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憧れのスカート  作者: 赤坂秀一
第九章 高校生最後の年
41/52

41 三度目の桜が咲く頃

お待たせしました! 41話を更新しました。いよいよ飛鳥達も最上級生です。化学部の勧誘をする飛鳥達ですが、果たしてどれくらい集まるでしょうか


 先輩達の受験が終わりました。関先輩(せきせんぱい)一條大学(いちじょうだいがく)デザイン学部に合格出来ました。甲斐先輩(かいせんぱい)橋本大学(はしもとだいがく)医学部には合格しましたけど、北山大学(きたやまだいがく)医学部の合格発表は卒業式のあとになるのでまだ合否については分かりません!

「甲斐君、もう橋本大学で良いんじゃない?」

「うん、まあ結果がどうあれ取り敢えず私立の合格は貰っているしな」

 そう、にこやかに話す玲華(れいか)と甲斐先輩です。

「来年は私達だね」

 私がそう言うと……

「でもさ、私達が卒業したら恵美子(えみこ)ちゃんは、淋しいよね」

 瑞稀(みずき)は俯きながら言います。

「私達じゃなくて飛鳥(あすか)が、でしょう! ねえ、恵美子ちゃん」

 玲華が恵美子ちゃんを見て話します。

「……」

「恵美子ちゃん、聞いてる?」

「えっ、なんですか?」

 恵美子ちゃんは何処か上の空です。

「ISSの記録は悠香(ゆうか)と二人でちゃんとつけてますよ」

 そう微笑む恵美子ちゃんですが……

「恵美子ちゃん、大丈夫?」

 ここのところ、恵美子ちゃんの様子がなんとなく可笑しいですけど、どうしたんだろう?


 卒業式も終わり化学部は本当に淋しくなりました。今年の新入生も五人くらいは欲しいかな…… 男子も黒鉄(くろがね)君一人だから今年は男子の新入部員も入れなきゃね!

「ねえ北野(きたの)さん、部活動紹介の時は一緒に壇上に上がってもらっても良い!」

 私が北野さんに頼みました。玲華と二人だけだとちょっと不安なので……

「うん、良いよ! やっぱり三人はいた方が良いもんね」

 その時、もう一人声を掛けて来ました。

「あの、俺も一緒に良いですか?」

 黒鉄君です。彼は率先して言いました。

「良いけどどうしたの?」

「今年は男子にも入部して欲しいから……」

悠真(ゆうま)はいいよ、私に任しといて!」

 北野さんが言いますが……

「でも、部活動紹介で男子がいないと来てくれないんじゃないかと思って……」

 なるほどね、確かに一理あると私達も思ったので四人で壇上に上がる事にしました。なんだか北野さんは頬を赤くして嬉しそう。


 終業式です。これで私達も二年生が終わり、三年生になります。あっ、そうそう甲斐先輩から玲華を通じて報告がありました。北山大学医学部に合格したということで玲華は先輩と二人でお祝いのディナーに行ったそうです。その時ホワイトデーのお返しもあったということでした。

「何処に行ったの?」

 瑞稀は興味深々です。

「普通のファミレスよ、そんな高級な所に行ける訳ないでしょう」

 いや、玲華なら行けるはず…… 大体玲華の普通って普通じゃないからね、お嬢様だし…… 瑞稀は羨ましそうでした。

「私、何もなかったよ!」

「私達も何もしてないよね」

 私がそう言うと恵美子ちゃんは頷きます。

「でも、お昼に二人でカフェとかに行きたいですね」

 恵美子ちゃんは何かしたいのかな?

「瑞稀先輩、お客さんですけど……」

 珠里(じゅり)ちゃんがそう言ってます。するとそこには関先輩がいます。

「あれ、どうしたの?」

 瑞稀は嬉しそうに先輩のもとへ……

「あっ、これを持って来たんだ!」

 関先輩は瑞稀に何かを手渡したみたいです。

「あっ、有難う!」

 えっ! 瑞稀が関先輩に抱き着きました。珍しい事です。その後、ちょっと話をしたあと先輩は帰って行きました。

「瑞稀、どうしたの?」

「バレンタインのお返しだって、遅くなっちゃったなんて言われたけど」

 瑞稀は赤く染めた頬を両手で隠しながら嬉しそうです。お返しはクッキーの詰め合わせみたいですね。

「それとね、今度の日曜日に逢おうかって……」

 もう幸せいっぱいの瑞稀です。

「瑞稀先輩ラブラブですね、顔が赤いですよ!」

 悠香ちゃんに揶揄(からか)われてますね!

「飛鳥さん、私達も何かしませんか?」

 恵美子ちゃんがなにか羨ましく思ったようです。

「それじゃ、ショッピングに行こうか!」

「はい! でも、何を買うんですか?」

 恵美子ちゃん…… あれ、ちょっと変!

「春物の洋服を買おうか! 一緒に」

「はい」

 私は週末、恵美子ちゃんとショッピングデートです。でも、恵美子ちゃんは笑顔だけど、なんだか違う、嬉しくないのかな? どうしたんだろう? ちょっと複雑です。


 春休みも終わり入学式です。

「みんな可愛いね」

 瑞稀がそんな事を!

「玲華、しっかりね!」

「うん、まかしといて」

 私が心配する事もなく玲華は気合充分といったところです。ここで決めてもらいましょう。今から部活動紹介が始まります。私達は調理部のあとに紹介をすることになりました。

「それでは続きまして、化学部お願いします」

 私達四人、玲華、北野さん、黒鉄君と私は壇上に上がりました。

「新入生のみなさん御入学おめでとうございます。私達は化学部です……」

 玲華の挨拶は笑顔で大きい声で、好印象の部活動紹介の挨拶だったと思います。

「…… 是非理系男子、理系女子のみなさん、勿論それ以外の方の入部もお待ちしています」

 玲華の挨拶が終わり、私達は壇上から降りて来ました。

「玲華、凄いね! あんな立派な挨拶は出来ないよ」

 瑞稀がベタ褒めですが……

「はあ、緊張した、私、失敗しなかった?」

「玲華、凄く立派な挨拶だったよ」

 北野さんもそう言いますけど…… 実はあまりの緊張でなにも覚えていないという事でした。

「それじゃ、何を言ったかも覚えてないの?」

「うーん、壇上で何か話していたのは分かるけど、何を話しているのかはちょっと…… たぶんメモしていたのを読んでいたんだと思うけど……」

 そういう事だったようです。あの状況であれだけの事を、しかも記憶に無いとは…… 違った意味で凄いです。

「でも、これで何人くらい入部希望者が来てくれるかな?」

 北野さんはそう心配しています。

「大丈夫ですよ! きっと十人くらいは来てくれるんじゃないっすか!」

 黒鉄君は北野さんの肩にそっと手を置いてそう言うけれど、果たして……


 放課後、部活も終わり二年生がなにかを話しています。

「恵美子ちゃん、カフェに行かない?」

 私が誘うと……

「ごめんなさい、ちょっと……」

 なんだか重要な話し合いみたいですけど……

「うん、それじゃお疲れ様」

 そう言って化学室を出ました。すると中からは……

「恵美子は行っていいよ」

「でも、私も……」

「今井さんは、いいから今年が最後なんだから……」

 なんだか新学期が始まったばかりなのにそんなことを……

「それじゃ、ごめん」

 そう言って恵美子ちゃんは私の側へ走って来ました。

「飛鳥さんお待たせしました」

「恵美子ちゃん、いいの?」

「はい、大丈夫です」

 ただ、カフェに誘っただけなんだけど…… なんでしょうね!

「恵美子ちゃん、何か話し合いをしてたんじゃないの?」

 私がそう訊くと……

「ううん、そんなんじゃないですよ」

 そう話した後は、いつもの恵美子ちゃんでした。


 新学期が始まって一週間化学部に二人の男子が見学に来ました。一年三組の加藤翔馬(かとうしょうま)君と鍋島彰(なべしまあきら)君です。彰君は私達の宇宙観測に興味を持ったみたいで恵美子ちゃんや悠香ちゃんに色々訊いています。翔馬君はバブル班の石鹸作りにも興味を持ってるみたいですが、一番は珠里(じゅり)ちゃんに興味があるみたいで二人で仲良くお喋りをしています。全く、まだ入部もしてないのに!

「飛鳥、今年は男子二人だけかな?」

 北野さんがちょっと心配してるみたいですが……

「鍋島君、君達のクラスで他に化学部に興味を持った人はいなかったかな?」

 私がそう訊きいたところ……

「クラスは違うけど、女子が三人他の部と迷ってるって言ってました」

 鍋島君から有力な情報です!

「そう言えば香織(かおり)ちゃんと鈴夏(すずか)ちゃんは調理部に行ってくるって言ってたかな、星に興味があるとか言ってたけど……」

 加藤君がそんなことを…… 星に興味があるなら調理部じゃなくてうちの部でしょう。

「そう言えば雛乃(ひなの)ちゃんは?」

「あっ、そうだ今日化学部に行くって言ってたのにな……」

「俺、だから今日化学部に来たんだけどな」

 この二人は化学部に何しに来てるのか? 加藤君は珠里ちゃんといい感じでお喋りしてるし、鍋島君は雛乃ちゃんという女の子がどうも目当てみたいです。なにはともあれ入部してくれるならそれでも良いけど…… 調理部に行っている女子二人と雛乃ちゃんという娘、うちの部に来てくれないかな……


新入生二人が化学部に見学に来てくれましたが、この二人女の子が目当てなのか…… 化学に興味があるのかな?


恵美子ちゃんの様子がなんとなく可笑しいです。何かあるのかな?

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― 新着の感想 ―
[良い点] 何か恵美子ちゃんがらしくなくて、何かありそうですね~。 何があるのか続きが気になりますね。 理科系の部で女子が多いというのも、ちょっと珍しいような気がしますね。悪い事では全く無いのですけ…
2021/01/17 09:26 退会済み
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