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324話 テストの結果

「夏休みの予定を決めるわよ」


パーティー全員学食を受け取って席に着くとアミールがそう切り出す。そういえば都合の悪い日だけ聞いてそれ以外のことは何も決めていなかったな。


「水曜日は1日代表戦の練習としてギルドの依頼は増やすのか?減らすのか?」


アーバスはアミールとサーラに確認する。水曜日は代表戦の練習をしたので確定として次に決めることはアミール達のギルドの依頼だ。普段は土曜日にアミールとサーラが丸一日ギルドの依頼を受ける日として使っているのだが、それをダンジョンの攻略に当てるかどうかという話である。


「そうね。サーラどうする?」


「今の週一度で良いのではないですか?ダンジョンの方が安全に高ランクモンスターを相手にできますからね」


とサーラが今まで通りの維持を提案する。なんせサーラはエリースからの指名依頼があるので週に一度はエリースからの依頼が来ていないか確認する必要があるからな。ただ、週一度なところからサーラはダンジョン攻略を優先したいみたいだな。


「じゃあこれまで通り週一回にして5日間ダンジョンへ行きましょ。リンウェルもそれでいい?」


「ウチは問題ないで、代表戦もあるから前衛の腕も上げておきたいしな」


とリンウェルも賛成する。リンウェルもパーティー戦とはいえ自分が足を引っ張ることがないように指揮官よりも前衛の腕を磨くことを優先するみたいだ。アーバスからすればダンジョンへ行かない日が増えればもう少しトゥールの視察を増やせるかもと思ったが、どうやらそれは叶いそうにならいらしい。


「ならそれで行こうか。その他予定が入って行けなくなった時は前日までに知らせてくれ」


別に当日でも問題ないのだが、前日までに連絡を貰えればトゥールの視察とかを組み込むことが出来るからな。もし、アリーナで練習するとなったとしても前日だとアリーナを取れる可能性が上がるからな。夏休み期間はダンジョン漬けになるだろうと思って放課後に使っていたアリーナ6の使用申請をしていないので練習するなら事前に場所を確保する必要があるからな。


「リンウェル、テストは大丈夫だったの?」


「勿論赤点は回避したで、といってもテストは5割でギリギリやったけどな」


リンウェルの結果は5割くらいだったみたいだな。この学園の赤点は4割以下なので5割だったら補習は回避出来たが安心出来ない数字だな。


「そういうアミールはどうやったんや」


「私はギリギリよ。後数問間違えていたら補習だったわ」


とアミールは自身の結果を話す。本人が危ないと思わず言っていたくらいだったのでギリギリだったのは知っていたが本当にギリギリだったとはな。むしろ良く回避したと言えるくらいだな。


「良かったな補習にならなくて」


「本当にそうよ。というかアーバスはどうだったのよ。随分余裕そうじゃない」


「そりゃ満点だったからな」


なんせ赤点とは程遠い場所に居るからな。アミール達にテストを教えながらもちゃんと勉強はしていたからな。それにアーバスが苦手なのはセーティスの歴史の問題くらいで魔法に関する科目は元々得意分野だったからな。


「やっぱり満点者の1人はアーバスやったか」


「そうだと思っていたけど改めて言われるとムカつくわね」


2人は満点者の1人はアーバスだと思っていたらしい。勉強を教えるとなるとテストの成績が良い人じゃないと教えれないからな。後アミールはそんなにムカつくのなら勉強して取れば良いんじゃないかと思う。


「サーラはどうだったの?」


「私ですか?私も満点でしたよ」


ともう1人の満点者はサーラだったみたいだがアーバスはテストの結果を聞く前にサーラが満点だったことを知っていたのである。実はさっき学食で食券を買う時にサーラがアーバスと同じ学食の無料券を使って学食を買っているところを見てしまったのである。昨日まで無料券を使っている光景を見たことがないので直近で手に入れたと予想出来るのだが、入手できるタイミングがテストで満点を取った特典しか思いつかなかったからな。


「えっ。サーラもなの」


「テストの成績は良いと思っていたがまさか満点だったとはな」


「自信は無かったのですが、まさか満点とは思いませんでした」


自信が無かったというサーラであるが、アーバスが難しいと感じる問題を正解してくるとは思わなかった。シエスから満点者が何人いるか聞いてないが、恐らく非常に少ないだろう。というか満点者に学食の無料券を渡しているのならそりゃ難しい問題が何問か紛れ込むよな。もし、アーバスが問題を出す側でもそうしていただろう。


「というかカイン先生のあれ何だったのよ。てっきり私が赤点かと思ったじゃない」


とアミールがテスト返しの際にアミールを見て微笑んだことについて憤慨する。アーバスは結果を知っているから何とも思わなかったが、結果を知らない人からすれば赤点だと思われても仕方ない行動だろう。


「そうですね。人によってはそう捉えられても仕方ないですね」


「赤点ギリギリのアミールからしたヒヤヒヤだっただろうな」


そもそも赤点ギリギリだったからそう捉えてしまっただけで赤点常連では無ければ何とも思わずにスルーして終わりだっただろうしな。


「そもそも赤点ギリギリの奴がクラス代表ってどないなってんねん」


「うるさいわね。私が聞きたいくらいよ」


クラス代表があわや補習ということをリンウェルに煽られるとアミールは顔を真っ赤にして吠える。この学園ではテストの成績よりも実技の方が評価されるからな。なので今回の成績もテストの点数で多少の上下はあるものの、基本的にはダンジョンの攻略レベルがそのまま成績表に反映されているからな。

なら座学は必要無くないかと思うのだが、シエスが言うには最低限の教養と座学は身につけてから卒業して欲しいという願いから座学の授業とテストは存在しているらしい。確かに大国の王都の魔法学園を卒業して教養がないのは色々と問題ありそうだしな。


「ところでこの後はどうするんだ?」


今後の話は決まったし、ホームルームも午前中に終わったので午後からは自由だからな。アミール達のことだからダンジョン攻略になりそうだけどな。


「今日は解散でいいかしら。この後、家に成績の報告と帰省の調整をする必要があるのよ」


「私も同じですね。長期休みの時は一度帰省するように言われていますので」


「ウチもやな」


どうやらアミール達は家に1学期の報告をしないといけないようだな。さっき予定を決める前にアミール達から数日間駄目な日が出てくると言われてたが、どうやら帰省する必要があるみたいでそれでダンジョンへ行けないみたいだな。


「アーバスは成績を報告する必要はないの?」


「ないな。むしろ帰省するつもりもないしな」


アーバスはその特異性でメルファスに引き抜かれてからは禄に両親と会っていないからな。ただ、魔法学園に在籍していることをまだ伝えていないのでこの機会に帰ってもいいかもしれないな。


「ということは午後は暇ということですね」


「そうだな。でも、顔を出したいところがあるからそこへ行こうかな」


午後が丸々空くのなら断念しようとしていた視察を少しだけやっておきたいからな。アーバス達は昼食を済ませると今日は食堂で解散となった。

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