音楽学校主席さん
私は小学三年の時に劇の発表会のジュリエット役を五年生の時はナレーターを担った。
やがて透き通った声が自慢となった。歌が上手いわけではないが好き嫌いされない声。ラの音が出ているらしい。因みにこれはネットで調べたので信憑性はない。
中学校は歌の練習を本格的に始めた。頭もキレないし運動もできない私にはピッタリだと思ったからである。最初に躓いたのは早口言葉の発音である。青巻紙赤巻紙黄巻紙などのwordが紙に羅列して書いてあるのを先生の前で発音する。勿論失敗しないように毎日家や休み時間に練習した甲斐あって合格した。
高校では実技中心で実際に書かれている歌詞を歌っていく。声の大小や表情の作り方。高校になると歌専門の人は結構厳選されていて他の人も上手。特に上手なのは緑色の紙の女の子。高校では毎年主席が選ばれて歌手デビューできるという校則があり彼女は最もソレに近かった。その子は声だけでなく顔も小顔で目も整形したかの様な大きさである。
結局彼女が主席を取った。私は高校を卒業した後に歌の道は諦めた。それは主席に成れなかった訳でもある。
簡単に言うと彼女は主席を取ったあと連絡が全く取れなかった。
卒業式の後私はアナウンサー専門学校に進んだので疎遠に成ったからではなく歌手デビューした筈が全くテレビにも出ないので不思議で仕方なかった。
ある時某動画サイトを見ていたら彼女そっくりのボーカロイドが機械の声で歌っていた。「嗚呼成るほど」思わず声に出してしまった笑