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32話 このアイテム達オークションにかけれるの?

「モンスターが全部変異種!?それって本当ですか?」


アーバスがエクストリームの内容を伝えるとシエスは凄く驚いた様子だった。変異種1体で大騒ぎするような世界だからそんなのが大量に居たら驚愕するよな。

 

「本当だ。証拠はこのアイテムかな」


アーバスはエクストリームでドロップした装飾品を並べていく。これでもスキル自体はハズレの部類だけを出したのだが、なんせノーマルのダンジョンと比べて性能が違うのですぐにわかるだろう。


「+60%!?こっちは+70%ですか」


「これでも昨日は1層目を探索しただけなんだがな」


「1層目でこれですか。とんでもないですね」


索敵の魔法が使えなかったからな。使えてたらもう少し進めたのだろうがこればっかりは仕方ない


「武器は生憎サーラに貸している雷刀しかドロップしなくてな。性能は良いんだが当たりか外れはがわからなかったんだ」


「外れでも今のダンジョン産より上なのですから十分ですよ」


ダンジョン産だと20%が現状の最高ランクだもんな。これより上となると生産になるんだが、生産でこれより上を手に入れようとしたら変異種を除くとSランク以上のモンスターの素材は必要だろうな。


「ちなみにこれはどうするつもりですか?」


シエスがそんなことを聞いてきた。そんなの聞かなくてもわかってると思っていたのだがと思いながらアーバスは答える。


「ルーファ商会経由でオークションにかけてもらう予定だ」


学生オークションだと学校名は最低限公表されるし、仮に匿名にしたとしても学園に張り込むバカがいることを考えるとバレるのは時間の問題だろう。それよりもルーファに頼めば簡単に足を消すことが出来るので出処の特定を防ぐ意味でも頼むつもりであった。ただ、当の本人にはまだ何も言ってないんだけどな


「良かったです。もし、学生オークションに出品となるとどうしたらいいのか考えないといけないところでした」


シエスが凄い笑顔になる。やっぱりオークションに出すとなったらどうやって誤魔化すか考えていたんだな。


「それにしてもこれ全部同じ指輪ですよね。ひょっとして生産品だったりしませんか?」


生産品か。確かにレシピがあればこの形の指輪は大量に作れなくはないし、俺の実力なら普段頼んでいる装飾品専門の鍛冶師に頼めば作れなくはないが


「生産品だったら好きなスキルを付けれるんだからもっといいスキルを付与させてると思うぜ」


生産品の特徴として付与されるスキルで素材が変わらないというものがある。これはゴミスキルや神スキルであっても必要素材は一緒なのである。ただ、付与されるパーセンテージはスキル毎によって変わるのでそこは注意が必要だけどな。


「それはそうですね。そんな手の込んだイタズラをするメリットはありませんからね」


「必要なら国の鑑定に掛けてもらってもいいしな」


この国にもあるのだが、各国は偽物を掴まされない為に装飾品などの鑑定をする専門のチームを持っているのである。セーティス王国にもそのような専門チームがあり、国が買い取ったり確認が必要なものはそのチームが鑑定しているそうである。


「出品するなら鑑定はしますが、ルーファ商会に出すならこちらでは鑑定しませんよ」


まぁ、それはそうか。真贋判定ならルーファ商会でも問題なく出来るしな。


「後、これは未確定の話なのだが、変異種に複数のタイプがあるかもしれん」


「なんですって、そんなことがあるのですか?」


やっぱりシエスも知らないか、となるとこれは検証する必要があるな。


「昨日、変異種のスライムに1体おかしな奴がいたんだよ。爆発しても死ななくてな」


「それってどうやって倒したのですか?」


衝撃を与えたら放置でいい変異種スライムが爆発で死ななくなるということは爆発を耐えながら攻撃する必要が出てくるので通常とは違う難易度や推奨にしないといけなくなるからな。


「爆発が弱まるまでは何も手出しできなかったが、弱まってから攻撃したら普通に倒せたぞ」


「力技ですか‥‥‥しかし初見だとそうなりますか」


初見だと弱点とかもわからないからどうしようも無いときは実力だけで戦うしかないんだよな


「ただ、昨日はその1体しか出なくてな。イレギュラーだったのかどうかは不明だ」


「情報だけでも十分です。それにしても、変異種にも特殊個体がある可能性ですか」


「そうだな。今のところダンジョンだけだがこっちでも出てくると色々と見直しが必要になるな」


「そのあたりはリリファスに連絡をしておけば彼女が対処してくれるので問題ないでしょう」


メルファスからギルドを経由しての発表だと混乱は少なそうか。ただ、見直しと言っても現実に個体を確認するまではわからないので気をつけるように程度の注意喚起しか出来なさそうだけどな。


「後は特にこれといった情報はないかな」


「そうですか、調査ご苦労さまです」


「好きでやってるだけだから別にいいよ」


元々腕試しと実力の現状維持の為にダンジョンに行っているだけだしな。変異種で驚いたところはあったが、逆に新鮮で今のところは楽しいしな。


「ところで西大陸にキングドレッドドラゴンが出たらしいですね」


西大陸とは世界地図を見た時に西にある大陸である。発見されたのが1番遅かったことが関係しているかはわからないが、モンスターの数が多く、発展も遅れている地域である。アーバスがいるせーティス王国は中央大陸にあり、メルファスは東大陸にあったりする。


「そうだな。Aクラス上位なんて久しぶりじゃないか?」


Aクラス上位に分類されてるキングレッドドラゴンなんてそうそう出てくることはないからな。Aランク冒険者で対処できなくはないが安全を考えるとメルファスが対処するのが理想だろう。


「そうですね。ただ、今のメルファスだと人選次第では負けそうですけどね」


「やっぱりシエスもそう思うか?」


「えぇ。強いモンスターの大半はジョーカーが処理していましたのは知ってますからね」


シエスは情報収集には余念がないな。メルファスにいてるリーゼロッテ程ではないが、それでも情報が早い方だろう。


「ちなみにアーバスはどこまで知っているのですか?」


「その先までは知ってるな。ちなみにまだ討伐はされてないな」


「つまりは負けたのですね」


メルファスが誰から討伐に行ったかまでは分からないだろうが、この情報だけで討伐失敗くらいはわかるか


「ってことは増援は使徒、もしくはリーゼロッテさん辺りでしょうね。必要に応じてはトゥールに依頼するかもしれませんね」


鋭いな。実際トゥールに討伐依頼は来てるし、討伐メンバーにリーゼロッテも居るしな。


「その辺りは答えられないな。リリファスからでも聞いてくれ」


「リリファスさんと良くご飯に行きますが、そういうところは話してくれないんですよね」


意外にもリリファスとご飯行ったりするんだな。でも、リリファスってそういう話しないんだよな。リリファスやシエスも愚痴とか言う時があったりするのだろうか。


「そろそろ時間ですか、アーバス頑張ってくださいね」


「まぁ今日も1層を攻略できたら良い方だろうな」


昨日のペースだと今日は2層目で終わりそうだしな。恐らくはスライムだらけだろうが、それでも良いアイテムが出るのでありがたいな。


「それとですが、リンウェルさんをお願いしますね。あの子結構劣等感を抱いているので」


「ん?そうなのか?」


劣等感か。今日の話でてっきり親に認められなかったことだと思ってたんだがな。シエスは防御で優秀な魔術師だが、心を読んだりするのも長けていたりする。ただ、魔法で心を読むのでアーバスやリリファスの心は読むことはできないらしいけどな。


「えぇ。まぁアーバスなら大丈夫でしょうけどね」


「ならそんな情報を入れるのはやめてくれ」


余計な心配をするじゃないか。流石にメンタルケアのサービスまでしてないぞ。


「さて、じゃあ攻略を始めますかね」


校長室を出るとアーバスは気持ちを切り替える。今日はレア度+1の指輪があるからドロップが期待できるな。

そんな浮かれた気持ちでグラウンドを通り過ぎようとするとグラウンドから突然閃光が放たれる。


(こんな時間まで練習か)


グラウンドは部活をしたりする生徒の関係で20時までと普通より長く使えるのだが、この時期はまだ一般学生の部活は解禁されていないので自習練習だろうや。

アーバスはグラウンドへと視線を向ける。ダンジョン帰りの学生の帰宅のピークは過ぎている為、他の見物客はいないようだがアーバスは練習に水を差すのも嫌だったので気配を消してダンジョンの方まで歩きながら様子を伺う。


(リンウェルか)


よく見てみるとリンウェルだった。手には槍を握っており、それを突出す度に槍の先から雷の電流が迸る。更に雷属性の身体強化を使っているのかその動きは速く、一般人では目で追えるかどうかも怪しいくらいだ。


(良いもの持ってるじゃねぇか)


Sクラスに入れるだけあって相当槍を使い込んでるな。槍のみでの戦いだったらそこらのAランク冒険者より上だろうな。ただ、問題があるとすれば


(魔力制御が甘いな)


魔力の使い方に無駄が多すぎる。サーラは魔力制御の腕も上級冒険者と引けをとらないくらいに魔力制御が出来ており、アミールはサーラ程ではないがそれを持ち前の魔力量でカバーしているからな。ただ、リンウェルに関しては1回で使う魔力量が適正より多く込められているのでそれだけ無駄に消費している状態であった。


(試合が長引くと不利だな)


短期決戦なら問題ないが、対抗戦を始めとした長期戦になる戦いには無駄な魔力の消費量の多さで負けそうだな。槍の自力自体はトップクラスなのに勿体ないな。


(魔力制御補助って余ってたかな)


魔力制御が安定しない場合に解決方法が2つあり、1つは自力で慣れて克服すること、もう一つは魔力制御補助の装飾品で補助するやり方である。簡単なのは魔力制御補助の装飾品なのだが、魔力制御を完全に装飾品で済ませる為、装備してない場合は元通り魔力制御が安定しないままだし、装備出来る場所を減らしてしまうので克服出来るのであればその方が望ましかったりする。


(何かいい方法あったかなぁ)


アーバスはダンジョンのある施設に到着するまで方法を色々と考えるのであった。

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