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憧れのスカート  作者: 赤坂秀一
第六章 恵美子ちゃんの受験
28/52

28 高校受験と卒業

お待たせしました。28話を更新しました。前回私立の試験が雪の為、大変な事になりました。試験は果たして行われたのでしょうか?


 雪のために交通が麻痺し、私が学校に到着したのは十時半を回っていました。瑞稀(みずき)も私とあまり変わらないくらいに着いてたようです。

「ねえ! 玲華(れいか)は?」

「たぶん電車が動いていないんじゃないかな」

「それじゃ、今日は休みかな」

 今日は学校の授業もほとんど自習になっています。

「たぶん今日は午前中で終わりそうだね!」

 瑞稀とそう話していた時、玲華がやって来ました。

「おはよう!」

「おはよう、今日は休むんじゃないかと思ってたよ」

「私もそう思っていたんだけど帰ろうとした時に電車が動き出して、バスターミナルではバスのダイヤが滅茶苦茶だったけどたまたますぐに乗れたから来ちゃった」

 そう言いながらも玲華はちょっと疲れているようでした。

「でも、無理して来て帰れなくなったらどうするの?」

 瑞稀がちょっとだけ心配してるみたいです。

「その時は迎えに来てもらうわよ」

 あ、あの黒塗りの高級車ね! でも、玲華があの車で学校に来なかったのでちょっと安心しました。あれはかなり目立ちますからね。

「ねえ、恵美子(えみこ)ちゃんはどうだったの? 試験今日だったでしょう」

「うん、朝電話があって時間に間に合わないからどうしようって言われたから、学校に連絡するようには言ったんだけど……」

「たぶん延期になったんじゃない、電車だって止まっていたんだから」

「そうだよね!」

 私もちょっと心配になりましたが…… 取り敢えず後でメールでも入れとこうかな……

 今日の授業は午前中で終わりました。

「雪解けちゃったね!」

 朝は、あんなに寒くて積雪十センチくらいあって、しかも凍ってツルツルしていたのに、たった半日で何もなかったかのように解けて無くなってしまいました。

「玲華、帰れそう?」

 駅まで行ったとき電車のダイヤは乱れたままでした。

「うーん…… 遅延したり運休したりで、どうかな?」

 玲華は駅員さんに状況を訊きに行きました。

「駄目だって、さっき行った電車が戻って来ないから、まだ二時間くらい帰れないみたい」

 そう言ってどこかに電話をしている様子、大丈夫かな?

「よかった! 家から迎えに来てくれるって」

 玲華は私達のところへ戻って来てそう言いました。

「そう、良かった! それじゃ私達も帰ろうか」

 瑞稀とそう話していると……

「それなら帰り道だし送るわよ」

 そう言われ私と瑞稀は顔を見合わせましたが断ることも出来なかったので玲華の言われるままにコーヒーでも飲みながら待つことになりました。それにバスはいつ来るか分からないので……

「瑞稀、お迎えってあれだよね?」

「たぶんそうだよ」

 まさかとは思いますけど…… 三十分くらいした時、玲華のスマホがなりました。

「来たみたいだから行こうか」

 私達は玲華の後を言われるまま駅南口の方へついて行くと、そこには以前玲華のお屋敷の前に止まっていた黒塗りの高級車が……

「おかえりなさいませ、お嬢様」

「友達も途中まで一緒にね!」

「かしこまりました」

「さあ、どうぞ!」

「……」

「どうしたの?」

 どうしたのって、ちょっと引くよね…… そう思いながらも車に乗りました。

「この座席、凄く良い」

「とても座り心地が良いね」

 玲華はちょっと苦笑しながら……

「城南中央の方へ回ってね」

 そう運転手さんに言いました。

「車の中、結構広いのね」

「そうかな…… 普通だと思うけど」

 玲華にとっては普通かも知れないけど私達庶民としてはこんな車に乗るのは初めてだからテンションも上がるのです。

「そこで止めて」

 最寄りのバス停に着きました。何だかバスで移動するより早かったような……

「玲華ありがとう、じゃあね」

 そう言って私達は車から降り、玲華は帰って行きました。

飛鳥(あすか)、凄かったね! あの車」

「うん、玲華はいつも乗ってるんだよね」

「学校もあれで来れば良いのにね」

 瑞稀はそう言いますけど……

「それは、私達には分からない何かがあるんだよ」

 私は瑞稀にそう言いました。それにあの車は、かなり目立ちますしね……


 その夜、恵美子ちゃんの事が気になりましたのでチャットをしてみました。

『試験どうたった?』

 すると、しばらくしてから返事が来ました。

『飛鳥さん、なんとかなりましたよ! ありがとうございました。試験は二時間遅れで始まって、短い昼休みをした後四時半までありました』

『他の人達も来てた?』

『私のいた教室は半分くらいでした』

『そう、今日は大変だったね! ゆっくり休んでね』

 そうすると『おやすみなさい』と返事がありました。よっぽど疲れたんだろうなと思いました。私も『おやすみ』と返信して休む事にしました。


 二月になりました。恵美子ちゃんの高校受験まであと一ヶ月くらいです。私達は後期期末試験が終わったので自習になる事が多いです。

「なんだか四月まではゆっくり出来そうね」

 玲華の言葉に私も……

「そうだね、部活もそんなにやる事ないしね」

「バイオディーゼルだって四十リッターくらいあるから今度の文化祭は発電機を回してスマホの充電スポットを作れるんじゃない」

 確かに瑞稀の言う通りなのです。だから新学期になっても慌てることも無いのです。

「明日も午前中授業だよね! 何かあったっけ?」

 午前中で帰れるのは良いけど何しようかな……

「明日は確か特別選抜試験じゃなかった」

「試験?」

「ほら、部活とかで推薦で入る試験」

「あっ、そうか! あんまり関係無いから忘れてた」

「まあ、ほとんどが運動部の推薦だからね」


 その日の夜、いつもの如く恵美子ちゃんからチャットです。『飛鳥さんいよいよです。私頑張りますから』

『うん、その意気だよ、頑張ってね! 後は健康面に気をつければ大丈夫だからね』

『はい、頑張ります』

 それだけで話が終わり今日はやけに早く終わったなぁと思いました。でも恵美子ちゃんもここまでくるとやっぱり覚悟を決めたんだろうと思いました。


 翌朝、学校では特別選抜試験の準備が行われています。

「ねえ、見た! やっぱり運動部の子が多い見たいね」

 私達は教室でそういう話をしながら一時間目久々の授業を受けました。

 昼休み、食事をしながら「今日、部活やらない?」と言いました。玲華と瑞稀は何事かという顔をしています。

「いきなりどうしたの?」

 当然、玲華から事情を訊かれます。

「うん、なんとなくだけど…… バイオディーゼル以外で何か出来ないかなと思って」

「そうね! でもなにをするの?」

「それは…… まだ決めてないけど」

「やるのは良いけど甲斐君(かいくん)には、ちゃんと許可をもらわないと駄目だよ」

 玲華は真面目ぶりながらちょっとだけ頬を赤くしました。

「うん、それはちゃんとやるから、瑞稀も放課後大丈夫?」

「うん、良いよ。関君(せきくん)もまた撮影に行ってるから」

 そういう事で今日は部活です。甲斐部長には理由を話して承諾を得ました。


 放課後、私達は化学室へ行きました。

「バイオディーゼルの研究はやめるの?」

 甲斐部長からそんな事を言われてしまいました。

「いえ、続けますよ! ただ他にもやってみたい事があるのでバイオディーゼルの片手間で……」

 甲斐部長は興味深く私を見ています。

「それで、なにをやるのよ?」

 玲華からも急かされてしまいました。

「気象に関わること、天気図とかも書いてみたいかな……」

 玲華は溜息を吐きながら「飛鳥は好奇心旺盛ね!」と言われてしまいました。

「そうかな?」

 小首を傾げながらそう答える私です。

「そのうち天気予報をするとか言い出すんじゃないよね」

「それは無理だよ」

「飛鳥は本当に理科が好きだよね」

 瑞稀に言われてしまいました。

「でも、今じゃなきゃ出来ないから……」

「やるのは構わないけど、もう少し調べてからでも良くない? それにやるなら玲華や斎藤さん三人でやった方が面白いと思うよ」

 甲斐部長からそういう風に言われました。

「でも、誰かさんはひとりでシャボン玉をしてたくせに」

 甲斐部長は苦笑しながら「あれは一緒に出来る人がいなかったから……」

 取り敢えずシャボン玉は置いといて気象に関する研究についてはもう少し調べてからという事になりました。

 部活を終えて帰るとき見覚えのある女の子が…… 恵美子ちゃんです。

「恵美子ちゃん、なんでここにいるの?」

「飛鳥さん、試験終わりましたよ」

 え! 試験終わったって……

「恵美子ちゃんは推薦だったの?」

 玲華はちょっと拍子抜けの感じでした。

「はい」

「それじゃ、私立の滑り止めとかいらなかったんじゃない?」

 瑞稀がそう言います。

「それは駄目ですよ。推薦入試だって落ちる人はいますから、落ちたら一般選抜を受けなきゃだし、もし駄目なら私立になる訳ですから」

「推薦って何の推薦なの?」

「学力ですよ」

「推薦って部活とかで良い選手を獲得するためじゃないの?」

「それは同じ特別選抜でも特色Bです。私が受けたのは特色Aなんです」

「よく分からないけど合格発表はいつなの?」

「発表は来週です」

「そう、合格してると良いね」

「はい、駄目な場合は一般選抜に願書を出さないといけないので」

 恵美子ちゃんも大変だ! でも合格すればこれで終わりなんだね。でも…… 推薦ならそう言ってくれれば良かったのに……


 一週間後、特別選抜試験の発表がありました。恵美子ちゃんは見事合格だったようです。チャットで報告がありました。

『おめでとう、これで私達の後輩だね! 化学部に入部してくれるのを楽しみにしてるからね』と返信しました。


 三月、青山先輩(あおやませんぱい)長野先輩(ながのせんぱい)が卒業されました。青山先輩は一條大学(いちじょうだいがく)の薬学部へ進路が決まったようです。長野先輩は北山大学(きたやまだいがく)の理工学部に行く予定ですが、まだ発表があってないので分かりません。私達は先輩方に化学室に来てもらい細やかながら卒業のお祝いをしました。料理はホットホットのお弁当屋さんからオードブルとサンドイッチのプレートを買って来てビールで乾杯といきたいところですが、まだ未成年なのでここはコーラで乾杯しました。

「甲斐君、後輩沢山入れてね!」

「はい、取り敢えず今村さんの彼女じゃなかった後輩が入部してくれるそうです」

「あら、そう。今村さんきちんと指導してあげてね」

「はい」

「今村、甲斐から聞いたんだけど、気象関係の研究をしてるんだって?」

「あ、まだテスト段階ですけど」

「まあ、とにかく頑張れよ」

 そういうことで私達の高校一年が終わりました。

恵美子ちゃん特別選抜試験による推薦を狙っていたようでみんなびっくりです。でも合格出来て良かったね!


今回、特別選抜試験は特色Aと特色Bは同じ日に行われましたが、最近は特別選抜は特色Bのみで特色Aは一般選抜と同じ日にあるそうです。この物語では都合上一緒の日に設定しました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 無事に試験が終わってほっと一息ですね。 同じ学校でいろいろと大丈夫かな、この二人は?とちょっと心配になりますが…。 あんまり仲良くし過ぎて変な噂になってしまったりしないと良いのですけれど……
2020/10/25 16:05 退会済み
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