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159話 レベル1が終わらない

「ボス戦か。これで何回目か覚えているか?」


「これで10回ですね」


放課後、アーバス達はいつものようにエクストリームの攻略を進めていた。そして、広場に着いたアーバスはサーラに回数を聞くとサーラは覚えていたようで教えてくれたのだ。アーバスはノーマルと比べて中々攻略出来ないので途中からボス戦の回数を数えるのを放棄してしまったからな。


「未だにレベル1が攻略出来ないなんてどうなってるんだろうな」


「そうですね。そろそろ攻略出来ても良い頃だと思うのですけどね」


どうやらサーラも同意見らしい。道中スキップしていてるので50層以上は確実に攻略しているにも関わらず未だにボスが出てくるのでエクストリームのレベル2がないのではないかと思ってしまう。


「今月中に攻略出来ると思うか?」


「そう言われても困りますね。でも、未だにレベル1なのは進んでないように見えてしまうので早くレベル2に行きたいところですね」


シエスやリリファスには攻略状況を報告しているので進展していることは伝わっているので理解してくれているとは思っているが、終わり見えないとアーバス自身のモチベーションにも影響が出てしまいそうで心配なんだよな


「今回は道中がスパイダーだったからハイスパイダーの変異種か」


道中のモンスターは変異種のスパイダー達だったのだが、元から障壁貫通を持っていたせいでスパイダー達に攻撃される前にサーラの上級魔法での範囲攻撃とアーバスの魔力弾で全員倒し切る事態となってしまったのでサーラに龍属性の習得する時間を与えることは出来なかった。


「そうでしょうね。アミールが見たら卒倒しますよ」


アミールの虫系モンスターが嫌いなのは有名な話で虫型モンスターと対峙する時はアミールが氷漬けにするか、アミールが戦闘に参加出来ずにサーラが代わりに倒すかしないといけないそうだ。

女性冒険者は虫系モンスターとゴースト系モンスターは苦手な傾向にあるとアーバスは聞いたことがあるが、アミールはその内の虫系のモンスターが嫌いだからな。ちなみにゴースト系は問題なく倒せるそうだ。


「上位にも虫系モンスターはいるんだけどなぁ」


「そうなんですよね。AやSランクになってもその辺りの依頼は断ろうかと思っていますね」


ギルドから指名依頼があるとはいえ、決めるのは冒険者なので拒否することができるからな。王都のギルドならそれを理由に嫌がらせされただろうが、アーバスは相性が良くないモンスターは指名依頼でもやらなくて良いと思ってるしな。ルーファにもそれを言っておいたからか今のギルドになってからは虫系の依頼は受けていないそうだ。

それに虫系モンスターは素材としての買い取りは高めなので別に受けなくても他の冒険者が依頼を貰っていってくれるしな。


「サーラはそういうモンスターでの嫌いは無いのか?」


「そうですね。嫌いなモンスターとかはいないですね。魔法でいいなら障壁破壊と貫通が嫌いですが」


どうやらサーラはそういったものは無いみたいだ。アーバスもモンスターでの好き嫌いがないのでアミールが何故怖がっているのか理解出来ないのだが、サーラも同様の意見らしい。

魔法に関しては俺も障壁破壊と貫通が嫌いなのは同じだな。対策はあるにはあるのだが、それを超えられると対策のしようが無くなるのでアーバスは極力使う気はないのだが、このまま障壁破壊と貫通持ちのモンスターばっかり出るのなら使うしかないのなもしれないと思ってしまう。


「そういえば氷刀の強化が終わったみたいなんだが見るか?」


「見たいですが、何故アーバスが持っているのですか?」


サーラにさり気なく聞いたつもりなのだが、アーバスが氷刀を持っていることに違和感を持たれてしまった。そりゃルーファに渡したはずなのにアーバスが持っていたらおかしいよな


「ルーファが良い鍛冶師がいないか聞いてきてな。俺が紹介したのだが、そいつが強化した氷刀を俺のところに持ってきたんだよ」


強化を確認した流れてそのまま受け取ってしまったのだが、そのままルーファに渡しておけばと受け取ってから気付いてしまったんだよな。昨日はルーファが拠点へ帰ってこなかったのでアーバスが未だに持っていたのだ。


「ルーファ商会に紹介出来る鍛冶師ってどれだけ優秀なのですか?」


「さぁ、肩書が何処まで凄いのかは知らないけど優秀なのは確かだぞ」


といってアーバスは氷刀をアイテムボックスから出してサーラに渡す。エバクが鍛冶師として優秀なのはアーバスも知っているのだが、鍛冶長というのがアルバイス国内でどれだけの権力を持っているかまでは知らないんだよなぁ


「これって本当に依頼した氷刀ですか?完全に別物に見えるのですが」


「そうだろうな。俺も鑑定したが確かにベースは氷刀に間違いないな」


剣の見た目は雷刀みたいに刀身はクリスタルになっているが、そのクリスタルは氷属性だからなのか水色の光を放っているのだ。


「性能を教えて貰ってもいいですか?」


「あぁ。いいぞ」


とサーラが聞いてくるのでアーバスはサーラに進化した氷刀の性能を伝える。


「それって雷刀や龍刀くらいありませんか」


「なんなら氷刀の方が少し強いな。強化に虹鉱石と虹の結晶石を使ったからそれが影響してるんじゃないかな」


なんせ代用素材ではなく、理想とされる素材をエバクに渡したからな。その上で更にエバクの会心の出来というのもあって理想以上の強化になったからな。


「虹鉱石と虹の結晶石ってそんな使い方があったのですね」


「そうだな。俺も素材を要求されるまでは知らなかったからな」


なんせ使い道がわからない上にルーファに市場が混乱するからと売却を禁止されていた素材だったからな。ボナークやエバクに素材として要求されるまではアイテムボックスに眠っていただけだったしな。


「というかこれって私達で払えるのですか?」


と、サーラは加工賃のことを思い出してアーバスに聞いてくる。なんせ要求される素材がエクストリーム産な上にこの性能である。アーバスの紹介と言っていたのできっと普通の鍛冶師ではなく超1流のはずなのでとんでもない値段になっているはずだ。


「友人割引で銀白金貨5枚って言ってたかな」


「銀白金貨ですか…」


サーラはその金額を聞いて頭が真っ白になる。なんせ自分達はBランク冒険者だが、まだ駆け出しの部類である。お金はある程度持ってはいるものの、銀白金貨なんて持っているわけが無かった。


「アーバス、今手持ちにそんなお金がないですので返しますので借りてもいいですか?」


サーラが顔を真っ青にしながらそんなことを言ってくる。まぁそんな金額を請求されたら普通はそうなるよな。


「向こうに余った虹鉱石と虹の結晶石を渡したら代金は要らないと言ってきたからな。だから代金は払わなくてもいいぞ」


「そ、そうなのですね。良かったです」


と、サーラはそれを聞いて安心する。なんせ最上級に出来ると聞いてアミール達に黙って強化の指示を出したのはアーバスだしな。悪徳な鍛冶師なら黙って強化して後で法外な請求をするのだが、エバクなら強化のグレードを聞いてから素材と値段を決めてくれるからな。しかも上限値も決めてくれているので会心の出来だからといってそれよりも上の金額も請求されることもないしな。


「ということはリンウェルの武器の修繕も終わったのですか?」


「そっちは別の鍛冶師に頼んでいるからな。週末にも受け取りにいくつもりだ」


エバクはトゥールのメンバーなので強化の相談や完成した武器を持ってきてくれるが、ボナークの場合はこっちが出向く必要があるからな。しかも金額は出来によって決まるので事前にわからないからな。


「そうなのですね。アーバスは鍛冶師が複数いるのですね」


「用途によって変えてるからな。まぁ専属ではないけどな」


ボナークやエバクもそうだが、2人共アーバスの専属ではなく普通に鍛冶師として他の人の依頼も受けているからな。用途によって得意不得意があるのでそこを考えて依頼しているつもりだから、紹介すればアミールやサーラも依頼出来るんじゃないかな。

と、鍛冶師の話で暫く休憩するのだった。

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