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158話 代表戦の開幕

「アーバス。いよいよ代表戦が開幕するわね」


「といっても俺達は暫くやることが無いんだけどな」


それから2日後。シエスの開会宣言によって学園の代表を賭けた代表戦が始まったのだ。これから来月末までの約2ヶ月かけて代表戦が行われる。団体戦は今日から1番下のDクラスのみでの1回戦が行われ、個人戦に関してもトーナメント形式で今日から本戦に向けた予選が開始される。

アーバス達はパーティー戦は本戦からだし、団体戦は準決勝からなので今月は何もすることがないけどな。


「そうなのよ。アーバス、何かやることはない?」


「やることと言ってもこの後の授業を受けることくらいかな」


「えー、つまらない」


とアミールは退屈そうに言う。代表戦の予選は始まったのだが、その間も授業は普通にあるからな。予選に参加する選手はその試合の度に授業を抜けて試合をするので出る選手側も相当大変なんだけどな


「模擬戦もやらないのですか?」


とサーラが聞いている。アーバスはトーナメント表を確認したが、パーティー戦の本戦が開始になったとしてもBランクやそれ以下のクラスの選手が紛れ込むのが確定しているので初戦からSクラスの生徒と当たる可能性は相当低いのである。しかも、もし当たったとしても他のクラスの代表は個人戦にエントリーしている為か、各クラスの主力はパーティー戦に参加せずに個人戦に参加しているで予選にはライバルといったパーティーは見当たらなかったのだ。


「今のところはやるつもりはないな」


「なんでよ、やらせなさいよ。対人の腕が鈍ってしまうわ」


とやる気の見られないアーバスにアミールは抗議する。アーバスはため息をついた後、


「そんなんで鈍らんだろ。それに模擬戦といっても何処とやるんだよ」


この1ヶ月アーバスはパーティーの動きを確認しているが、入学時と比べて良くなってるのでアーバスからしたら必要がないと思っているのだ。しかも今になってパーティーの連携を確認しないといけないような状態でもないので代表戦で調整すればいいとアーバスは考えているしな。


「それはロインのところよ。そこが1番鍛えれそうだしね」


「尚更駄目だな」


「なんでよ」


とアミールは答えるが、アーバスは速攻で却下する。他のクラスを巻き込むのにむしろ何で通ると思ったのか


「アーバス、それはロインさん達も個人戦があるからですか?」


「それもそうだが1番は団体戦だな。それが終わるまでは模擬戦は控えるつもりだ」


アーバスからしたらパーティー戦は何もしなくても優勝出来ると思っているからな。対抗馬のいないパーティー戦でアーバスの力無しで優勝出来なければ学園対抗戦での優勝なんて不可能に近いのだ。アーバスはそれよりも団体戦の方に注力しており、団体戦が終わるまではアミール達パーティーの情報を隠すつもりでいるのだ。

ロイン達も団体戦で当たることを恐れてかお互いに積極的な模擬戦をする気が見られないけどな。


「ということは代表戦が終われば模擬戦をするのですね」


「そのつもりだ。だからそれまでは我慢してくれ」


夏休みはダンジョンの攻略しながら合間に模擬戦を挟む予定だからな。本番の学園対抗戦は夏休みが終わって少ししてから始まるので夏休み中から準備しないと準備不足になってしまうからな。


「アーバスは団体戦の方が重要なのね」


「そうだな。対抗戦の成績は全勝だが、内容は2組と3組に完敗だったからな」


「アーバスは今回は作戦で全勝する気なんやな?」


「そりゃそうだろ。俺が助けないと勝てないクラスはそれはそれでどうかと思うぞ」


Sクラスの組の間で格差があるとはいえ、1組はアーバス抜きでも他の組と戦えるように振り分けれているはずなので作戦次第で勝てないとおかしいからな。


「後はこの団体戦もポイントと序列に影響されるから準決勝で敗退とかすると入れ替えの危機になるから注意しておけよ」


実はこの団体戦の成績は夏休み期間だけではあるものの、序列に影響のある試合なのだ。今は何事もなくアリーナを借りれているが、2位以下に入ってしまうと夏休みも借りているアリーナ6が他のクラスに借りられるという事案が発生しかねないからな。

そしてポイントというのはクラス間のランキングを明確する指標でこれが各クラスで1番低いところはとその下の1番高いところとクラスを掛けて戦うのだが、もしこのポイントが上位クラスより100ポイント以上上回ってしまうと無条件での入れ替えが発生してしまうのだ。今回の団体戦では準決勝で敗退してしまうと決勝に進んだクラスよりも100ポイント低くなり、優勝クラスとの差に至っては200ポイントも開いてしまうことになるのだ。対抗戦でも1位と4位との差は100ポイントしか開かないのでこの200ポイント差は非常に大きな意味を持ってくるのだ。


「この団体戦って相当重要なのですね」


「そうだな。特にAクラスが優勝なんかしてしまえば入れ替え戦なしでクラスの入れ替えが発生しかねないからな」


もし、これで3組が準決勝で負けてAクラスが優勝でもすれば3組が残りの試合を全部優勝する勢いじゃないと本当に発生してしいそうだしな。


「他の順位はポイントは増えないのですか?」


「準優勝は50ポイント追加で貰えるな。3位と4位は何もなしだ」


2位は学園対抗戦へは出場出来ないものの、ポイントは貰えるので仮に優勝が厳しかったとしても2位狙いの組もあるだろうしな。ちなみに勝敗が同じ場合はくじ引きではなく再試合で順位を決めるようになっている。ポイントや代表が掛かっているのにくじ引きは後味が悪いし、談合が行われるかもしれないというのが理由だそうだ。


「そういえばポイント制なんだがらSクラスで特定のポイントを越えたらボーナスとかってないの?」


「一応設定されているみたいですが、ほぼ全勝じゃないと無理なくらい高い設定だったはずですね」


「そうなの!?ってことは私達はまだチャンスがあるわね」


ポイントのボーナスがあると聞いてアミールの目が輝く。アミールは本当にそういうのに目がないよな。


「ただ、未だに団体戦や対抗戦を全勝で優勝したクラスはないみたいだから結構難しい難易度だぞ」


なんせシエス達が学園に在籍していた時でも達成出来なかったくらいに難易度が高いらしいからな。実はアーバスも目標にしてはいるのだが、達成出来るか微妙な数字だしな。なんせ許されているのは年2回の団体戦の2位を1回だけだからな。定期的に行われている組対抗戦に関しては全部優勝が必須だ。

 

「難しいわね。でも維持だけじゃなくて別に目標があるは良いわね」


「そうですね。維持だけだと手を抜いたりしそうですもんね」


「手を抜かれるのも困るが言いたいことはわからんでもないな」


なんせ維持するだけで勝ち続けられるのなら新しいことを始めようとはしないだろうからな。ただ、難易度が高すぎるせいか歴代でもそれを目標としているトップクラスは少ないともシエスは言っていたな。

シエスはあまりの難易度に報酬を下げる代わりに難易度を下げることも考えていたらしいが、それを目標にしたいとアーバス言っていた為か、アーバスが在籍している間は議論しないということなったそうだ。


「1組はクラス全体のスキルアップをする為に敢えてこの高難度の目標を設定するから頑張ってくれよ」


それにアミールとリンウェルは頷く。元々作戦はそこまでな2人だから目標がわかったら素直に協力してくれるだろう。元からそうなのだが、アミールとかは勝手な行動をしないか心配だしな


「なので団体戦の代表が決まるまでは模擬戦は禁止だからな」


「わかったわ」


「そうですね。そこまで急ぐものではないですからね」


「やな。ダンジョン攻略なら既に他のパーティーと大差が付いていることやしな」


アミール達が納得したところで休み時間の終わりを告げるチャイムがなってこの話は強制的に終わることとなった

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