36 函館を満喫中!
お待たせしました! 36話を更新しました。今回はサブタイトル通り函館を満喫する回になっています!
夕食も終わり、今から函館山に登ります。ルートとしてはバスかロープウェイなのですが、バスだと山頂駐車場を一時間しか利用出来ないらしくそれでは楽しめないということでロープウェイで登ります。日の入りの時間が六時五十五分くらいなのでホテルを六時半に出ます。ホテルはたまたま函館山近くにあるのでロープウェイ駅まで歩いて向かいます。
「ロープウェイって何人くらい乗れるのかな?」
と言う弥生です。
「125人乗りだそうよ!」
「そんなに乗れるんだ!」
玲華の説明に驚く私と弥生です。
「それじゃ、一組から三組まで一気に乗れちゃうんだね!」
私がそんな風に言うと……
「他の人達もいるんだからそうはいかないでしょう」
そう玲華が呆れ顔で言いました。別にそんな顔をしなくても……
一応、改札は団体入口の方からひとクラスごとに通り抜け、ロープウェイには他の人達と一緒に乗ります。私達の順番が来た頃にはかなり薄暗くなり夜景がいい具合に綺麗です。
「わーっ! 凄く綺麗だよ」
「うん、もっと上に行けば、もっと綺麗なんじゃない」
私と弥生はテンションマックスです。
「まだまだこれからよ! もう少し暗くなった頃が一番綺麗なんじゃない」
そう玲華は微笑んでいます。彼女のテンションも上がってるみたい。
「玲華は前にも来たことあるの?」
「ううん、他のとこならあるけど函館山は初めてだけど…… まあ、北海道じたい初めてだけどね!」
弥生の問いにそう答える玲華です。
ロープウェイで中間くらいまで来たときある程度夜景の全体図が見えました。
「わあ、すごいよ! これ」
もう言葉では言い表せないくらい綺麗です。私達は夜景に見惚れながら山頂駅に到着です。
「三組と四組は写真を撮るからこっちに来て!」
先生達も大変です! これだけの夜景を楽しむ余裕がありません。まあ、みんなの写真撮影が終われば、少しくらいは余裕も出来るんだろうけど……
「ねえ玲華、あのカメラ……」
私はつい叫んでしまいました。
「なに、どうしたの?」
「あのカメラ、レンズが二つ付いているよ!」
「あっ、本当だ。なんだろうね」
そう玲華と話していると……
「次、四組! こっちに来て」
どうやら私達の番が来たみたいです。私達は整列して二回くらい写真を撮ってもらいました。
「はあ、やっと終わった! これで自由だ!」
ちょっと人混みから離れた所に行くと瑞稀がいました。
「あれ、写真は?」
「今、五組だから次だね」
瑞稀も余裕だね! それよりあのカメラには気付いたかな?
「瑞稀、カメラのレンズ見た? 二つ付いてたでしょう」
「あ、あれ! たぶん二眼レフカメラだよ、上のレンズで夜景を撮って、下のレンズで人を撮るんだよ! ああでもしないと折角の夜景が台無しだもんね」
なるほどね!
「瑞稀、写真撮るよ」
徳永さんが手を振って呼んでいます。
「うん、すぐ行く! じゃあ飛鳥あとでね!」
そう言うと瑞稀は行ってしまいました。
「飛鳥、一緒に写真撮らない?」
玲華から誘われたので一緒に撮ることに!」
「うん、でも夜景はとれないよね」
「そうでもないよ、ほら!」
玲華が北野さんと撮った写真を見せてくれました。夜景が少し暗かったけど写っていました。
「よく撮れたね!」
横から覗き込んてくる瑞稀です。
「それじゃ、みんなで撮ろうか私が撮るから」
私達五人の写真を夜景をバックに玲華が撮ります。
「玲華交代! 今度は私が撮るから」
今度は瑞稀が撮ってくれました。
「結構綺麗に撮れるもんだね」
「まあ、バックの夜景がちょっと弱いけどね」
徳永さんの感想に瑞稀が応えてます。
「あれって港だよね、横にフェリーが泊まっている」
私がそう言うと瑞稀が……
「港町の夜景っていいね」
瑞稀は夜景に見惚れています。
「確か、前に長崎の稲佐山からの夜景を見た時も、とても綺麗だったかな……」
北野さんがそんなことを言っています。長崎の夜景も有名ですよね! 同じように港町で路面電車があって……
しばらく私達は夜景に見惚れ、函館山を降りました。
ホテルに着くと……
「飛鳥はお風呂はどうするの?」
弥生が心配してくれてるようです。
「私は部屋風呂だよ、女湯はちょっと無理だから、勿論男湯はもっと無理だけど……」
私は普通を装って言いました。
「私は飛鳥と一緒でもいいけどな」
弥生はそう言ってくれますが気持ちだけ貰っとくよ!
「それじゃ飛鳥、ゆっくりしててね!」
玲華と弥生はそう言って大浴場へ行ってしまいました。私も出来ることなら大浴場でみんなと一緒に入りたいよ…… まあ、やっぱ無理か…… よその学校じゃ私みたいな生徒は、ひとりシングルルームって話もあるみたいだし、みんなと同じ部屋というだけでも有難いかな……
私はひとり風呂を楽しんだあと部屋でテレビでも見ながらくつろいでいると……
「ピンポン!」
誰かが来たみたいです。誰だろう?
「誰?」
「瑞稀だよ!」
私は瑞稀を部屋に入れました」
「あれ、玲華達はまだお風呂か! しばらく一緒だったんだけど私が先に出て、あれから四十分くらい経つからいると思ったのに……」
まあ、女の子のお風呂は長いですからね! 私もどっちかというと長いかな……
「ねえ、恵美子ちゃんにチャットしなくていいの?」
瑞稀がそんな事を言って来ます。
「なんで?」
「だって彼女なんでしょ?」
「うん、でも大体恵美子ちゃんから来るんだけどね、気が向いたら私も送るけど」
なんかそう言われるとちょっと恥ずかしいかな……
「ふーん、毎日今日の出来事みたいな話とかしないの?」
「毎日は無いよ!」
一時期はあったけど……
「瑞稀は毎日なの?」
「うん、毎日関君と色んな話をしてるよ!」
そう話す瑞稀です。関先輩も大変だ! でもちょっと羨ましいかな!
「飛鳥、明日はどうするの?」
「えっと、最初に朝市かな」
「そのあと元町にも行ってみない!」
そう言う瑞稀です。
「なにかあるの?」
「八幡坂って景色のいいところがあっておしゃれなお店とかもあるんだって! なんか映画のロケ地にもなったんだって」
「うん、いいよ!」
「あと赤煉瓦倉庫!」
そう言いながら玲華が戻って来ました。
「赤煉瓦倉庫って?」
瑞稀がちょっと興味を持ったみたい。
「函館ベイエリアのランドマークで、ちょっとした観光ショップよ」
玲華はやっぱり色々とチェックしてるみたいだ!
「それじゃ行き先も大体決まったわね!」
玲華がそう仕切ります。
「移動はどうするの?」
瑞稀はちょっと不安気です。まさか歩くとか思ってないよね!
「市電の一日乗車券があるからそれにしない?」
私がそう言うと……
「それならホテルで売ってたよ」
今度は弥生がそう言っています。
「それじゃ、明日は朝食を食べたあと朝市ね」
私がそう言うと……
「分かった、分かった!」
そう玲華に言われてしまいました。こうして函館の初日が終わりました。
翌日、朝食を食べに行ったとき北野さんと会いました。
「飛鳥達は今日どうするの?」
「私達は朝市に行って、元町と赤煉瓦倉庫に行こうと思っているけど」
「元町なら八幡坂とか二十間坂にも行くよね?」
なんだかあの冷静な北野さんから食い入る様に言われてちょっとびっくりです。
「たぶん行くと思うよ! 瑞稀が行きたい場所だから……」
「それじゃ、私も一緒に良いかな」
北野さんからそう声を掛けられたので承諾しました。別に断る理由もないしね!
「でも、一緒の部屋の人達は?」
「彼女達は大沼の方に行くみたいだから……」
「函館観光じゃないんだね」
「うん、あとお昼に函館ラーメンとか食べたいしね」
「良いわね! 函館の塩、札幌の味噌、旭川の醤油、ラーメン大好き」
玲華も結構な麺食いなんだね!
「まあ、旭川は行かないけど小樽にも美味しいとこがあるみたいよ」
そう言う北野さん、詳しいな!
「本当に楽しみだね!」
「それじゃロビーで待ってるから」
そう言って北野さんは部屋へ行ってしまいました。
私達はホテルを出て朝市にやって来ました。朝から活気に溢れています。蟹はやっぱりメインですね! その他にもホタテとかイカとか雲丹とかイクラなどが沢山あります。行くとこ行くとこで試食させて貰いもうなんだか大満足です。新鮮な海産物を食べるところもあって、朝食はここで食べたほうが良かったかも…… なんだか北海道に来たって実感します。
「ねえ、飛鳥は蟹とかどこで買うの?」
玲華にそう訊かれてどこが良いのか解らないので取り敢えず適当に……
「まだ決めてないけど…… やっぱり札幌で良いかな…… 玲華は?」
「私は札幌の市場にお世話になってるところがあるからそこで買おうと思ってるけど」
「そこって安いの?」
そう瑞稀が一番に訊きます。
「まあ、少しくらいなら……」
「それじゃ私もそこにしようかな」
瑞稀は値段で決めるのかな?
「みんながそうするなら私もそこで」
ということで朝市は試食をして偵察しただけになりました。なんだか買わなかったのに悪かったかな……
「飛鳥、何買ったの?」
瑞稀が私の小さな紙袋を見ています。
「飛鳥、いつの間に買ったの?」
今度は玲華にも訊かれました。
「美味しそうなイカ飯があったからつい買っちゃった」
「でも、美味しそうだね!
弥生もジッと見ています。
「あとからみんなで食べようか」
なんとなくそう言わされたような……
「それって、イカの中にご飯が入っているの?」
北野さんは知らないのかな?
「そう、イカの中に餅米を入れて味を付けた煮汁で煮るだけなんだけどね」
そんな話をしながら朝市を出ました。
「蟹は美味しかったね!」
そう言うのは弥生です。
「うん、あれはやっぱり買わないとだね!」
日本語がおかしい瑞稀です。
「折角、ここまで来たんだから蟹は買いだね」
玲華までそう言ってます。その後、市電で元町へ行きます。末広町電停で降りて少し歩くとなんとなく見覚えのある像が…… 誰だっけ?
「この人日本史の教科書に載ってなかったっけ!」
弥生が指を刺しています。
「この人はマシュー・ペリー提督だよ」
北野さんが答えます。
「でもさ、この人浦賀に来たんじゃなかった?」
瑞稀の知識ではそこで終わってます。
「そう、最初に来たのが、今の神奈川県横須賀市にある浦賀沖に来たのよ! でも、その一年後日米和親条約で開港が決まった箱館にも来航したのよ」
流石は北野さん、学があるな…… 私は歴史は苦手だから無理! 玲奈は歴女だから話が合うかも!
その後、イギリス領事館を観た後……
「ねえ、そろそろお昼にしない? この辺に有名な函館ラーメンのお店があったと思うけど……」
北野さんはそこへ行こうと下調べをしてたのかな?
「でも、有名なお店は多いんじゃない?」
弥生がちょぴり心配してます。
「確かに! まだ、公会堂と赤煉瓦倉庫にも行かないとだし」
玲華が、そう言い出します。赤煉瓦倉庫はよほど行きたいんだろうね!
「あと、八幡坂と二十間坂もね」
そこは瑞稀と北野さんが一番行きたかったとこだもんね!
「赤煉瓦倉庫はここからまた市電に乗るんでしょう?」
玲華の不安そうな顔を見た北野さんが……
「確か、この辺のはずだよ、十字街電停の側だから……」
まあ、そういうことで有名店は外して美味しそうな函館ラーメンのお店で塩ラーメンを堪能しました。そして、瑞稀と北野さんが行きたかった八幡坂です。ただの坂道でしょうと思っていましたが、もう景色が日本じゃないです。坂の下には海が見えてとても良い雰囲気です。周りには洋風のおしゃれなお店もあります。瑞稀が来たかった訳だ。関先輩にでも聞いたのかな! 瑞稀は写真を撮るのに夢中です。その後、玲華が行きたかった金森赤煉瓦倉庫を散策しました。ここも、赤煉瓦倉庫のまえが運河になっていてとても良い景色と雰囲気の場所です。ここでも瑞稀は写真を撮るのに夢中です。
「瑞稀ってあんなに写真好きだった?」
玲華の問いに私は……
「彼氏さんの影響が強いんでしょう」
そう答えました。
函館だけでも見所がこんなにあって流石は北海道! 明日は特急北斗5号で札幌へ向かいます。
これを書いていてまた、北海道に行きたくなりました。今は函館までだけど新幹線もあるんですよね! 暖かくなったら行ってみたいな! でも北海道は寒い時期が美味しいんだよね……




