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代償

「これを渡しておきましょう」


 車掌・久遠は、切符と、銃と筒の様なものを俺に手渡した。


「この世界は何があるかわかりませんからねぇ」


 俺は銃を何気なく眺めていたのだが、久遠に言われるまで気が付かなかった。


「その銃は、あなたの奥さん。そしてその光剣は、あなたのお子さんです」


 見ると、銃には嫁の、筒には娘の横顔のレリーフが彫ってある。


「あなたが、この世界で自分の新しい居場所を探す、その代償として、奥さんと、お子さんの魂を預かりました。体は、武器に変えて、あなたに預けます」


 何を言っているんだ、こいつは。


「あなたが新しい居場所を見つけたら、2人の魂を回収させて頂き、あなた達一家は、あの世界から存在が抹消されます」


 何を言っているんだ、こいつは?


 久遠は汗を滴らせながらも、言葉を止めない。


「……は、手放してはなりません。何があっても、例え一片になったとしても。この世界を渡る上で、唯一破ってはならないルールです」


 呆然としていて、ロクに話を聞いていなかった俺は、慌てて何の話か問うた。


「……切符の話です。しっかり聞いていてほしいですね」


 久遠は不快そうな表情で答えた。

 意外に神経質なんだな。

 暑さでどうにかなってしまいそうな俺は、そんなことをぼんやりと考えていた。

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