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007 吾輩、復活
吾輩、剣である。
艶ある木の剣であったが、多数のスライムを屠ったのち、限界を迎えて折れた。
折れて気を失ったのに、いうなれば死んだはずなのにまた意識がある。
剣なのに気を失ったり、死んだりという表現が適切かどうかはもうやめよう。
あるものはあるのである。
周りはやはり迷宮ではあるようだ。
少し様子が違うのでいままでの浅層ではないのかもしれない。
どうやら吾輩、復活する剣であるらしい。
前回のことを鑑みれば、姿も変わっているのではないだろうか。
柄には貧相ながら革がきれいに巻かれ、ストラップもある。
刀身は、なんと黒く光っておる。
吾輩、黒光りする木の剣である。