『女だから』
『女だから』って、とても便利な言葉ですね。
「『女だから』、可愛がられるんだよ」
「『女だから』、いつも綺麗にしていないとね」
「『女だから』、仕方ないよね」
最近はわが国でもダイバーシティが進んで、さまざまな男女のギャップを埋めなければいけないそうです。
「『女だから』、ちょっと足りないけどこいつを昇進させなきゃいけないんですよ」
「『女だから』、あの人課長になれたんだろ」
「『女だから』、やっぱり甘いよね」
誰も頼んでませんけど。
男の人だったらこんなこと言われないですよね。
飛び抜けて優秀だったならいいんですが、同じかそれ以上努力して、上の下か中の上くらいのポジションがいちばんつらいんです。
それでも、飛び抜けて優秀じゃない自分を責めなきゃいけないんですかね。
『女だから』って言われてもニコニコしてなきゃいけないんですよね。
それで怒ったりしたら、きっとその瞬間にすべてが終わりますから。
こんな状況だからダイバーシティが進まないんじゃないですかね。
でも、私は頑張ります。
昔、中学校の頃の担任の先生が、同窓会の挨拶で話してくれました。
「私はこの学校であなた達の担任をする前に、一般企業で働いていました。
その時は、大学卒でも、女というだけで待遇が違いました。
給料は勿論、仕事だって、簡単なことと雑用ばかりやらされました。
同期の男の子達との違いがつらくてくやしくて、私は会社を辞めて、女子校の教師になりました。
今日みなさんの近況報告を聞いて、女性でも総合職で働くのは当たり前、海外で活躍しているひとやご家族と離れて単身赴任で頑張っているひとまでいるということが、私にとっては非常に新鮮な驚きであり、そして最上の歓びでした。
勿論みなさんも日々の仕事の中で、色々なことがあるでしょう。
いわれのない言葉に傷付けられたり、理不尽な状況に悩まされたりすることもあるかも知れない。
それでも、この数十年で、たしかに社会は変わってきた。
みなさんが『当然のように』仕事をしていることが、私はとても嬉しいのです」
毎日、いろいろなことがあります。
「さすが私! 天才!!」という日もあれば、
何をしてもうまくいかなくて、今日みたいに落ち込んでしまう日もある。
そこに『女だから』が加わって、自分ですら自分を卑下してしまうのです。
「『女だから』甘くしてもらっていたのかな?」って。
でも、きっとそれだけではないのです。
『女だから』があったとしても、そこにプラスなにかがあったから、今の自分が在るのです。
そういう風に自分を信じて、また明日からも頑張ります。
数十年後の女性達が、今の私達のような思いをしないで済むように。
今の私達の頑張りが、未来を創る。
(了)
仕事がうまくいかなかった上に、『女だから』と笑い飛ばされ、むしゃくしゃした勢いで書いたら、ちょっと前向きな気持ちになれました。
もし共感頂ける方がいらしたら、語り合いたい……笑。
明日もお仕事頑張りましょう!