オーストラリア編② 〜Amazing wild lunch〜
オーストラリアで食べる魅惑のジビエ!
8歳の少女は、強烈な体験を全身で楽しんだ。
私の人生初のジビエ体験はかなり風変わりなものだった。
日本でジビエといえば、シシ肉、つまりイノシシ(ボタン)や鹿、馬肉などがある。また和歌山の一部ではイルカやクジラ(竜田揚げが多く、給食にもよく出される)が食されるなど、その種類は多岐にわたる。
が、国変われば食も変わる。
オーストラリアのジビエは、私に大きなインパクトを残してくれた。
オーストラリアで有名な動物といえば、第一部で述べたコアラやカンガルー、クロコダイルなどが挙げられるが、私は現地で彼らの様々な姿を見ることになった。
広大な公園の中、野生動物の楽園を堪能し、ランチタイムがやってきた。ガイドがバーベキューの用意をして、我々は大自然のど真ん中で野生を頂いた。
出てきたのは巨大な牛のステーキ。まず一人当たりのサイズがおかしい。私は限界まで大きな口を開けて、巨大な肉の塊に食らいついた。
次に出てきたのは、ジャーキーだった。
ジャーキーが大好きな弟は好物のオンパレードに大歓喜した。このジャーキー、見た目ほど硬くはないが、少しクセのある味だった。現地のガイドが説明を始め、あまり聞き取れなかったが、ある言葉だけはしっかりと聞き取った。
「kangaroo and…」
…食べちゃうの?
衝撃と罪悪感にまみれつつ、私はすっかり原型をなくしたカンガルーの皆さんを口に放り込んだ。そして思った。
「Very tasty…✌︎('ω'✌︎ )」
人間とは不思議な生き物だ。
目の前のカンガルーは可愛く、殺すなんてトンデモない!とか何とか思うわけだが、それが肉の塊と化し、原型がなくなると、途端にそれはただの自分のエサである。
そして、最後に出てきたのは、これまた巨大なソーセージ!これも躊躇なくかぶりついた。
「…まっず…」
胡椒のきいた謎肉のソーセージは、泥のような味で、それまでの感動を消し飛ばす、忘れられない不味さだった。しかも何か緑色のものが混じっている。
「This is crocodile whoov(^_^v)」
そして、このソーセージのせいで、ワニ肉は我が家での栄光の座を永遠に失った。
ワニ肉とは正反対に、人気者になったカンガルー肉は、しっかりお土産も買ってホテルで食べた。
兎にも角にも、オーストラリアのジビエは、8歳の私に強烈なインパクトを残し、民俗学への道を切り開く一翼を担ったのだった。
オーストラリアでのこの体験は、その後の私のジビエへの興味を生んだ、とても貴重なものだったと思います。ちなみに今興味があるジビエはカエルとトカゲです。いつか頬張ることを願って…