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130話 即死のボス

「アミール、リンウェル下がれ。サーラ遮光の障壁を展開、全力で守ってくれ」


アーバスはボスモンスターを見ると速攻でアミールとリンウェルを後方待機させる。ボスモンスターは恐らく全身骸骨だろうが、胴体はローブと鎧で守られており、手には死神の鎌を持っており、鎌の柄の部分には魔法で使うのだろう大きな緑の宝石がはめ込まれている。

骸骨は一瞬で距離を詰めると前衛にいたアミール目掛けて鎌を振りかぶると鎌は赤いオーラを纏ってアミールを狩るために振り抜かれる。


「させるかよっ」


アーバスは銃剣を取り出すと下から振り上げ鎌に当てて軌道を上に逸らす。アーバスは初撃を回避したのを確認すると空いた左手でアミールに触れると風魔法でサーラの近くへと吹き飛ばす。


「サーラ、任せたぞ」


「はいっ」


サーラはアミールが障壁の圏内に入ったことを確認すると障壁を展開する。リンウェルは戦闘開始時点でサーラの近くにいたのですぐに合流することが出来ていた。


(まぁ、そうだよな)


アーバスは鑑定で骸骨を確認すると予想通りのモンスターに一層集中力を高める。モンスターはエルダーデスウイッチというモンスターで災害級一方手前のSSSランクモンスターだ。このモンスターの特徴は鎌による攻撃全てに即死のついた赤いオーラがあることであり、もしこれに掠りでもすると一撃で退場となってしまう。外だと即死なので退場で済むだけ易しいが、それでもランクに見合ってないにの明らかだった。


(更に無効だらけね。本家よりもヤバいな)


スケルトン系にある光属性以外無効は当然のことながらそこにプラスして魔法攻撃無効と斬撃無効までついており、攻撃は打撃しか通してくれない状態だった。

エルダーデスウイッチは攻撃を阻止されたからか狙いをアーバスに変更し、高速で接近するとその俊敏を活かして手数でアーバスに攻撃ししかける


(過去一強い個体じゃないかこれ?)


最初の時から感じていたのだが、エルダーデスウイッチの攻撃速度はスケルトンナイトと同じ速度くらいのはずなのだが、今の攻撃速度はサーラのバフを得た全力のアミールくらいの速さだ。しかも一撃一撃に即死が付与されているので被弾すら許されない


(これもしかしてサーラに障壁を張らせた意味がないか?)


アーバスはエルダーデスウイッチの攻撃を観察していると即死に注意が行って気づかなかったが、即死の他に障壁破壊と攻撃貫通まで入っていたのである。これによりアーバスが用意していた防御スキル達は一切の意味がないということになる。


(一発でも攻撃を受けたらパーティー全滅ねぇ。面白いじゃねぇか)


アーバスは攻撃してきた鎌を無属性を付与した剣で弾き上げる。無属性の付与によって剣やエルダーデスウイッチ自身に付与されていた強化魔法が全て破壊されるとその動きが鈍くなる。


「はぁっ」


アーバスは武器を銃剣からハンマーへと取り替えると無防備なエルダーデスウイッチの顔面へ叩きつける。エルダーデスウイッチはその攻撃を顔面で受け止めると10メートル程吹っ飛んで顔面から着地する。


「これも食らっとけ」


アーバスは再び銃剣に持ち替えると今度は銃を連射してエルダーデスウイッチへダメージを与えていく。エルダーデスウイッチはダウンから復帰すると一緒に飛ばされていた鎌を拾って再びアーバスへと襲いかかる。


(今ので3割か…)


HP確認すると今の吹き飛ばしからのダメージが3割弱しか入ってなかったのだ。しかも、銃弾には聖属性を付与しておいたのでダメージがアップしているのにも関わらずだ。


(鎧が邪魔だな)


本来なら半分以上のダメージが入っていたはずなのだが、鎧のせいで銃ダメージが軽減されているのだ。更にはエルダーデスウイッチに対して最も有効である斬撃系の攻撃が無効にされているのも高ダメージを出せない要因にもなっていた。


(どうせ隠すのなら虹刀を出しても一緒かな?)


アーバスは持っている武器が銃剣だと悟られないように銃剣を透明化して隠した上で銃か剣どちらかだけを使用するように徹底している。ただ、銃剣のどちらかしか使わない上に隠すのなら自身の魔法習得も兼ねて虹刀を出しても問題ないのではと結論づける。

アーバスはエルダーデスウイッチの鎌の振り下ろしに対してステップで躱すと鎌の上から銃剣を振り下ろして鎌を地面に突き刺す。エルダーデスウイッチはめり込んだ鎌を引き抜こうとしている間にアーバスは虹刀を取り出して利き手である右手で握りしめる。出していた銃剣は念の為に左手に持っておく。


「さて、何処まで耐えてくれるかな?」


アーバスは虹刀に魔力を込めると刀身が虹色に光りだす。アーバスはそこに無属性を属性融合の要領で追加で付与するとエルダーデスウイッチに向かって斬りかかる。エルダーデスウイッチは鎌でアーバスの虹刀を弾きに行こうとするが、無属性の属性付与の特性のせいで、バフや即死を全て無効化されるせいで力が足りずに鎌を下へと叩き落とされる。


「隙ありだな」


鎌が手から離れた隙をアーバスは見過ごす訳もなく、そのまま虹刀で斬りつける。本来なら斬撃無効で斬撃の攻撃は入らないのだが、無属性の属性付与と虹属性のコンボのせいか、本来なら入らないはずの属性ダメージがエルダーデスウイッチのHPを削っていく。


(やっぱり別格だな)


アーバスはダメージを見てそう思う。もしかしから弾に虹属性を込めていたらダメージ量がもうちょっと増えていたのかもしれないが、弱点である聖属性で攻撃していたのでダメージ量が少ない訳ではないのだが、それでも今の一撃で1割も削れるもは思わなかった。


(これなら剣の方がいいな)


銃弾の通りも悪くないのだが、ダウンしないとまともにダメージが出ない銃と違って剣だと崩したら勢いそのままでダメージが出るからな。しかも無属性との属性融合で相手のバフを消しながら戦っているので優勢だしな。

アーバスはもう一度エルダーデスウイッチの防御を弾いてダメージを与えると残りのHPが半分を切ったエルダーデスウイッチの行動が変化する。


「うおっ」


エルダーデスウイッチは鎌を捨てると突如拳で殴ってきたのだ。アーバスは咄嗟に剣を出して防ぐことが出来たが、反応出来たのは偶然に近い。


(それはヤバくないか?)


エルダーデスウイッチは拳という肉弾戦の選択肢を取ってきたのだが、その拳には即死が常に付与されており、拳であっても一撃で退場することには変わらない。本来はこうなった時には魔法攻撃の無効が無くなっているのだが、アーバスが鑑定でステータスを確認しても戦闘開始時からスキル構成は何ひとつ変わっていなかった。アーバスは無属性で対応するがエルダーデスウイッチは鎌の時の様な露骨な隙を見せることが無くなり、アーバスは攻撃を防ぎながら反撃のタイミングを探る。


(怯まないか)


アーバスは攻撃を弾きながらそう思う。エルダーデスウイッチは無属性で即死やバフが無効化されようともすぐにバフを掛け直して体制を立て直しており、何度かパリィも決めているのだが、弾かれた拳を反動にして殴ってくるので迂闊に攻撃したら反撃されそうなのでアーバスは攻撃に転ずることが出来ない。


(防御するとダメージが入るだけマシか)


アーバスは攻撃を防いでいるだけなのだが、虹刀の刀身にエルダーデスウイッチが触れた場合のみHPが減っていたのだ。これによりアーバスから反撃をいれなくてもエルダーデスウイッチはこのまま倒れてくれるだろう。


(更に変化したら不味いかもしれないがこのままだと大丈夫そうか)


拳での肉弾戦は流石に焦ったが、それも最初だけで攻撃自体は即死を除けば専門の攻撃職と比べて突出して強い訳ではないので冷静見分けてれば捌ききることが簡単だった。


「それも見えてるぞ」


エルダーデスウイッチが持っていた鎌だったが、それが浮きあがってアーバスへ攻撃しようとしていたのだ。だが、アーバスはそれを魔力弾で撃墜すると拘束魔法で身動きを取れなくしておく。魔法攻撃無効はエルダーデスウイッチに付与されていたのであって鎌には付与されて無かったからな。装備されている間はその恩恵を受けれるが、離れている状態ならば魔法による撃墜や拘束も効くからな。

エルダーデスウイッチはそれ以上の隠し玉はなく、HPが無くなるまで肉弾戦で攻撃を繰り返すのだった。

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