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憧れのスカート  作者: 赤坂秀一
第八章 二年生後期と化学部部長
39/52

39 宇宙観測班

お待たせしました! 39話を更新しました。

前回で終了したバイオディーゼルから宇宙観測を始動します。


 いよいよ宇宙観測班始動です。もうすぐクリスマスなので冬の夜空にはオリオン座が目立っています。その左側にこいぬ座、その下におおいぬ座と続きます。冬の星座のメジャーなところですよね、そういえば冬の大三角形なんてのもあったよね! でもひとりで星の観測なんて淋しいし寒いです。そうだ、恵美子(えみこ)ちゃんにチャットしてみよう!

『恵美子ちゃん星座見てる?』

 すると直ぐに返信が……

飛鳥(あすか)さんちょっと待ってくださいね! あと二分で観測が始まりますので……』

 あと二分で観測ってなによ! そんな時間に左右される星座とかあったっけ? 仕方がないので私はひとりで観測を続けます。 すると恵美子ちゃんからチャットです。

『飛鳥さんお待たせしました。丁度ISS(国際宇宙ステーション)の観測時間でしたから』

『ISSが見えたの? 恵美子ちゃんって天体望遠鏡とか持ってるの?』

 私が訊くと……

『ISSは肉眼で見えますよ!』

 そう恵美子ちゃんは言います。どの辺に見えたのでしょうか? 恵美子ちゃんに訊いてみました。

『飛鳥さん、ネットで出現時間と方向を調べないと駄目ですよ! 今日はもう見えないので、明日一緒に見ませんか?』

 そう言われたので明日学校で詳しく訊くことにしました。


 翌朝!

「飛鳥さんおはようございます」

 恵美子ちゃんが家を出る十分前に来ましたよ!

「あら、恵美子ちゃんおはよう! 飛鳥はまだ奥にいるから…… 飛鳥、恵美子ちゃん来てますよ!」

 母からそう言われてしまいました。分かってますよ、声が聞こえたから…… 私がまだ、炬燵(こたつ)から離れられないでいると彼女は私の背後から抱き着いて来ました。

「おはようございます」

 あっ! なんか違う意味で暖かいです。

「おはよう」

 私が挨拶を返すと……

「あら、恵美子ちゃんおはよう、朝から仲が良いわね!」

 あっ、姉が起きて来ました! 大学はひと足早く冬休みだそうです。

「おはようございます唯香(ゆいか)さん」

「お姉ちゃん冬休みなら学校まで送ってよ」

 姉は目を擦りながら……

「良いけど今起きたから準備にもう少し掛かるよ」

 うっ、それじゃ遅れちゃうよ。

「仕方ない、恵美子ちゃん行こうか」

「はい、飛鳥さん」

 姉は大学に入学した後、車の免許を取ったのです。

「あなた達の周りは雪だって解けちゃうんじゃない!」

「えっ、雪が降ってるの?」

 私は慌てて窓の外を見ました。雪が降ってるならやばいじゃん。でも、雪は積もってはいない様子。

「飛鳥さん、チラチラ降ってるだけですよ」

 ホッとする私です。勢いで炬燵から出てしまったのでこのまま学校へ行きます。

「いってらっしゃい!」

 姉に見送られて、恵美子ちゃんと手を繋いでバス停へ向かいます。恵美子ちゃんの手は暖かいです。

「飛鳥さんの手冷たいですから暖めてあげますね」

 恵美子ちゃんは私の手を両手でそっと包んでくれます。

「なにやってるの? 朝っぱらから」

 あっ、もう瑞稀(みずき)に邪魔された。良い雰囲気だったのに……

「恵美子ちゃんも好きだね」

 瑞稀がそう言うと恵美子ちゃんは私にピトッと密着して来ました。

「良いでしょう!」

 と自慢してくる恵美子ちゃん、それはちょっと恥ずかしいよ!

「まあ、良いけど…… バス停ではやめようね、他の人もいるから」

 瑞稀からそう注意される恵美子ちゃんです。その後、私達はバスに乗り学校へ行きます。

「あはよう飛鳥!」

「おはよう玲華(れいか)

 玲華がバスターミナルから乗って来ました。

「恵美子ちゃん、昨日見た?」

「はい見ましたよ! 昨日はちょっと長めに見えましたからね」

 恵美子ちゃんと玲華が楽しそうに話してます。なんだろう?

「ねえ、なにが見えたの?」

 私がそう言うと……

「飛鳥は見なかったの?」

 玲華に残念な顔をされてしまいました。えっ! なんなの?

「飛鳥さんISSですよ! 昨日から明日まで良く見えるんですよ」

「ねえ、ISSってなに?」

 瑞稀がそう言うから玲華と恵美子ちゃんが苦笑しています。

「ISSは、国際宇宙ステーションのこと」

 玲華がそう言っています。

「それが見えるの? 双眼鏡とかで?」

「ううん、肉眼で見えるのよ!」

 瑞稀知らなかったの?

「飛鳥も瑞稀も言ったでしょう! この三日間は良く見えるから観測して記録をつけるからって……」

 玲華に言われてしまいました。玲華は部長になってから今まで以上に仕切っています。まあ、助かるけど……

「この三日間を逃すと、今度は一月まで見えないからね」

「えっ、毎晩見えるんじゃないの?」

 瑞稀がそう言います。私もそう思っていましたけど…… そう言えばそうだよね!

「瑞稀、地球を一日に十六周回るんだよ! それも日本上空だけじゃなくてアメリカやヨーロッパの方まで回るんだから」

 玲華はよく調べています。最近までは知らなかったと思うんですけど…… でも、そういうのに興味があったとは……


 放課後、昨日恵美子ちゃんと玲華が見たISSの軌道を記入します。今日も同じところを飛ぶのかな?

「ねえ、ISSの軌道って同じじゃないんだよね」

 玲華に訪ねると……

「昨日は北北東から南西方向に飛んだんですよね」

 悠香(ゆうか)ちゃんがそう言ったあと、玲華が……

「今日は何処を飛ぶんだっけ?」

 そう訊いています。

「あれ、今日は何処だっけ?」

 悠香ちゃんもそこまでは把握してない様子。

「今日のルートは北北西から始まって東南東の方向に飛ぶみたいです」

 そう答える恵美子ちゃん!

「恵美子ちゃん今日も見るんでしょう!」

「もちろんですよ! これを逃すともう次は一月ですからね」

 と玲華と恵美子ちゃんが息ピッタリという感じなんですけど…… なんだか玲華に嫉妬しましたが、ここは部活だし我慢しましょう。

「やっぱり昨日とはズレていますね」

 悠香さんも今日の軌道を確認しています。なんだかこの三人で話がはずみ私と瑞稀は置いてきぼりみたいです。でも、それに気付いたように……

「飛鳥さん、今晩は一緒に観測しましょうね」

「うん、一緒に見ようね!」

 なんだか今晩が楽しみです。

「良いわよね、飛鳥達は家が近いから一緒に観測出来て!」

 玲華が溜息を吐きながら私を見ます。あっ、そうか! 玲華は電車で二十分先の一條市から通学してるから夜に逢うのは難しいもんね。

「まあ、近くに住んでいてもお邪魔なだけかも知れないけどね」

 瑞稀がひと言! いやいや、そこは一緒でも良いんだけど…… 私達は昨日の観測結果を記録して活動を終えました。


 その日の夜、私の部屋には恵美子ちゃんがいます。実は今日のISS出現時間は、夜中の零時三十二分です。それってもう今日じゃないよね! まあそれから約五分間ほど観測出来るようですが遅い時間なので恵美子ちゃんはうちにお泊りです。なんだかドキドキします。

「飛鳥さん、なんだかドキドキしますね!」

 そう言って私の手を恵美子ちゃんの胸にあてなが密着して来ます。そんな事したら駄目だよ、うん結構大きいかも…… なんだか私の心臓が止まりそうです。

「恵美子ちゃん、そろそろ時間だから庭に行こうか!」

 そう言ってふたりで外に出ます。そこは満点の星空です。流石に街中なのであまり綺麗じゃ無いけど街灯のない北側へ行けば双子座やオリオン座なども見えて来ます。

「北北西から飛び始めるんだよね」

「はい、そこから東南東の方向です」

 私は北の空を眺めます。この時期は空気が澄んでいるから普段よりは星空が綺麗なんです。すると小さな一等星くらいの明るさの星がスーッと動いています。

「恵美子ちゃん、あれ」

 私が指を刺すと……

「そうです、あれですよ飛鳥さん」

 そう言って私達は無意識のうちに二人寄り添ってずっとISSを見ていました。すると、東の空に差し掛かったところでフッと消えました。

「終わっちゃった……」

 恵美子ちゃんはもう少し見たかったのかな?

「あっ、寒い」

 恵美子ちゃんがひと言…… 私が背後からそっと抱き寄せると……

「珍しい!」

 ひと言、恵美子ちゃんに言われてしまいました。

「でも、暖かいです」

 もう少しだけ抱き合ったままの私達でした。


 翌朝!

「おはようございます、飛鳥さん」

 私を起こす声が…… 恵美子ちゃんです。そうか! 昨日からISSの観測のため泊まっていたんだよね! 私はベッドから起き、恵美子ちゃんと二人着替えを済ませてからリビングへ行きます。

「おはよう恵美子ちゃん! 昨日は眠れた?」

 母が恵美子ちゃんに訪ねます。

「はい、観測が終わったあとはぐっすりと……」

 嘘です! 夜中の一時半くらいまで二人でベッドの中で話していましたから…… クリスマスもISSの観測とか言って一緒にいたいねぇとか…… でも、明日まで見ると今度見えるのは一月なんだよね! 言わなきゃ分からないけど……

「それにしても三人並んでいると仲の良い三姉妹に見えるわね」

 母にそう言われてしまいました。姉は、満更でもないようですが、私は悪い気はしないけどちょっと複雑です。


 そして、クリスマスイブの夜、今年は玲華も瑞稀も先輩達が受験なのでパーティーは無しということで、私と恵美子ちゃんの二人きりなんです。上杉(うえすぎ)先生と美彩(みさ)先生も……

「今年は二人きりでいいね!」

 なんて言っていました。しかも、恵美子ちゃんのお父さんが北陸に出張とかでお母さんも一緒について行ったという事です。そこで食事は私の家で済ませたあと私は恵美子ちゃんの家に二人でお泊まりです。

「飛鳥さん、オリオン座が見えますよ」

 恵美子ちゃんの部屋の窓からかろうじて見えます。

「ちょっとだけ外で見てみようか!」

 二人で外に出るとよく見えます。家の南側は道路で街灯の灯りで星が見えにくいのですが北側の方は他の灯りがないので見やすいのです。

「あれが冬の大三角形ですよね」

「うん、おおいぬ座のシリウス、こいぬ座のプロキオン、そしてオリオン座のベテルギウスだよね」

「でも、ベテルギウスはもう無いかも知れないんですよね」

「そこはまだ分からないけど超新星爆発はしてないんじゃないかな、あと十万年は大丈夫って聞いたこともあるけど……」

「でも、640光年くらいの距離がある訳だから、今見えている光は640年前の光ですよね」

 まあ、科学的にはそうだよね!

「でも最近、前に比べて暗くなっているなんて言う人もいるから実際はどうなんだろうね?」

「私は、冬の星座は好きなんです。他の季節より綺麗で……」

 そう言って恵美子ちゃんは、また私にピトッとくっ付いて来ました。まあ、今は良いかな……

今回はISSの観測をおもにしていたみたいですが、今後は星座の動きとかも見てみたいと思います。

しかし、飛鳥と恵美子ちゃんは最近よく見せつけてくれますが…… 来年は飛鳥は受験だよね……

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― 新着の感想 ―
[良い点] スペースシャトルが引退してから何だか話題に上らなくなった気がします、ISS…。 ソユーズがちゃんと行き来しているはずなのですけれどもね。 何か報道の偏向を感じなくもなかったり…。 それは…
2021/01/04 12:04 退会済み
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