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244話 天界から謝罪

「主、お帰りなさいませ」


「ありがとうキリコ」


アーバスはミゲールを討伐して艦橋へと戻ってくるとキリコが出迎える。アーバスは艦橋にあるミニチュアで周囲の状況と自身の索敵結果と見比べて同じことを確認すると警戒解くと


「次元艦隊の被害はどうだった?」


「今回の出撃では被害はありませんでした。これもアーバス様が上位天使を相手して下さったからです」


「被害なしか。それは良かった」


次元艦隊への被害がないことにアーバスは安堵する。次元艦隊の被害はキリコの魔力を食ってしまうのでそれを考えると被害は無いのが理想だからな。


「ところでリーゼロッテの方は大丈夫か?あっちの方が本隊だろう」


アーバスはミゲールと同時にガロス山上空に出現した2つの上位天使を補足していたのだが、向こうはバルファーティアとリーゼロッテに任せれるだろうとミゲールを倒すのに集中して詳細な状況を確認しなかったのである。


「あちらはバルファーティアが2人共倒していましたね。神殺しの名は伊達ではないですね」


「そりゃあの戦闘スタイルは天使にとっては天敵だからな」


バルファーティアは自身の前衛能力が高いのもあるが、それ以上に相手の魔法を全て破壊してしまうカウンター魔法の使い手だからな。特に天使は回避や攻撃を始めとした戦闘面は全て魔法依存なのでその全てを破壊するバルファーティアは天使に対して非常に相性が良いのである。

過去にはバルファーティアが天界へと直接乗り込んで当時の15柱や神の半数以上を1人で虐殺したことから神殺しの異名がついたくらいである。最終的に天界を統べるが女神が土下座したことによってその場は収まったと聞いている。


「こちらには被害がないようだし戻ろうか。向こうの被害も確認しておきたいしな」


「そうですね。艦長、艦隊をガロス山へと移動して下さい」


バルファーティア1人で対処出来たみたいだから被害らしい被害はないとは思うが確認はしておかないといけないからな。次元艦隊はその高速を活かしてガロス山へ1分も掛からずに到着するとアーバスはキリコを連れて宴会場へと移動する。宴会場は天使達の奇襲があったからか、動揺が残っていたものの再び宴会が再開されようとしていたところだった。


「アーバス様、大丈夫でしたか?」


「俺達は問題なかったな。リーゼロッテ達の方は被害ないか?」


なんせガロス山の方は本隊でしかも上位天使を2体だったしな。状況的に圧勝だっただろうが、内容は知っておきたいしな。


「こちらはバルファーティアが2体共完封しましまので被害は一切として無かったです」


「オゥよ。15柱程度俺の敵ではないわァ」


リーゼロッテの報告にアーバスは安堵する。ドラゴン達に被害が出れば信頼問題に関わるかもしれないからな。ドラゴンだと上位天使には勝てないからな。保険でリーゼロッテ達を連れてきて正解だったな。


「師匠、ありがとうございます」


「トゥールとして当然のことをしただけだから感謝される筋合いはないですよ」


「それでもです。此処にいるドラゴンだけでは上位天使2体を犠牲無しでは倒せなかったでしょう」


ミラガロスとルーがアーバスが帰ってきたことに気付き、こちらへとやって来る。ミラガロスの言い方的にドラゴンだけでも勝てなくはないみたいだな。リーゼロッテの弟子みたいだから意外と戦えるのかな?それだとドラゴンの評価を見直さないといけないのかもしれない。


「ルー、ドラゴン達に被害はないか?」


「はい。村長が守ってくれたので被害はありません」


村長とはバルファーティアのことだな。バルファーティアのことを村長と呼ぶのはルディック村だけなので村長という言葉に一瞬誰だからわからなかったが、そういえば村長だったなとバルファーティアの立ち位置を思い出す。


「おィ主。俺が村長なことを忘れていなかったか?」


「俺からしたら幹部だからな。村長はあまり馴染みがないから仕方ないだろ」


「お、オゥ。主からしたら確かにそうかァ?」


それに気付いたのだろうか、バルファーティアが文句を言うがアーバスは正直に答える。何せ幹部で村を運営しているのはバルファーティアだけだしな。


「ところで襲撃はここだけかァ?他の所はどうなんだァ」


とバルファーティアが聞いてくる。何せ天界から15柱から2人と20天使1人からの襲撃なのだ。他にも天界からの襲撃者がいても不思議ではないだろう。


「レイラの報告にはそのような情報は今の所はありませんのでここだけかと」


リーゼロッテはブラックボードを見ながら報告してくる。他への襲撃はないとのことだからやはりドラゴンを狙った襲撃なのだろう。それ以外にここを狙う理由は無いだろうし、アーバス達トゥールが狙いなのなら個人で狙うだろうしな。


「なる程な。これは天界へ殴り込みをするしかないか?」


「そうですね。天界ならバルファーティアが行き方を知っているはずですからそこまで困ることもありませんからね」


天界からトゥールへの直接的な攻撃が無かったので今までは襲撃してきても無視をしていたが、今回は不可抗力かもしれないが戦いを挑んできたのは確かだからな。トゥールが反撃するだけの大義名分があるのでこれは天界へ攻撃をしても問題無いだろう。


「お待ちいただいてもよろしいですか?」


と空から声がすると女性の上位天使が1体、土下座しながら降りてくる。上空を見上げたアーバス達はまさかの光景に唖然とした表情でその天使が降りてくるのを待つ。


「この度は本当に申し訳御座いませんでした」


と天使は地面に着くとその頭を更に下げて謝罪する。どの地位の人物かはわからないが土下座しながら降りてくるなんて天使の常識からしたら中々あり得ない光景だった。


「失礼だが、名前を聞いていいか?」


「はっ。名前ですか?これは申し遅れました。天界で1番の地位である女神を受けておりますシリウスでございます」


どうやら天界のトップ自らが謝罪に来たようだった。女神の存在自体は聞いたことはあるが、こういう形とはいえまさか実際に会えるとは思っていなかったな。


「で、その女神様が何の為に謝罪なんてしに来たんだ?」


「天界の馬鹿共がこちらへ侵略とも取れる行為をしたことについてです。本来なら天界から人間界への干渉は禁止されていることなのですが、それを破るとは思っても見なかったのです」


女神シリウスが言うには天界から人間界への侵略はご法度な行為らしく、破った者は処刑されるくらい重いらしい。アーバス達は時々あることだったのでまたかみたいな感覚だったのだが、女神シリウスが見ていないところで行われていたようで、今回の15柱と20天使が死んだことにより初めて事態が発覚したらしい。


「なる程な。それでこうして謝罪に来たのか」


「そうであります。関わった天使は直ぐに拘束いたしますので煮るなり焼くなり好きにしてください」


「それならいいかな」


「あ、ありがとうございます」


どうやら女神シリウスもこの件は重く見ているらしく関係者を庇う気は一切としてないようだった。アーバスとしても敵対する関係者だけ処刑出来ればそれでいいからな。同じような形で魔界もそうしているからな。


「では、準備が出来たら天界へ出向くのでまた連絡してくれ」


「はいっ。出来るだけ早く達成できるように頑張ります」


とアーバスは女神シリウスと通信が出来るように取り決めをすると女神シリウスは天界へと帰って行くのを見送る


「いいのですか?」


「あぁ。何かあった時はこちらから天界へ出向くだけだしな」


その時は女神を含めて壊滅的なダメージを与えるだけだからアーバスとしてはそこまで気にしてはいないしな。アーバスはルー達に相談して宴会の続きをするのだった。

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