4番
今更ですが主人公は話すのが下手くそです。本人に自覚はありませんが。
その表現として「……」を多用してます、理由とかもあるので…その……くせじゃないです……あと主人公自体はおしゃべり好きなので脳内はうるさいです。
何やら声を荒らげているから心配になり後ろを向くと明さんの横に身長が私と同じくらい高く金髪がクルクルと緩いロールを巻いていて若干のツリ目と大きな胸に思わず目がいってしまいそうになる女の子が立っていた。
…明さんとまた違う可愛さがあります。
「…私?」
「そうよっ!貴方さっきこの…明さんのこと虐めていたわね!しかも何を言ったのか知らないけど友達なんて言わせるなんて脅迫でもしたのかしら?恥を知りなさい!」
どうやら誤解させてしまったようだそれに否定は…しきれない。確かに虐めていたように見えるかもだ。
実際は明さんの演技でしたけども。
だか私は明さんの一件で学んだのだ、言葉にすれば伝わると
「…それは…誤解で…」
「?誤解?だったら何なのよ。」
「…明さんは私の、その、あの、と…(ボソッ)友達……」
「何言ってるのか分からないわ!はっきり言いなさい!」
「…あの、その…と、(ボソッ)友だ…ち……ょ……」
「……?あっそう!あくまでしらを切るって訳ね!」
妙ですはっきり言ったのに全く話が通じない。
確かに友達と言い切るのはなんというか顔が熱くなってしまうのではっきり言えなかったかもだが。
「あー!その!私と光威ちゃんは友達ですから、虐められていたわけじゃ無いですし大丈夫ですよ」
私が困っていると明さんが助け舟を出してくれた。
流石明さんです、これで何とか
「嘘ね!あんなに怯えていたんだもの!安心していいのよ。私が守ってあげるから!」
「……いやその確かに怖かったですけど…」
……ここまで騙されているとなると明さんの演技はやはり相当なものだとわかります。
「大丈夫よ!私はこんな目付きだけの奴怖くもなんともないわ!」
「…(ボソッ)光威さんが(演技中の)私と話してる時はこんな気持ちだったんですか……?」
「……(ボソッ)否定はしないです…」
うん、明さんもこういっていますしやっぱり私は間違ってないはずだ、そうまずは誤解を解くところから始めなければ、うなれ私の完璧完全無敵会話術!
「…その、安心して欲しい」
「?どうしてよ」
「…明さんは…」
「明さんは?」
「…私の」
「私の?」
「……と……」
「と?」
「………ぬいぐるみ(のように癒してくれる存在)だから…」
「ぬいぐるみだから!?」
「光威ちゃんなに言ってるんですか!?」
…間違えた。
「…その、間違えた」
「そっそそそうですよね!?」
「やっぱり虐めてるんじゃないの!?何と間違えたらぬいぐるみなんて出てくるのよ!?」
「…明さんは、私の…と…とも……」
「……?」
「……ペット(みたいに抱きしめたい存在)だから…」
「ペットだから!?」
「光威ちゃんは私の事をそんな目で見てたんですか!?」
友達と言い切るのが何だか、その、何故だか口ごもってしまう。
顔が真っ赤になってしまいそうだ。
それはそうと誤解はまだ解けないようだ。
「や、やっぱり虐められてるじゃない貴方!そうじゃなくてもぬいぐるみとかペットとか思われてる相手を友達は無理があるわよ!?大丈夫!?抱きつかれたりしてたはそういう事なの!?」
「もう否定しきれ無いです……!」
「まさかとは思ったけど教室であんなに強く抱きしめられてたのはそういう事だったのね……!」
「いやっ流石に違いま
「…その、大丈夫…(抱きしめる時に)痛くはしないから…気持ちよくしてあげるから…」
「虐めるってそういう方向性なの!?」
「光威ちゃああああああん!??」
おかしい、私が誤解をとこうとする度に女の子の顔は青くなっていくし明さんは赤くなっていく。
そう、少し間違えただけなのだ。私はちゃんと友達だと思っていることを伝えればいい。
そうだ、明さんの好きな所を伝えるなんてどうだろう。
我ながら名案である、そう例えば…………
「とっ!とにかく!貴方みたいな危険人物を明さんに近ずける訳にはいきませんわ!」
「もう私には無理です……!弁護しきれません…!」
「…大丈夫、危険じゃない、それに証拠がある。」
「…なら教えて貰っても?」
「…何故なら…」
「何故なら?」
「…私は…」
「……私は?」
「…小さな子が…好きだから…」
「スリーアウトよ」
「光威ちゃ…光威さん……」
???おかしいな?
「クラスメイトをぬいぐるみやペット扱いする上にロリコンですって……!?」
「光威さん……友達、だと…私は思ってたんですけど……」
何だかよく分からないがこの状況がまずいと言うのは分かる。
特に明さんが先程から私をさん付けし始めているのがまずい、主に私の精神的に。
「…違うの、えっと…」
「ちょっと!彼女に話しかけないでロリコン!」
「…ロリ…?」
かなり警戒されてしまい彼女の後ろに隠されてしまう、ロリコンが何かは分からないけれども違うんです。ただ誤解が解きたいだけだけで…
「…どうすれば……」
……誤解はどうやって解けるのでしょう…?
「…どうすれば、明さんに、抱きつけるんですか…?」
「もう隠しもしなくなったわね!?」
「光威ちゃんもうこれ以上変な事喋るのを止めてえええ!?」
違うのです、ただ私は友達とスキンシップを取りたいだけなのです。
一体どうしてここまで彼女を警戒させているのか納得行きません…
どうにかしようと考えていると金髪の彼女がはっと何かを思いついたようにし、私にニヤリと笑いかけてきました。
「…!そうだわ!いいこと思いつきましたわ!」
「…?」
「貴方!私と決闘なさい!クラス別ランキングバトルの先約を申し込むわ!」
「……え?」
「!?ちょっちょっと!流石に決闘はまずい…」
「出てきちゃダメよ食べられちゃうわよ!?」
「食べられるんですか!?」
ケットウ…決闘?
つまり闘いを挑まれたという事で良いのだろうか。
「……何故決闘…?」
「私が勝てばあなたは私よりランキングが下だと確定するわ、つまりあなたに対して命令ができるのよ!」
「…成程、才協結締紡力制度…」
つまり命令権を手に入れて私に従わせると…それで彼女は一体何の命令を……
「私が貴方にする命令はただ1つ!彼女に二度と近づかない事よ!」
「……!?」
「え!?ちょっと!勝手に決めないで…!」
「出てこない!」
な…近ずかない事!?わ、私は明さんに近ずいては行けないのですか!?
いや…勝てば…いやでも…
「…いや、その、流石に…」
「ふん!その代わり無いでしょうけどもし貴方が勝ったら何でも命令を聞いてあげますわ!」
……?
思わず目付きがするどくなる。今確かに…
「…………何でも…?」
「ひぃっ!?なっ、なんでもよ!」
……何でも、何でも…だったら、
「…決闘を、受けるよ」
「え?!だ、ダメですよ!光威ちゃん!ちょっわぷっ」
明さんは彼女にまた隠されている、あああ頭を撫でているのが見える、私も撫でなくなり彼女が羨ましくなってくる。
それはそれとして…
「あ、あらそう!で?貴方の願いは?」
「…私が勝ったら…」
「か、勝ったら?」
「…………と……」
「…………(ゴクッ)」
「………ここでは、恥ずかしいので、勝ったら教えます…」
「一体私は何をされるんですの…!?」
まだ内緒です。
____________
その後先生がやってきて一旦解散する事になった。
彼女の名前は紫条ソフィア(しじょう)さん祖父が日本人のハーフとかでどうやらやんごとなきお家柄だとか。
今日ノ本国を支えている力持達にも彼女の父や母がいるのだとか。
(力持・・・要は国会議員)
最後に「紫条の名にかけて悪鬼非道を見逃すような弱者の真似事はしませんわ!正々堂々力で奪い取りますわっ!」との事。
毎週お母様と見ている女の子達が悪いやつを殴り飛ばしていくお話しの決め台詞のようでかっこよかったです。
明さんはそのまま連れていかれてしまいましたけど…
先生の話も終わりすぐ解散になり、いざ決闘と行きたい所ですが場所がありません。
「…紫条さん、その、決闘は何処で…?」
「え?あっああももももちろん考えてましてよ?ちょっとお待ち下さる?」
「…そう」
どうやらもう決めていたようだ、なら後は紫条さんに任せて決闘の準備でもしておこう。
なんて思い刀の点検を行っていると紫条さんがソワソワしだした。
「…えーっと、あの光威さん?」
「……?はい…?」
「その…貴方は教員に知り合いとかいらっしゃる?」
「…?…1人だけ…先程、お話を伺った先生が…」
「あー…その、申し訳ないのですけれど…その先生に決闘の場所をお借りしたいのですけれど…」
「…?分かりました…?」
うん?どうやら決闘は教員立ち会いのもと行わなければならないらしい。
つまり紫条さんは教員のお知り合いがいなかったことになる、ということは……
「…決闘の、場所が決まってないんですか…?」
「へぇっ!?ひゃっそのっ違うのよ!わっわわ私が!紫条家の私が!嘘なんて着くはずないでしょう!?」
「…それもそうですね…」
なるほど、私に教員の知り合いが居るのも想定済みの計画だったのか。
私とは違い育ちも良さそうだし勉強も出来るのだろう、お母様は頭がいい人はそういう人だと言っていた。
「…流石ですね…!」
「貴方さては馬鹿にしてるわね!?」
「…?何を…?」
「…まさか素で言ってるの貴方…?」
「…何のこと…?」
「…………何か…私の誤解な気がしてきたわ…」
え?あっ、あってますよ!
なんて言おうと思った時にはもうスタスタと歩いて先に行ってしまっていた。
まぁ…決闘は私もやってもらいたいからいいか…
しばらく黙ったまま移動し気がついたら第一訓練場の刀訓練室まで辿り着いた。
が、
「…遅かったですね、光威ちゃん、紫条さん。」
こう…凄く怖い顔をした明さんが待ち構えてました。