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憧れのスカート  作者: 赤坂秀一
第九章 高校生最後の年
42/52

42 化学部の後輩

お待たせしました42話を更新しました。

今回は化学部に新入生が見学に来てくれます。果たして何人入部してくれるかな?


 この日は、結局男子二人が来てくれただけでした。

翔馬(しょうま)君、女の子にも声を掛けて連れて来てね!」

「はい、分かりました」

 などと珠里(じゅり)ちゃんが翔馬君に言っています。ひょっとして珠里ちゃんも満更ではないということ……

「珠里ちゃん、翔馬君はどんな感じだった?」

 北野(きたの)さんが印象を訊いています。まあ、一番仲良く話していたもんね!

「そうですね、格好良くて話しが面白くて……」

 おいおい、そうじゃないでしょう! 部活なんだから……

「あっ、いや、だから石鹸作りは一緒にやったんだよね!」

 北野さんはちょっと呆れ顔です。

「あっ、いや、はい、教えた事を的確にやっていましたよ。かなりさまになっていたと思います」

 なんだか、両手を赤くなった頬に当てて少し照れてる様子です。

「はあ! そう、分かったわ」

 北野さんは溜息を吐いています。まあ、仕方ないかな……


 その次の日、今度は見慣れない娘が来ています。

「こんにちは、見学いいでしょうか?」

「えっと、初めてだよね?」

「はい、小鳥雛乃(ことりひなの)です」

 あっ、この娘がそうなんだ。昨日(あきら)君が言ってた……

「あの、男の子が来ませんでしたか?」

「えっと、昨日二人来てたかな…… 今日はまだ来てないね」

 私がそう言うと彼女はちょっと元気が無いです。

「そうですか、一緒に行こうって言ってたのに……」

 なんだか、この娘も男子目当てなのかな……

「昨日は、あなたのことを待ってたみたいだよ」

「えっ、そうなんですか! 昨日は吹奏楽部に行っていたんですよね」

 ちょっと俯き加減の彼女ですが……

「それで、吹奏楽部はどんな感じだったかな?」

「うーん、私にはちょっと無理かなって…… 顧問の先生がかなり積極的で練習も厳しそうでしたから……」

 確かに、うちの吹奏楽部はちょっとレベルが高いみたいで競技会とかでも上位にいますからね。

 「そうなんだね、まあ取り敢えずノートにクラスと名前をお願いね!」

 私がそう話すと彼女はちょっと驚いたように……

「あの、まだ入部するかどうかは決めてないんですけど……」

 彼女はまた、俯いてしまいました。

「あっ、そういうんじゃなくて見学に来てくれた人はみんな書いてもらっているから」

「あっ、そうなんですか? すみません」

 小鳥さんはそう言ってノートに記入してくれました。

「小鳥さんって珍しい名前ね」

「はい、こっちの方では同じ苗字の人は会ったこと無いですね」

 彼女とそんな話をしていると……

「あっ、雛乃ちゃんだ!」

 今日も彰君が来てくれました。

「あっ、彰君! いないから来ないのかと思っちゃったよ」

「ごめんごめん、翔馬がコンピュータ部に行こうって言ってきかなかったらちょっとだけ行ったんだけど…… なんか難しそうだったからこっちに戻って来たんだ」

「でも、彰君が来てくれて良かった! 私一人じゃ嫌だなって思ってたから」

 まあ、部活の見学に一人で行くのも淋しいですよね。

「彰君、それじゃ今日はどうする? バブル班は石鹸作りをしてるけど」

「宇宙観測班は何をしているんですか?」

「うちの班は、今夜見えるISSの打ち合わせと昨晩の星座の動きを検証してるかな」

 私が説明すると小鳥さんが……

「今の季節はどんな星座が見えるんですか?」

 などと訊いて来ましたのでちょっとだけ説明を……

「春の星座はおおぐま座、獅子座、おとめ座、牛飼い座かな」

「確か、三角形とかあるんですよね……」

 うんうん、少しは解るみたいですね。

「うん、そうだね! 獅子座のデネボラと牛飼い座のアークトゥルスと乙女座のスピカで春の大三角形が出来るのよ」

 私が説明すると……

「うわー、いいですね、星を見るのは好きなんですけど…… 星座はあまりよく解らないんですよね、一緒に見る機会とかあるんですか?」

「今のところやった事が無いけど、今後はやりたいね」

 まあ、確かに私も星座なんてどう繋いで何座とかは恵美子(えみこ)ちゃんから教えてもらうまでは解らなかったもんね。

「それじゃ、宇宙観測班の方へどうぞ! 恵美子ちゃん、二人よろしくね」

「はい」

 そのあと、二人の女の子が化学室に来ました。

「あの、見学に来たんですけど……」

 ちょっと緊張気味の二人です。

「あっ、どうぞ」

 私が対応します。

「まず、こちらのノートに記入をお願いします」

 私がそう言うと彼女達は記入そっちのけでノートをペラペラとめくって見ています。

「あっ、翔馬君と彰君も来てるよ」

「こらこら、そういうのは駄目だよ」

「あっ、すみません」

 彼女達はノートに名前とクラスを記入してくれましたが……

「えっと…… あの、振り仮名をお願いしてもいいかな?」

 私の顔を見て二人は振り仮名を書いてくれました。

「私は、福祥香織(ふくしょうかおり)です。珍しい名前だから読めない人も多いんですよね」

「私は星乃鈴夏(ほしのすずか)です。たまにりんかとか言う人もいますけど」

「うん、でも星乃さんはちゃんと読めるから大丈夫だよ! それじゃ二人はバブル班で石鹸作りの体験をしてもらって良いかな?」

 私がそう言うと……

「宇宙観測班の見学は出来ませんか?」

 どうやらそっちの方が目当てのようです。

「今、他の見学者がいるから先にバブル班をお願いね、そのあと交代で見てもらうから」

 そう説明しました。

「北野さん二人お願いします」

 私がお願いすると北野さんがそばに来て……

「今日はこれで四人目だね」

「うん、調子良いよね」

 そんな事を北野さんと話したあと、私は宇宙観測班に合流します。丁度昨日のISSの軌道を確認しているみたいです。

「小鳥さん描いてみる?」

 私がそう言うと小鳥さんは少し緊張した面持ちでISSの軌道の曲線を描いていきます。彰君はそれを見て描いてみたそうだったけど小鳥さんが全部描いてしまったので出番なしです。

今村(いまむら)先輩、石鹸作りの体験終わりましたけど……」

 福祥さん達がそう言って戻って来ましたのでISSの説明が終わった時点で交代することにしました。

「これ凄い、ISSの軌道ですよね」

 もう、興味津々という感じで福祥さんと星乃さんはISSの記録をずっと見ています。

「今夜も九時四十七分から見る事が出来るからね!」

 私がそう言うと……

「どこの空を見れば良いんですか?」

 福祥さんがそう訊きます。

「西南西の空から北北東へ飛ぶんだけど、飛び始めの仰角が十二度だから、ちょっと低い位置から始まるので見逃さないようにね!」

 そう悠香(ゆうか)ちゃんが説明してくれました。

「確か、一等星くらいの明るさの点がスーッと流れるんですよね!」

「そうだね! 本当はみんなで見られると良いんだけどね」

 でも、流石に無理ですよね、夜の十時前ですからね……

「あの、星座の観測とかも見せてもらえますか?」

 福祥さんからそう言われたので……

「うん、ちょっと待ってね、えっと、これかな」

 私は青いファイルを開いて福祥さん達に見せます。

「これは今年冬の星座の観測だけどオリオン座とおおいぬ座にこいぬ座だね」

「わあ、凄い本当に冬の星座がそのまま描いてある感じですね」

 福祥さんからは喜んでもらえましたが……

「あの、この星が密集してるのはなんですか?」

 そう言うのは星乃さんです。丁度、牡牛座の上の方に星がいくつか集まったところを指差しています。

「あっ、これはプレアデス星団だよ」

 私がそう答えた時……

「えっ、スバルじゃないんですか?」

 そう福祥さんが……

「えっと……」

 福祥さんの質問にちょっと困っていると……

「和名がすばるだよ」

 そう恵美子ちゃんが教えてくれました。

「そうなんですね! 今井(いまい)先輩凄いです」

「そうなんだ、私もまだまだ勉強不足だね」

飛鳥(あすか)さん、牡牛座にはもうひとつ別の星団があるのを知ってますか?」

 恵美子ちゃん、そんなこと訊かないでよ! まだ全然解らないんだから……

「もうひとつは、牡牛座の左にあるヒアデス星団です。丁度、一等星のアルデバランの右側にありますよ」

「恵美子ちゃんは凄いね、私はそこまで詳しくないから……」

 私は、ヒアデス星団なんて知らないし、アルデバランは何かのアニメで訊いた事があるんだけど…… なんだっけ? あれ、それじゃ牡牛座の左にあるこの点々がヒアデス星団なんだ…… これは恵美子ちゃんが描いたんだね。彼女は私に説明した後は一年生にまた色々教えているようです。

 そして、本日の活動が終わった時、男の子がひとり……

「あっ、翔馬!」

「翔馬君遅いよ!」

 福祥さんと星乃さんがちょっとご立腹です。

「ごめん、コンピュータの実習を受けていたら遅くなっちゃった」

「それじゃ、翔馬君はコンピュータ部に行くの?」

 星乃さんが残念そうに訊いています。

「いや、俺は鈴夏ちゃんと一緒が良いかな」

「それなら化学部じゃない」

 星乃さんは私達にとって嬉しい事を言ってくれました。この五人が正式に入部してくれたら、また賑やかな化学部になるんじゃないかな? 問題もありそうだけど……

「恵美子ちゃん、一緒に帰ろうか!」

 私がそう言うと……

「ごめんなさい今日はちょっと……」

 そう言って彼女は駅とは反対方向のバス停に行きました。

「飛鳥、恵美子ちゃんと喧嘩でもしたの?」

「ううん」

「でも、早く仲直りした方が良いよ」

 瑞稀(みずき)にそう言われちゃいました。

「だから、喧嘩なんかしてないって……」

 この間からなんだか可笑しい恵美子ちゃんです。


 

取り敢えず五人の新入生が見学に来てくれました。このうち四人は来てくれそうですけど……


それにしても恵美子ちゃんはどうしちゃったんでしょうね……?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 見学者も来て、新学期ですね~。 なにかいろいろ春爛漫のような、そうでもないような…? どうなるかな?ですね。 恵美子ちゃんは後輩のイメージが強かったですけれど、ちゃんと先輩としての顔も見…
2021/01/24 11:55 退会済み
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