15番
投稿遅れてごめんねー寝てた
…おはようございます………流石にお腹が痛くて起きれないです……
またこの展開ですか……
「……痛い……」
これどう考えてもおかしいですよね?3日もあれば痛みは引くらしいじゃないですか……
周りを見ると相も変わらずソフィアちゃんの部屋で、外はもう暗く…もう?私今回はどれくらい寝てたんですか……?
時計を見ると夜中の2時を指していました。
……ん?頭に何か…濡れタオル?
「……すう……」
「……え?」
上半身だけ持ち上げ背をかけて気が付きます。
私の枕元に……明…志星さんが。
いました。
「……っ……!」
「……ぅ……ん……すぅ……」
あ…寝てます…ね。
………………うぅ……き、気まずいです…私何て言いましたっけ……何か…ソフィアさんに色々言った気が…ううん……うん……?
私の枕元には数枚の濡れタオルと水の入った桶…よく見るとベッドの横の机には薬や包帯が並び、更に私の普段授業で使うノートまで置いてあった。
手に取りめくると、普段ろくに書いてない部分と違いきれいな字でまとめられていた。
……隣には志星さんのノートも置いてある。書いてくれたのだろう。
これを見て、何も思わないなんて無理だった。
「……私は…………」
なんてことをしてしまったんだろう。
こんなにも私のことを思って動いてくれる人に対して独りよがりに否定し拒否してしまった。
たとえ無意識だとしても…私は自分が許せない、私はどんな顔をして志星さんに謝ればいいんだろう。
頭が痛む。
忘れたい、忘れたはずなのに…まだ私を苦しめてくるようで。
今すぐに逃げてしまいたかった。私はもうどうすればいいか……分からない。
「……ぅ……ひかり……ちゃ……」
「ひっ……」
だめ……こわい……
わたし……わたしは……
「……ひかりちゃ………ゅる…し……すぅ……」
「…………っ…」
ゆる……して、許して。
なんで…私が悪いのに…私は何を許せば良いんですか…
…………お母様の所に、帰ってしまいましょうか…
家に帰れば、またお母様も爺やも…みんな迎えてくれるはず。
そうだ…そうしよう。
ソフィアちゃんには悪いですが、でも私は自分が許せません。
これ以上は…父に似てくる志星さんを拒絶しない自信が無いです。
私は罪悪感と自分の中の言い訳を理由にベッドから抜け出します。
…とりあえず。私の部屋に向かおう。
せめてもの行動なのか布団を志星さんにかけて私はソフィアちゃんの部屋から出ていきます、ごめんなさい、私が…
「…………行っちゃうんですか……?」
「…………っ……」
…起きて、たん……ですか……。
「…ちょっとだけ、私とお話してくれませんか…?もし…それで説得出来なかったら私は諦めますから。」
「………………は、い……」
「……ありがとうございます……私は…そう、ひかりちゃんが好きです。」
「…………」
「ふふっ…もう何度も伝えてますよね。私は…ひかりちゃんに何を謝るべきだと思いますか?」
「…………そんなもの…ないですよ……」
「酷いこと言わないでください。私はこのまま朝まで謝り続けて良いくらいには謝りたいですよ?」
「…………」
「そうですね…何から、お話しましょうかね……ねぇ、ひかりちゃん。立ちっぱなしも何ですし。座りましょう?」
「…………はい……」
ベッドに腰掛けた志星さんの前に置かれた椅子に腰掛けます。
今日は月明かりが強く、夜にもかかわらず志星さんの顔が良く見えました。その顔は最後の別れ際と違い晴れやかで…何か吹っ切れた顔でした。
比べて……窓からのひかりが遮られて暗く…下を俯く私の顔はどう見えてるんでしょう。
「……ねぇ、ひかりちゃん。正直に言うと、今でもひかりちゃんが女の子と付き合うこととかに抵抗あるんじゃないかと思っています。でも…ソフィアさんにお説教されちゃって……本人に聞かないでどうするんだー!って…」
「…わた…しは………わから…ないです……」
「ん!…んー……まあ…そうだろうね。でも嫌じゃない…って分かっただけ、1歩前進かな。」
志星さんは楽しそうにお話を続けます。その顔は今まで見たことない、始めてみる顔でした。
…なんで…なんで……
「……なんで、そんなに楽しそうに話せるんですか……わた、私は!志星さんを……きょ……拒絶しました!なんで……」
「…あはは、前と逆になっちゃいましたね…そうですね…はい、私は拒絶されちゃいました。ひかりちゃんを落とすことが出来なかったし、それどころか今友達としても危ういですねー…」
「…………なん……で…………」
「…………ひかりちゃんの事ちょっと聞きました。嫌なことがあって……その嫌なことの原因に私が似てるかもーって……」
「……っ……」
「……だから、私諦めちゃいました。ひかりちゃんと付き合うのも…縛り付けるのも…独占するのも…諦めることにしたんです。」
「………………」
「いいんですよ?ほっとしても」
「……そんなっ……こと……は……」
「あるくせに、強がっちゃダメですよ。」
…しました。ほっと…しちゃいましたよ。安心感と虚脱感……もう…怖いのは、嫌なんです。痛いことよりも、辛いことよりも…私のせいで何かを失うのが怖いんです。
「……でもね、友達を辞める気はありません。例えひかりちゃんが嫌がっても、絶対に。」
「…………!」
「分かります?嫌がってもやめてあげません。毎日毎日、ソフィアさんと一緒に詰めかけて追いかけて……『友達になりましょう?』って話しかけます。」
「………………」
「私は…間違ってたとは思いません。欲しいものはどんな手段でも手に入れますし、力ずくでも奪い取る…でも、本当に欲しいものにはいっつも攻め切れませんでした。なんでか分かりますか?」
「…………ううん…」
「簡単です。その欲しいものが大事て大事で…大切で…手を出す前に私の事を好きになってもらいたくなってしまう。」
「…………」
「だから、餌付けでもなんでも優しくしてでも…まずは相手の好感度をあげようとして…こうしてから回ってます。」
「…………」
「けど…それじゃダメだったので…一旦、諦めます。」
「……っ!」
「まずは…お友達から始めませんか?光威 光さん。」
きっと…今志星さんは辛いはずだ。私の、せいで!今まで諦めた事が無かったのに…諦めて……!しまった……!ごめん……ごめんなさい……なのに…………なのに……!
「ぅえっ……ぅ……わああああああ」
「…泣かれると…困っちゃいます。」
「ごめん……ごめんなさい……!私のせいで……私の……」
「……泣かないで…私が…私も悪かったから。」
「ごめんなさい……!でも……私!……嬉しいんです……!友達で……友達になってくれるんですか……!?」
「……はい、私たちは……友達です。友達からです。」
「ぅぇっ……ぅっ…ひっ……嫌です……友達のままがいいです……」
「嫌です、諦めるのは一旦です。ちゃんと…全部、全部……全部取り除いたらまたアピールします。」
「ぅ…ひぅっ……バカです…ダメです……そんなことしたら……惚れちゃいます……」
「それはありがたいですね……」
私は…志星さんのことが友達として好きになりますから…私たちは友達で。いたいです。いつまでも、いつまでも絶対に離れない……何年経っても頼りにできるような…友達に。
こうして、私は志星さんをふって。
志星さんはフラれて。
友達になります…だから、ずっと友達でいましょうね?
_______________
「で?どうなったの?」
「フラれちゃいました…」
「…ずっと友達でいましょうね…って言いました…」
「ぷっあははははは!くっふふふふ……フラれてるじゃない!頑張るって言ったのに!」
「ソフィアさん殴りますよ?」
「くっ……ふっ……ふふ……ごめっ…ごめんなさいね……でもっ…!ふふふ…ズッ友宣言…!ふふふ……」
「…はい、志星さんもソフィアさんも、ずっと友達です。」
「ふっ…くっふふ…ありがと……!ぅつ!痛い!グーはやめなさい!グーは!」
あれから数日後。
私のお腹もすっかり良くなり脚も痛くなくなり万事解決!ようやくですね!色々ありすぎました!
「はー!お腹痛い…ひかりのお腹は……?」
「…半笑いで聞くくらいなら聞かなくても言いじゃないですか…もう大丈夫です!」
「そうですよ、だいたいソフィアさんはひかりちゃんの部屋にここ数日間泊まってたんでしょう?羨ましいですね、私も泊まらせてくれません?」
「…3人でパジャマパーティーなら……」
「あら、いいわね。今度しましょうか…あ、ひかりの部屋片付けて置いたからもう汚さないでよ。もうあんな部屋片付けたくないわ…」
「……………」
「…ひかりちゃんもう汚しましたね…?」
「……………なきにしも…あらず……な感じ久々に頭がっ!?」
「…私はもう片付けないわよ。」
「私も面倒なのでしないです。」
「…ぐ……ふ…ふふ…そう言わずに…」
「ダメです。ちゃんと自分でして下さいよ…」
くっ…!志星さんがやたら厳しくなった…いやこれが普通の距離感ですよね…うん、いいことです。
私も嬉しいですよ。
「…ふふ……また戦争しましょう。今度は皆で倒しましょうね…」
「いや戦争自体したくないわ…」
「私もあんな筋肉達纏めるのもう嫌ですよ。誰かさんのせいで無駄になりましたし。」
「……………平和が1番ですね!」
「調子いいんだから…」
「そうやってまた足元救われるといいです。今度は知りませんよー」
「………厳しい……」
こうして、楽しく話していると思います。
幸せってこういうことなんだと。
楽しそうなソフィアちゃんも、素の志星さんも…一緒に笑えるのが…こんなに幸せなんですね。私は幸せ者です。
「何ニヤニヤしてるのひかり?」
「ヨダレ垂れてますよ?」
「…いいんです」
「良くないわ、ふきなさいちょっと」
「…私は…幸せですね」
「…!私はもうちょっと欲しいですけどね!」
「私もこんなものじゃ足りないわね、もっと楽しくならなきゃ…ねぇ?」
「…もっと…もっとですか。そうですね!楽しみますよ!私!」
私はまだまだ幸せになるために、友達を作っていくために頑張るぞー!
…………その……はずだったんですけどね…………
「…先生」
「なんだーい?」
「…私…先生のこと…素敵だと思います…」
「おっ嬉しいねー?褒めても何も出ないぞー?」
「………先生って…その…いい筋肉ですよね……」
「そう?最近鍛え直してててねー」
「……………先生」
「なんだーい?」
「……………私っ!この量のプリントを解いたら死んじゃいますぅ……!」
「大丈夫、勉強のしすぎて死ぬことは無いしそもそも死ぬほどの量じゃないわよー」
「…せんせいっ…!」
「ほらキビキビとけよー、1週間も休んでたんだからなー」
「うのおおおおおおぉぉ…………」
プリント地獄と……先生には勝てなかったよ…………
うわあああああ!ちくしょー!?待ってろ友情イベントー!?
第一部完
1章は終わりです。
待って!まだ普通に続くよ!
皆応援(?)ありがとー!一旦ストックを貯めたいので二、三日投稿ペースが乱れるかもしれんです!
ちょっと急ぎ足過ぎたからゆっくり進めて行くねー
次回!5月だ!青春!体鍛祭!
お楽しみに?