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214話 Bブロックの結果

「よし、集まったから作戦会議を始めようか」


週が明けて月曜日の放課後。アーバス達はS3組と合意の引き分けを使って最終戦を引き分けにするとそのまま作戦会議の為に用意していた空き教室へと移動する。


「もう始めるんか。Bブロックの結果が来てへんやろ?」


とリンウェルはまだBブロックの試合の終わっていないに始めるのかと聞いてくる。Bブロックが試合をしたのかどうかはわからないが、結果は当日の制限時間後30分後に来ることとなっているので後2時間は手元に来ないな。ただ、午前の結果に関しては既に結果の通知が来ており、A5組は無事A2組に勝ったようでこれにより最終戦でS2組が勝った場合はくじ引きで決勝進出のクラスが決まる形だな。


「結果が来るまでは決勝候補の3クラスの戦力の確認だ。結構な量があるからリンウェルはしっかりと覚えてくれ」


「わかったで」


「アミールは主要人物だけ覚えておいてくれ。後はそこまで怖くないだろう」


「わかったわ」


リンウェルは指揮官なので相手の戦力はしっかりと覚えていって欲しいが、アミールに関してはメインの前衛アタッカーな上に相手は主力級じゃないと止めることが出来ないからな。なのでアミールに関しては主力の顔と何してくるかだけ覚えてくれたらそれで十分なのである。それと全員の特徴を覚えさしたとしても当日までに忘れてそうだしな。


「結構な量やったな。よくこんだけ集めれたな」


「情報収集は結構頑張ったからな」


アーバスが一通り説明を終えると膨大な情報量と精度にリンウェルはびっくりしていた。なんせ団体戦は準々決勝から魔法で覗いていたからな。途中シエスから何度か妨害があったりしたものの、それも突破したら最終的にシエスに呼び出されて降伏宣言をされてしまったのだ。団体戦のルールとしては他の試合を魔法で覗くのは禁止されていなかったのでシエスからは魔法で団体戦を覗いたということを黙っておくと言う条件で黙認となったのだ。なので準々決勝と準決勝のA5組の戦い方やS2組と4組の成長具合も全て把握することが出来たのである。


「でも、これだけ集めて1つは無駄になるって考えると結構損よね」


「そうでもないさ。団体戦と対抗戦は年2回ずつあるから小まめに情報を更新しておいた方が良いんだよ」


学生の成長度合いを考えると本来は毎月の更新が望ましいのだが、大半はダンジョンで実力を付けているのでそれを確認するのは困難に近いからな。なので相手の試合を覗いて成長を確認しておかないと作戦を建てるにも難しいからな。なので情報収集出来る時にしておかないと急激に成長していることに気づかずに返り討ちということになるからな。


「そういえばアーバス的にはBブロックはどうなるのが理想なのですか?」


「A5組が2位抜けしてくれるのが理想かな。逆にS2組が2位抜けが1番面倒だな」


S1組の最大の敵はS2組というのは相変わらずで、アーバスは勝ち上がって来た際には総力戦で戦うと決めているのだ。なんせ前回はアーバス以外全滅したので今回は何としてもリベンジをする必要があるからな。なのでS2組を初戦に持ってこられると全てを見せた状態で残りの試合をしないといけなくなるのでS1組からすれば不利となるだろう。


「やっぱりAクラスが初戦だとやりやすいのね」


「それもあるが、1番は相手の主力の実力が既にパーティー戦で割れているのが大きいな」


「パーティー戦の決勝がそうでしたよね」


AクラスはSクラスよりも結構な格下ということもあるが、1番は相手の主力がアミール1人で完封出来るということだな。パーティー戦の決勝でA5組の主力はアミール1人によってボコボコにされているのだ。なので、今回は団体戦で人数が多いとはいえ、特殊属性無効化の指輪さえ付けておけば主力がやられることがないので主力さえ残ればS1組は勝てるからな。しかもAクラスはアーバスという狙撃手の存在も知らないので何も知らない状態で戦う1戦目で相手するのが1番だったりする。


「さて、相手の戦力を確認したところでそれを踏まえた作戦会議と行こうか」


「踏まえた作戦会議ってまだ結果が来てないやんけ」

 

と、アーバスが作戦会議をしようとしたところでリンウェルからストップがかかる。なんせ結果の通知が来るまで後30分あるのだ。それなのにまるで結果を知っているかのように作戦会議を始めようとするのだから待ったが掛かって当然だろう。


「最終戦の結果はS2組がS4組に勝ったが、くじ引きで準決勝落ちだ。順位は1位S4組、2位にA5組だから初戦はA5組とだな」


「結果ってどうやって確認したのよ」

 

アーバスが結果を発表するとアミールが当然のように疑問を持つ。なんせアーバスは今までアミール達に戦力の説明をしていたのであり、外部から情報を確認出来る状態ではないのだ。


「そりゃ魔法で確認しただけだけど?」


「この学園の魔法ってシエス校長の魔法で覗けないはずですが?」


「あれくらい突破出来てないとこっちはやっていけないのでな」


アーバスは悪びれることなく質問に答える。勿論シエスからの妨害はあったのだが、アーバスはそれを簡単に躱してS2組とS4組の結果とくじ引きを確認したのだ。なので、アーバスは通知よりも一足先に団体戦の結果を知ることが出来たのである。それであっても時間にして30分程の結果アドバンテージしかないけどな。


「本当かどうかは30分後の通知で分かるだろうからとりあえず騙されたと思って付き合ってくれ」


疑問に思われるのは仕方ないが間違いだと思うのなら通知結果を見てから突っ込んで貰ったら良いだろう。


「まず初戦だが、リンウェルはどうするべきだと思う?」


アーバスは最初にリンウェルに話を振る。決勝まで後4日あるから1日くらいリンウェル中心に作戦立案をしてもらってもいいだろう。


「そうやな。ここはパーティー戦と同じようにアミールに特殊属性無効化の装飾品を装備してもろて突撃させたらええんちゃうか?」


「その場合はアミールが集中砲火を喰らうし、他の主力は特殊属性の餌食となるがどうするんだ?」


なんせ今回は団体戦だ。パーティー戦だと4人しかいないのでアミールが全てを跳ね返すことが出来たが、団体戦だと前衛だけでも20人くらいいるのでAクラス相手といってもアミール1人だけでは倒し切ることは困難だろう。


「その特殊属性無効化の装飾品が1つならアミールを囮にして高火力の魔法攻撃を仕掛けるんやが、どうせ複数個あるんやろ?」


「そうなの!?」


リンウェルは装飾品が無かったら魔法での遠距離攻撃をするつもりみたいだ。でも、リンウェルはアーバスが特殊属性無効化の装飾品が複数個あることを読んでいたようで主力に装飾品を持たせての総力戦をするみたいだな。アミールは特殊属性無効化の指輪が複数個あることに驚いているみたいだが、実は持っているんだよなぁ


「特殊属性無効化の指輪ならここに合計8個あるな。流石に前衛全員分は用意していないぞ」


「それでも主力全員装備出来るのなら十分やな。これ使ってええんか?」


「いいぞ。むしろ団体戦用に用意したものだしな」


なんせその為に8つも用意したのだからな。パーティー用なら4つで済むのに倍の数を用意しのは何かの拍子で2パーティーで攻略するかもしれないからその為に用意しただけなんだけどな。


「というか団体戦の為にどれだけ用意したんや?」


「まぁこれくらいかな」


とアーバスは用意していた装飾品をリンウェル達の前に出して説明を始める。リンウェルはその説明を聞いた後に今後の作戦を建てていくのだった。

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