同じ銃剣を装備するとガルブロス目掛けて両手で撃ち込んでいく。この銃剣の銃の部分は普通の銃剣と違って魔法仕様であり魔弾で攻撃をすることから魔法攻撃として分類されるのである。アーバスは打撃攻撃である通常の銃剣と魔法攻撃が出来る銃剣をモンスターによって使い分けることで、得意な銃剣で相性良く攻撃することが出来るのである。

ガルブロスは魔弾に気付いて尻尾で攻撃しようするが、展開され続ける魔法陣の対処を優先しないといけないので銃剣は自身の前足でアーバスを攻撃することで銃を撃てない状況へ追い込もうとする。


「その程度で攻撃が止む訳ないだろ」


アーバスはガルブロスの攻撃を捌きながらガルブロスの方へ銃口が向く度に銃を撃ち込んでいく。魔力陣の時程連続してダメージを与えることが出来ないが、それでも魔弾は剣で削るよりも遥かに速くガルブロスのHPを減らしていく。


「ギャオオオオオ」


HPが半分以上削れたところでガルブロスは咆哮を上げると同時に全身に龍属性を纏い始める。ここからガルブロスは第2形態となって龍族と同じような行動へと変化するのである。


「それを待っていたんだよ」


とアーバスは右手の銃剣をアイテムボックスへと直してスタンライフルに持ち替えるとガルブロス目掛けて発射する。これが進化ならスタンライフルを撃ち込むのは悪手なのだが、第2形態への移行中はただの隙なので自由に攻撃することが出来るのである。


「ギッ」


形態移行で無防備だったガルブロスは攻撃を受けて麻痺するとアーバスは両手の武器を仕舞って今度は滅龍刀を取り出す。近接戦武器がほぼ効かないガルブロスに何故近接武器である滅龍刀なのかと思ってしまうだろうが、蜥蜴種だったガルブロスは龍属性を纏うことで龍種になってしまうのである。その為、滅龍刀の効果が適用されると共に特攻の中に物理攻撃無効化貫通と防御力の大幅低下があるので普通に剣を当てるだけで大ダメージを与えることが出来るのである。アーバスは滅龍刀に大量の魔力を注ぎ込むと麻痺で動けないガルブロスに止めの一撃を放つ。


【龍滅】


滅龍刀から放たれた黒い稲妻はガルブロスの胴体を貫くと身体に大穴が空いたガルブロスはそのまま光となって消えていったのであった。

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