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憧れのスカート  作者: 赤坂秀一
第四章 インターハイと文化祭と私
18/52

18 恋の行方は?

お待たせしました。18話更新です。

飛鳥の様子がちょっと変です。そこに今井恵美子の存在でより可笑しくなりそうな……


 文化祭最終日です。私は今井恵美子(いまいえみこ)ちゃんに抱きつかれています。彼女も幸せそうな表情ですが、私も心地良いのです。これって、もしかすると恋ですか?

「はい、はい! もうその辺にしときなさいよ!」

 玲華(れいか)に引き離されてしまいました。あーっもう、残念です。でも、確かにこのままだと変に思われそうなので……

「あの! これ借りていたバス代です。ありがとうございました」

 昨日、私が貸した分です。

「いつでも良かったのに! あれ、ちょっと多いよ恵美子ちゃん」

「あ! それはうちのお母さんがお礼に入れたんだと思います」

「そんなことしなくて良かったのに!」

 そう言いながら中身を確認すると、貸した金額の五倍くらい入っているんですけど……

「これってちょっと貰い過ぎじゃない?」

「あ! 良いんです。本当に助かったんですから」

 うーん、でもなあ、どうしよう……

「それじゃ、これを使って三人で何か食べようか! ねえ! 恵美子ちゃん」

「え! それはちょっと……」

「良いの、良いの、私が返して貰ったお金をどう使おうと問題ないでしょう」

 そう言って昼休憩に私達のクラスがやっているカフェに行くことにしました。昼休憩までは少し時間があります。

「恵美子ちゃん、まだちょっと早いからシャボン玉でも楽しんでいてね!」

 私達は今日一日シャボン玉ブースです。

「このシャボン玉、なんか変ですよ」

 恵美子ちゃんはそう言いながらも楽しそうです。

「どうしたの?」

「このシャボン玉なかなか壊れないんですけど!」

「そうよ! ひと工夫してるからね」

「…… 私、来年…… ここを受験しようかな……」

 恵美子ちゃんは、いきなりそう言いました。

「え! いきなりどうしたの?」

「私、お姉さんと同じ学校に来たいです」

「それは、良いけど、志望校ってもう決まってるんじゃないの?」

 私はちょっと戸惑いました。この時期は志望校を決めてそれに向かって勉強してるんじゃないのかな?

「私は高校は何処でも良いかなあって思って、取り敢えず家から一番近い聖華高校(せいかこうこう)で良いかなあって……」

「でも、うちは進学校だからちょっとレベル高いよ」

 玲華も少し心配している様子です。

「親は、悠秀館(ゆうしゅうかん)高校に入学させたいみたいなんですけど、そこはギリギリなんですよ、でもここなら、たぶん大丈夫かなって!」

 え! 悠秀館高校ってこの辺ではトップクラスの学校なんですけど……

「そんなに優秀ならそっちの方が良いんじゃない?」

 私達がそう言うと彼女は「そんなの嫌なんです。勉強、勉強の学校なんて…… もっと今しか出来ない事をやりたいんです。それに少しは遊びたいじゃないですか! それとも私が来たら迷惑ですか?」

 彼女はちょっと微笑んで私達の反応を見てるような…… 別に迷惑なんて思ってはいない。でも言われてみれば勉強ばかりじゃ息が詰まりそうですね!

「確か、悠秀館高校って全寮制じゃなかった?」

 玲華の情報です。

「うわーっ! そういうのは嫌だ」

 私は、つい反応してしまいました。別に私が行く訳ではないのに……

「ねえ、良いでしょう! 私がここを受験しても……」

「うん、もちろんだよ! 歓迎するよ、私達は背伸びし過ぎて失敗されたらと思っただけだからね!」

「やったー! 来年はお姉さんと一緒の高校です」

 でも、あまりにも安易過ぎじゃないのかと心配です。

「ねえ、もし、うちの高校に来たら化学部に来ない? 一緒にいろんな研究をしようよ」

 玲華が化学部に勧誘してくれました。

「はい、その時は是非!」

 その時でした、背後から聞き覚えのある声がしました。

「はぁ、やっと見つけた!」

上杉先生(うえすぎせんせい)!」

 先生の姿を見て、まず玲華が先生の胸に飛び込みます。

「えーっ!」

「こらこら、飛鳥(あすか)君が変な目で見てるからやめなさい」

 いや、変な目にはなっていないと思いますけど…… 玲華は嬉しそうに上杉先生に甘えたまま言いました。

「上杉先生は私の初恋の人なの!」

 上杉先生は、ちょっと迷惑そうな顔をして玲華を引き離しました。 女子高生に抱きつかれるとやっぱり先生は照れくさいのかな……

「ところでバイオディーゼルは今日は無しなのかな」

 さっきまで恥ずかしそうにしていた先生が照れを隠しながら訊いています。

「無しって言うか、製造工程を張り出してちょっとした説明と、あとサンプルを展示してるだけなんですけど……」

「そうか、ではあとから説明してもらいながらサンプルを見せてもらおうかな!」

「はい、でも今から食事に行くので先生も一緒にいかがですか?」

「なにを食べるの?」

「うちのクラスでカフェをやっているので……」

「うん、それじゃ一緒に行こうかな」

 私達がクラスのカフェに来ると……

「あれ! 玲華達、化学部はもう良いの?」

「ううん、そうじゃなくて食事に来ただけよ」

 そして私達はパスタを注文しました。

「先生は何にしますか?」

「僕は、カレーにしようかな」

 上杉先生は何となく落ち着かない様子です。

「どうかしたんですか?」

「いや、このクラスは男子はいないのかなぁって……」

「先生、私達は女子クラスですよ」

 先生はそれを聞いてちょっと固まっているみたいです。男性は女子に囲まれると照れくさいものなんでしょうか? 私は半分女子なので余り気になりませんけどね……

 その後、私達は化学室へ戻りました。

「あれ、シャボン玉は?」

 甲斐(かい)班長は焼きそばを食べながら訊いています。

「飛鳥のお客さんなので班長は交代です」

「君はどうするの?」

「私は、飛鳥とここにいます。班長とは明日もありますので……」

 班長はそれを聞いてシャボン玉の方へ行ってしまいました。でも足取りは軽いようです。あれ、何か意味深なことを言ってたような気がしたんだけど……

 そして、私達はバイオディーゼルのサンプルを見せて上杉先生に説明をしました。

「なるほど、かなり苦労したみたいだね」

「はい、かなり失敗しましたからね。でも先生から湿度のことを教えてもらったのでそれからはスムーズに行きましたけどね」

「でも、こんなに綺麗に出来たなら実際に使ってみたかったね!」

「ええ、でも燃料の信頼性とエンジンの供給もありませんので……」

「うーん、これだけ綺麗に出来てるから問題はないと思うけどなぁ」

 上杉先生はちょっと残念そうでした。でも、そこは私達も同じなんですけどね……

「まあ、そこは来年への課題というとこかな」

「はい!」

 先生は工程表を見ながら訊いて来ました。

「綺麗にまとめたね! これは飛鳥君の字では無いようだけど、まさか玲華ちゃん?」

「違いますよ! 私はそんなに上手じゃありません」

「先生、もうひとりメンバーがいますので…… あれ、瑞稀(みずき)は?」

 石鹸販売の所にいるはずの瑞稀がいません!

「瑞稀なら休憩だよ! 手作り石鹸もあと五個で完売だから」

 北野(きたの)さんは笑顔で言いました。

「わあ! 手作りなんですか?」

「そうよ! おひとついかが?」

 恵美子ちゃんは欲しそうだけど……

 北野さんは満面の笑みで恵美子ちゃんを見ています。この笑みは北野さんの最終兵器なのでしょうか?

「それじゃ、五個もらおうかな」

「ありがとうございます」

 上杉先生が全て買ってくれました。これで手作り石鹸も完売です。しかし、残り全部を買わせた北野さんのあの笑みは最高です。やっぱり最終兵器ですね!

 恵美子ちゃんは上杉先生を見ています。

「はい、良かったらひとつどうぞ、」

「え! でも……」

「僕は構わないよ、まだ四つもあるしね!」

「ありがとうございます」

 恵美子ちゃんも本当は欲しかったんだね! 良かったね! それと先生ありがとう!

「でも、お姉さん達って凄いんですね! こんな実験、私に出来るかな?」

「出来るよ! そんなに難しい事はしてないから。それと、そろそろお姉さんはやめてね!」

 恵美子ちゃんはちょっとだけ納得出来ない表情ですが……

「どうしてですか?」

「いや、なんとなく…… 飛鳥でいいよ」

「…… うーん、それじゃ飛鳥さんで良いですか?」

「…… うん、それなら良いよ」

 お姉さんよりそっちの方がずっと良いです。


 そして、文化祭も終わり反省会です。どの班もほぼ好評で成功のようです。バブル班も手作り石鹸二百個完売ですのでこれも成功です。私達バイオディーゼル班は今回製造工程の展示だけだったので来年はエンジンを回す実演が出来ればと課題が残りました。上杉先生も言ってた事だし、しかし、全体的に見れば化学部大成功の文化祭でした。


 文化祭も終わり、本日は代休です。玲華も瑞稀も今日は用事があるみたいで、私は恵美子ちゃんとデートじゃ無くてショッピングです。女子用の私服があまり無いので見に行こうとモールタウンまでやって来ました。玲華も瑞稀も用事というか二人ともデートだろうと思うのですが……

「やったー、今日は飛鳥さんとデートだ!」

 いやいや、そこはちょっと違うでしょう。

「恵美子ちゃん、ちょっと違うでしょう。デートというのは男子と女子が一緒にいる事だから」

 まあ、あながち間違ってはいないのですが…… 恵美子ちゃんは私のことは知らないはずだよね? ちなみに今日の私のコーデは前回玲華の家に行った時と同じ白のブラウスにグリーンのフレアスカートです。恵美子ちゃんはというとワイン系のフリル袖のTシャツにジーンズです。

「飛鳥さんって可愛いですよね」と言いつつまた抱きついて来ます。私も嫌じゃ無いけど今日は止めてくれる人がいないので…… 恵美子ちゃん駄目よと優しく注意する。それに中三の女子に可愛いと言われても……

「飛鳥さん! これ可愛いですよ」

 恵美子ちゃんは私の手を握りながら私をいろんなところに連れて行きます。なんとなく凄く心地良いのは何故でしょう……

 その後、私はいくつかの買い物をした後、カフェでブレイクです。恵美子ちゃんは友達の話とか好きな俳優さんの話をします。

「ところで試験勉強とか大丈夫なの?」

 昨日の話ではかなり余裕のようだけど……

「大丈夫ですよ、勉強は毎日していますし、まだ夏休み前ですよ」

 まあ、確かにそうだ私だって本格的に始めたのは夏休みが終わってからだったしな……

「でも不思議ですね!」

「なにが?」

「飛鳥さんと一緒だと凄くときめくんですけど…… 普通の女子同士じゃそんなこと無いですよね」

 恵美子ちゃんは私が男子だと感じているのかな?

「私も恵美子ちゃんといると、とても心地良いんだよね! なんでだろうね」

 私が恵美子ちゃんと話をしてる時でした。二人の男子がモールタウン内にある107シネマズから出て来ました。あれは甲斐班長? もうひとりは知らないひと…… あれ、玲華は? その時、玲華と瑞稀! なんであの二人が?

「どうかしたんですか?」

 恵美子ちゃんが私に尋ねましたが、今は声を掛けない方が良いかな! 私も恵美子ちゃんといる訳だから何て言われるか…… 恵美子ちゃんは不思議そうに私を見ています。

デートのはずの甲斐班長と玲華、それに秘密のデートの瑞稀が一緒にいます。どういうことでしょうか? それに飛鳥と恵美子も目が離せません。さてさて……

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― 新着の感想 ―
[良い点] おやおや? 色々動きが出てきましたね~。 皆さんどういう道を選んでいくのか? そしてそれは学生時代の恋愛だけで終わるのか、その後も続くのか? 気になるところですね~。
2020/08/16 15:58 退会済み
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