表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

黄昏 ~たそがれ時

赤い椿

作者: 白石 瞳

マンションの植木の中に椿があると気がついたの


何故だか引っ越してきてから3年程

今まで気がつくことはなかったのに


小さなつぼみが膨らんでいく

やがて花開くでしょう


冬に咲く椿は何によって大きくなっていくのかしら

春や夏の花は眩しい陽射しから力を貰うでしょう?



私のことを花にたとえるならば「赤い椿」だと

昔、言った人がいたの


一輪挿しの椿なんだと

それ程目立つことはないが

有るのと無いのでは違うのだと


その人にとって私は「一輪挿しの存在」


私が何かを惹きつけているのであれば

私が何かを持っているのであれば

・・・嬉しいと思っていたわ



私の中にある「椿」は

赤くて大きな花びらの上に少し降った雪

遠い昔に見た記憶がある

それともイメージなのかしら


雪に押しつぶされることもなく花開き

寒さで閉じることはない

そうして白の世界の中に赤い椿が

静かに静かに咲いてるの



いつの間にか私の唇も口紅で赤色になっていた

雪の椿に喜んで樹を揺さぶる少女ではなくて

求められると肌までもが変わっていく

・・・大人の赤色に


抱きしめられれば抱きしめられるほど

温められれば温められるほど

体もより赤く染まって花開く

・・・椿のように、私が



カサブランカ 薔薇 スィートピー ひな菊 桜・・・

美しく可愛らしく見事な花はいっぱいある


花達は美しさを競うこともなく

それぞれが美しく甘い香りをかもし出し

それぞれが独特の存在感を持ち

・・・愛される


どの花が素晴らしいとは言えない

「この花が好き」

「どこか惹かれる」

「赤い椿・・・」


赤色の椿を求めてくれた人が

昔いたのだ

読んで下さり、どうもありがとうございました。


これは「Very very short stories」の中に別の書き方で掲載されています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ