オーストラリア編❶〜ユーカリの色は赤い色〜
人生2度目の海外旅行は、野生の王国オーストラリア!
早速大自然のアイドルに会いに行ったのだが…
「ゴールドコースト行こか」
この一言から、2度目の海外旅行が始まった。
初海外から早3年と数ヶ月。
8歳の私は水着とガイド誌を持って日本を発った。
日本からオーストラリアまで片道約8時間。
グアムよりも圧倒的に長いこの時間を、幼い弟と私は意外にも静かに過ごしていたらしい。
オーストラリアの空港に降り立った後、我々はレンタカーを借りてホテルへ向かった。
ゴールドコーストには、以前のグアム同様、美しい海が広がっていた。愛しのナマコがいなかったのが少し残念だったが、青い海と砂浜、その奥に広がるビル群という、いかにもリゾート地な景色に私は満足していた。
カランビン・ワイルドライフ自然保護区は、100種を超える動物たちが生息する動物たちの楽園である。広大な園内では、コアラの抱っこやカンガルーの餌付け、原住民族アボリジニーによるショーなど、様々なイベントも開催され、終日いても周り切れない。
多くの観光客に違わず、我々一家も園内のアイドル・コアラに会いに行った。コアラは見るだけでなく、抱っこをして一緒に写真を撮ることができた。
「Take a picture,come on!」
飼育員のお兄さんに呼ばれて、我々は撮影スポットに立った。父と母が後ろに立ち、弟と私が前にいった。弟がまだ幼かったので、コアラは私が抱っこすることになった。
私は「楽しみ」よりも、むしろ不安の方が勝っていた。身体が意外と大きく、チビの自分が抱っこして大丈夫だろうかと心配したのだ。
何とかコアラを抱っこしたとき、私は幼いながらも、1つの命を預かっているという重大な責任を感じた。そこそこ重いコアラを見つめながら、そんなことを考えていた矢先、悲劇は起きた。
「smile!」
に〜 っと笑った瞬間、首左側に激痛を感じた。
人懐っこいコアラが私の首に思いっきり抱きついてきたのだ。普通に痛い。
そこからがまあまあ地獄の時間だった。
写真は3枚くらい撮ったので、約5分私は首にコアラの爪を刺して笑うという天国やら地獄やら分からない拷問を受けるハメになった。
ナイトツアーにも参加していたので、我々は皆お揃いの朱色のライトを首からぶら下げていた。
このライト、メスシリンダーのような容器に濃いピンクの蛍光液を入れて光らせるという、なかなか斬新なデザインだった。
抱っこの際は、コアラに当たらないようにライトを後ろにして撮影した。
この写真は、今でも2階のトイレのど真ん中に飾っている。両親と弟の笑顔に混じり、私の若干引きつった顔が真ん中に堂々と居座っている。
そして、ある日事件が起きた。
「ちょっと、誰なん写真に落書きしたの!」
母が興奮した顔でノシノシやってきた。
何事かと見に行ったが、特に写真に変化はない。
「落書きって何?」と私がめんどくさそうに聞くと、
「首に赤い線なんか引いて!こんな悪趣味なことしたらアカンやろ!」
と茹ダコの如く怒った。
それはライトやで…
だが、首に赤い線が入っていることについては
あながち間違ってなかったなと、あの日を思い出して少し笑った。
オーストラリアでは、動物に触れ合い、(…時に食し)夜のサバンナへ出かけたりと、とにかく大自然と戯れました。
道路を走っていた時の、日本では絶対に味わえない、あの解放感は忘れられません。
主にゴールドコースト中心で、シドニーやメルボルンなどには行っていないので、また機会があれば景色を見てみたいと思います。