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114話 街の外の防衛モンスター

放課後、アーバスはルーファと軽い打ち合わせをする為に商会のギルドへと足を運んだ後、タポリスの城壁の外でモンスターが現れるのを待っていた


(こんなに平和な場所なのに夜は高ランクモンスターまみれとか信じられないな)


眼下に広がるのは砂漠のみで、周囲にモンスターなど一匹も見つけることが出来ず、索敵魔法をかけてもモンスターの反応が無かった。


(お?そろそろ閉めるのか)


日が傾き時刻は18時に迫ってきたところで、門番達は王都へと続く検問を閉める作業へとかかる。検問を閉める時刻までに間に合いそうにない商人達は既に他の街へと移動したのか検問には誰も居なかったのでスムーズに片付けが進んでいく。


(出てきたな)


片付けをしている最中、検問より人が出てきたのだ。その数は30で全員奴隷の象徴とされている首輪を装着しており、その後ろには連れてきたのだろうギルドの職員らしき人物が立っていた。


(まさか本当に奴隷部隊がいるとはな)


アーバスも報告書で読んだだけで違法奴隷て構成された奴隷部隊がいることをそこまで信用していなかったのだが、本当に出てくるとは思わなかったな 

 

(しかも何人かはランクが高そうだな)


本当は索敵魔法や鑑定を使って奴隷達のことを調べたいのだが、今使うと付き添いのギルドの職員に位置がバレてしまうことを警戒してアーバスは上空からの観察だけにしていたのだが、ここからでもわかるくらい何人かの冒険者の魔力は明らかに異常だった。


(S、もしくはそれ以上か?)


アーバスは奴隷達のランクを予想する。普段どこに奴隷部隊を匿っているのかや奴隷部隊の構成まではリストにはなかったのだが、恐らく詳細を掴もうとすると奴隷部隊の反撃に遭いそうだから掴めなかったのだろうと推測する。

そのあいだにも検問を閉める作業は継続されており、ついに検問は完全に閉鎖される。


(そろそろか?)


兵士が検問を完全に閉鎖したことを確認すると、何処かへ電話で合図を送ったようで、その直後に王都を守るように強大な障壁が現れる。


「これが王都の障壁か…」


アーバスは障壁を鑑定で確認すると驚きの声を上げる。障壁には遮音や障壁の破壊無効を始め、ありとあらゆる攻撃や妨害にたえられるように設計されていたのである。


(これを破壊出来る国なんてないだろ…)


アーバスは障壁を見てそう感想を漏らす。この障壁を破壊しようとしたらアーバスでも全力を出さないと破壊出来ると思うくらいしないと壊れないくらいには硬い障壁だ。


(これを普通の人間がこれを破壊するなんて無理だな)


外から攻めようとしてもこの障壁を破壊して街中へ侵入することは出来ないだろう。そうなれば兵糧攻めをするしかないのだが、ルーファ商会はタポリスの非常時の食料管理も任されており、ルーファ商会本部には全員が1ヶ月以上問題なく暮らせるくらいの食料が備蓄されている。

しかも、シエスが許可されしてくれば外部から転移で食料を持って来ることが出来るので兵糧攻めは無意味といっていいくらいだろう。


(職員は戦闘を見ずに帰るのか…)


奴隷部隊を連れてきた職員は障壁の展開を確認するとそのまま帰っていった。奴隷部隊達は朝まで戦闘続きらしいし、奴隷はその制約のせいで逃げることも出来ないので朝の検問が開くまでの間は自由していいんだろうな。


(お、出てきたな)


日が完全に沈み、暗闇になったタイミングで地中からモンスターの反応が出てきたのだ。地下のどこから出てきたまでは特定出来なかったものの、そのモンスター達の内の1体が奴隷部隊を見つけたのか、そちらへと猛スピードで向かっていく。


「アァァァァァァァァァァァイッ」


と声と共に地中からモンスターが口を開いて叫びながら飛び出してきた。モンスターはデフォルメされたイルカのような見た目をしていて体長は10メートル程ではあるが、全身は砂と同色の硬い鮫肌のような皮膚で覆われており、口元には鋭利な歯がぎっしりと並んでいて掠っただけで普通の冒険者にとっては致命傷となりそうだ。アーバスは見たことないモンスターだったので鑑定を掛けて詳細を確認する。

このモンスターはリクサルカというらしい。スキルは移動速度上昇と物理魔法ダメージの軽減と上位モンスターとしては特殊なスキルはないが、地中を高速で移動するので地上に出ているときにしか倒すしかなく、難易度は高いそうだ。


(初撃は回避したか)


地中を移動している音を察してか、冒険者はリクサルカの出現する位置から離れており、飛び上がったリクサルカに対して魔法攻撃にてダメージを与えていく。


(連撃は非常に良いな)


リクサルカと戦いなれているのか、奴隷部隊達は次々と地中から飛び上がって攻撃してくるリクサルカに対して魔法で攻撃を当てていく。


「アイィィィィィィィィィィッ」


ダメージを受ける事にリクサルカは悲鳴を上げるのだが、それに反応してか、近くを泳いでいたリクサルカ達も奴隷部隊を攻撃するようになり、徐々にではあるが、奴隷部隊が数の暴力で劣勢になり始める。


(このタイミングかな)


大群になりつつあるリクサルカで精一杯なことに乗じてアーバスは奴隷部隊のメンバー1人1人に鑑定でステータスを確認していく。


(やっぱりSSランクか)


最初に高ランクと睨んだ者達を鑑定すると予想どおりではあったのだが、元SSランクの冒険者だったのだ。何が理由かはわからないがSSランク冒険者で奴隷落ちなんて重大犯罪でもしなければなることはないだろう。  

アーバスはアイテムボックスからブラックボードを取り出すと、鑑定で得た冒険者達の情報を順番に確認していく。

 

(全員死んでいるんだが…)


アーバスが照会すると、今居る奴隷部隊の冒険者達は全員死んだことにされており、死亡理由は様々なのだが、全員に犯罪履歴がついていた様子もなかったのである。


(処理は王都の冒険者ギルドね)


報告は王都の冒険者ギルドが行っており、そのギルドが奴隷部隊として起用しているのだから不正なのは明らかだった。奴隷にするには奴隷の契約者と本人を奴隷を管理している奴隷組合に提出しなければならず、奴隷組合はトゥールが実権を握っている組織の1つでもあるので、登録漏れということもないだろうしな。

 

(違法奴隷なのは確定したが、どう対処しようかな)


今すぐにでも奴隷を解放することも可能であるが、そうなれば作戦が勘付かれるか容疑者が逃げてしまう恐れもある。ただ、奴隷部隊として使われ続けるのも可哀想だよなぁ


(でも、明日には解放出来るからこのままにするしかないか)


どうせ明日には解放するんだし、今日は死なないようにフォローするしかないな。


(といっても助太刀が必要なのかは怪しいところだがな)


眼下ではSSランクの元冒険者達がリクサルカのHPを順調に削っており、このペースで行くと朝までに1体か2体は倒しきれても不思議じゃないな。ちなみにアーバスが評価したリクサルカの評価はSランクなのだが、複数あつまるのならSSランクかそれ以上だろうなというのが感想だ。


(お、ダウンか)


リクサルカはダメージが蓄積したのか、空中で仰け反るとそのまま地中に潜らずに地面へと落下し、ビチビチとその場で飛び跳ねる。奴隷部隊は今だと言わんばかりにリクサルカに接近すると、腰に刺していた剣を抜刀し、リクサルカを斬りつけいく。


「アィッアィッアイイイイイイイイイィッ」


リクサルカは攻撃される度に痙攣するようにその身体を硬直させる。近くにはまだ他のリクサルカがいるのだが、自分の攻撃が仲間に当たるのが嫌なのか、攻撃されているリクサルカを避けながら冒険者を攻撃する。


(結構大きな隙があるんだな)


その潜る速さや難易度的に倒すのが非常に難しいと思っていたのたが、案外大きな弱点があるんだな。


(ん?)


リクサルカのHPが1/4を切りそろそろ討伐が見えた頃に地中から更に大きい反応が出現する。そのモンスターは攻撃されているリクサルカに向かって突進すると



「オォォォォォォン」


攻撃されたリクサルカ毎吹き飛ばしてその身体を出現させる。


(デカいな)


体長は50メートル以上はあるだろうそのモンスターはリクサルカではあるが、どう見てもこのリクサルカ達の親玉みたいな存在をしてしたのだ。もしかしてこれ群れで行動しているのか?  

 

「オオオオオオォォォォォォッ」


親玉リクサルカが咆哮をすると周囲にいたリクサルカ達は一斉に砂の中へと潜っていってしまう。そしめ親玉リクサルカと奴隷部隊との戦いが始まったのである。

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