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『お前なんか嫌い』
やめて、"嫌い"なんて言わないで。
ボクにはもう君しかいないの。
泣いて縋りそうになる。
だめ、そんなことしたら嫌われちゃう。
あれ?もう嫌われてるんだっけ?
ぐるぐるぐるぐる、目が回る。
「やだぁー、嫌いなんて酷いなぁ。まぁ、それでもボクは君が好きだからねぇー?」
"ホントの気持ち"を押し殺して へらっ、と笑う。
うまく言えてるかな?笑えてるかな?
そう考えるけれど、意味はなかったのかもしれない。冷たい目をしたまま彼女は何処かへ行ってしまった。
__何かがポキリと、折れる音がした。