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どろりっち  作者: 菊助
3/5

3


『天使さん』


この前傷つけた子とは違う女の子。

一途で思い込みが激しい子。

ほんのり頬を染めている。

可愛らしい唇が開いて、次の言葉を紡ごうとしている。


やめて聞きたくない。

汚い気持ちを伝えないで。


「うぇっ……、ぃ゛ッ……やぁ゛」


あぁ、吐き気がする。

ボクが好きなのは彼女だけ。

ボクに好きと言っていいのは彼女だけ。

小さく漏らした嗚咽は女の子には聞こえなかったみたい。


『天使さん』


やめて。


『天使さん、愛してる』


ぎゅっと胃が鷲掴みにされた気がした。

嗚咽と一緒に涙と胃酸がこみ上げてくる。


「や゛ッ……、お゛ぇっ……きらいッ……」


汚いものは吐いてしまおう。

"嫌い"なんて汚い気持ち。

全部、吐き出さないと彼女に嫌われちゃう。


「だいっきらい……」


前の子よりも傷ついた顔の女の子。

それでも関係ない。

ボクが好きなのは彼女だけ。


「リディアちゃん……すき……」

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