10.5番
扱いに困ったので10.5。説明回
「さあさあ!始まったねー?」
「はい、この戦いに勝って何とかあの教室…覇組の教室を頂きましょう。」
「大丈夫さー!と、いうか…取らないともう私達2人だけじゃ抑えられないし……」
「ですねー…」
私達が選んだ戦争場所。
そこは1年生の教室がある第2校舎の1、2階です。
代理戦争。
そのルールは単純を極めています。
ルール① キングを倒せば勝利
ルール② キングは決められた教室でしか戦闘できない。今回は覇組急組のみ。
ルール③ キング以外の人員は討伐判定が出た時点で戦闘不能。強制的に退場となります。
ルール④ 他クラスに入るべからず。授業中だよ。
ルール⑤ 兵士は王冠に登録された者のみ。人数制限は40まで。
ルール⑥ 出来るだけ派手にやれ!
うーん…シンプル…というか変ですね。所詮数回しか行われていないだけあります。
結局これって兵士を全て倒してキングに降参を促すかキング同士の一騎打ちしかないんじゃ……?
まあでも主に最後の出来るだけ派手にやれに戦争を起こしたい理由が詰まっている気がします……
討伐判定とは私達は入学と同時に一つの機械を貰います。それは自分のHPの可視化する空間を生み出す機械。
どれだけ打たれ強いのかが分かり自分の限界を測る装置として使われていたものが転用されこういったゲームのひとつになっているのです…無駄に高等技術なのにこんなことに使うのはどうなんでしょう…
この機械を使うと裂傷や刺傷が再現できます。……痛みも。
この機械で作った空間内でおった傷は実際は何も起きてませんが痛みや体の不調として現れます。
なんでも多様乱用防止、そして痛みを知ることも訓練だとか何とか……
教師も脳筋ですね……
そして、我らがキング。
今回筋肉溢れるこの教室でてっぺんをとり掌握した里崎 彩さん!
素晴らしいです。
特に今回の私達女子の要望を聞いてくれたのが特に。
負けたらそれ相応のデメリットがあるとはいえ…やるだけの価値はあります。
いえ、最悪…………
「まぁ、戦争とは言ってもね……敵の教室に行くまでの道がふたつしかないんだからどっちかを一点突破。もしくは耐久戦に持ち込むしかないよね〜。」
そう、これもこの戦争の欠点です。
戦争と言うには範囲が狭すぎて結局乱戦となりお互いに消耗するグダグダとしたものになります。
逆に今回私達はそれに救われましたが。
「あの明さんとか言う人。絶対参謀ポジでしょ…もしくは彼女がキング?どっちにせよ彼女が何かしらの作戦を取られたらだいぶ困ったね〜…」
そう、作戦を練るほどの範囲がないので結局力推しがいちばん強いのです。
総合点は負けていますが、力試だけの総合点は私たちの方が上です。
覇組の弱点。
勉強特化の特待生が多すぎる事です。
特待生は力第一のこの学園では扱いに困るらしく一つのクラスにまとめられてしまいます。
2年次からは流石に変えられますが…1年次でこの戦争をするメリットがあるのはうちだけですからね…
「まずは第一筋肉共!あんたらは全員1階でひたすら道を塞いでなさい!」
「「「しゃいくぞおおおおお!!!!!!」」」
「第二馬鹿ども!あんたらは2階で遊撃!第三が道を作れるはずだからそこを進みなさい!」
「「「イエッマアアアム!」」」
「第三バーサーカー!あんたらは2階で言った通りにひたすら目の前の敵に襲いかかんなさい!」
「「「ひゃっはああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」」」
「よぉし!いくぞお!」
男共がわらわらと装備を担ぎ出し行く準備をします。
やたら硬いやつらは1階に特に優秀な奴らを2階から敵陣に特に脳筋な奴らを2階で暴れさせる。向こうも同じ感じでしょうしそうなれば地力が上なうちに勝ちの目が……
「…ダメですよ……」
「は?」
ここは私達の陣地。
彼女からしたら敵陣真ん中。
まだ行動していない全ての人員がここにいる、にもかかわらず。
たった1人で。
「…全員……ここで斬ります……」
この戦争において人員は全て教室から移動しなければいけない。
そう、人員は。
ただ1人、自由に動ける者……王冠を被った彼女は敵陣のど真ん中で刀を抜いた……
___________
最初にこのルールを見た時に私は気づいてしまいました。
このルールはあえてこの書き方をしている、過去に私と同じことをしようとした人が居るからだ。
これは…キングを敵陣に置いてくるためのルールだ。
そもそも前提がおかしい。雑兵のルールはやたら決めるくせにキングは『倒されるな、最初に決めた場所から出るな』以外のルールがないからです。
普通に考えるならキングは自陣から出ては行けないとかもっも細かく書いてるはずですしね……
なるほど、暴れたい人が作ったルール。
正しくは自分1人だけが好き放題暴れるためのルールですか……まあ、助かりますけども。
「…明さん。怒ってますよね……」
キングの王冠を勝手に持ち出した挙句かなりの暴挙をやらかそうとしてますからね……うぅ……お仕置が怖いです……当然書き換えも下から王冠には兵隊登録もないですし……正真正銘私が最初で最後の兵で王です。
何故か王冠は教室に置きっぱなしでしたけどね。
でも、これで私がやりたいことの条件は揃いました。
ひとつ、敵は私を倒さなくちゃ行けない。
ふたつ、敵陣の真ん中に現れた私を無視できるわけが無い。きっと全員で襲ってくる。
みっつ、ここは……狭い教室です。私の……光威剣術がいちばん光る場所です。
だから…
「…ダメですよ……」
皆の場所には行かせません。
逃がしもしません。
全部私が始めたのだから、私がきっちり終わらせます。
……私の事を騙したショートの女の子がびっくりした顔をしています。ふふふ…お返しです。
さて……
「…全員……ここで斬ります……」
全部斬り終わったらあのツインテの子と仲良くなってやります!
覚悟してください!