平民&金持ち&クリスマス
と、特にはww
まぁいつものように、誤字脱字や矛盾は大目に見て下さい(保険)
私の名前は、赤坂 亜海。
都内の中学校に通う、今では誰も知らない人がいないほどの人気子役です。
変装なしで、町の中を歩くと、
「あみちゃん、応援しているよ!」「可愛いね~」「本物はテレビより可愛いな。」とか聞き飽きた言葉を言ってきます。
だから私は、笑顔で答えつつ、どこから現れたのか分らないリムジンに乗って逃げます。どうでも良い話だけど、そのリムジンは、日本経済に影響力がある大企業の社長である、私の両親が所有している車です。
そのリムジンは家の車庫に色違いが3、4台あります。
ちなみに、高級車であるリムジンを3、4台を所有してもお金は、山以上にあります。
それゆえ、身代金目的で小さい頃から私を狙う人達が跡を絶ちません。
だから、人間は信用していません。
親でも…。
しかし、去年のクリスマスに出会った少年は信用できます。
いや……す、好きではないけど、もう一度一緒にいたい彼だけは、唯一信用できます。
とあるドラマの撮影に来た、私の膝ぐらいまで雪が積る村での話です。
私は、いつも撮影の休憩時間にはお気に入りの帽子を被って一人で遊んでいました。そしたら急に、強風が吹いて帽子が飛んでしまったので、それを取るために、見知らぬ村で無我夢中に走りだしました。
数十分後には、帽子をとることができました。しかし、昼過ぎだというのに、光があまり差し込まない森に入り込んでしまって、迷子になりました。
迷子になったらその場で待機と、学校や執事達から習っていたけど、怖いあまりに1秒でも早く誰かに会いたくて、右も左も分らない場所を走り回りました。しかし、どこを走っても木と草しかありませんでした。
その時、
「ワッ!」
足が雪で滑り、一瞬宙に浮いて大きく顔面を強打をしました。
私はそのままうつ伏せのまま、孤独と寂しさと強打したことに傷が痛くて、山彦ができるほど大きな声で泣きました。
そしてら、いきなり後ろから、
「君、大丈夫? ほら、手を貸して」
と、少年の声がしました。私は、ゆっくりと見上げました。そして、両手で涙を拭いて、
「な、な、泣いて、泣いてなんかい!」
と、まったく迫力がない声で答えた。
「分かった、分かった。それより、1人で立てる?」
「お前の力を借りずとも立てる」
と、フラフラになりながら立とうした。
それを見た少年は、何も言わずに手を差し伸べた。
私は何も言わずに、少年の手を借りて立った。
「おいおい、奇麗な顔が台無しではないか」
と、少年は優しく語りかけると、ズボンのポケットからハンカチを取り出した。
「えっ?」
と、私は戸惑いながら答えた。
少年は私の話を、まるで聞こえてなかった様に無視して、私の顔を拭いた。
私は、執事とメイド以外に体を拭かれたことがなかったので、とても恥ずかしくて、顔を真赤にしてうつむけにした。
30秒たらずの出来事。
しかし、私にとっては、とても一瞬に感じた。
少年が私の顔を拭き終わると、
「あれ?足も怪我している。大丈夫か?ちょっと待っていろ。」
と言うと、今度は別のポケットかたハンカチを取り出して、私の怪我しているところを軽い応急処置をした。
「べ、別に痛くない。少し歩きにくいだけだ。なのにお前が勝手に手当てしただけだ。」
「はいはい。少しは素直になれよ。それより、その足では山を下るのは大変だろ?俺がおぶってあげるよ。」
「し、しかたない。お前がそこまで言うのであれば、送ってもらおう。」
「はいはい。」
その後、少年におぶってもらいながら山を下りた。
途中までは、しょうもない話をして笑いながら下りていた。
しかし、途中から眠くなって寝てしまった。
気がつくと、ホテルの中にいた。
周りの証言によると、夜遅くにある少年が私をおぶってここまで連れて来てくれたらしい。その後、お辞儀して帰ったらしい。私の足にあるハンカチを忘れて…。返そうと村の家々を隅々まで探したけど、見つからなかった。
そして、現在、あれからもうそろそ1年が経ち、吐いた息が白くなる季節になり、もうすぐクリスマス。あの後も頑張って探しているけど、まだ見つかっていない。
私は、年末はゆっくりしたいので、仕事は正月明けまで全てキャンセルにした。
そして、終業式後、珍しく車で帰らず、歩いて帰った。
学校を出て数十分後、寒くなったので、引かれるように、古そうな店に入った。
そしたら、一気に心臓の鼓動が早くなった。
「いらっしゃいませ。お1人ですか?」
と、店員が言った。…いや、違う。あの時の少年であった。私は、驚きながら
「お前は、あの時の…。」
「!?」
と、言葉にならない言葉で少年が驚きながら答えた。
「そうか。やはりあの時の少年か…。そうだ、ほら借りてあげたハンカチだ。」
なぜか『かりてあげた』の所だけ強調してハンカチを鞄から取り出した。
「そんな、気を使わなくても。」
「私はそんな気がなかったが、恩を返さなくては、赤坂家の名折れだからだ。」
と、怒り口調で答えた。
「分かった。分かった。ありがたく受け取っておくよ。」
と、照れくさそうにしながらハンカチを受け取った。少年は、ハンカチをポケットに入れると、笑顔で
「僕の名前は、杉田 健二。宜しく。」
と、手をさしのばした。
「な、何先に名前を名乗る。こっちは聞いてないのに。しかし、名前を言われると、こちらも答えなくてはならないので答えてあげよう。私は赤坂 亜海。こちらこそ宜しく。」
と、手を握った。その瞬間なぜか顔を真っ赤にして答えた。
自分でもそのことに、すぐに気づいた。だから、
「用事があるから帰る。」
と、言って素早く後ろに振り向き、足早に店を出た。
沈んでいた太陽が昇ってきた。
私は、あの後家に帰るなり、ベットに潜り込んだ。
早く寝ようとしたけど、なぜか、あの時の少年、健二の顔が浮かんで、心拍数が上昇した。頭をぐしゃぐしゃにして、忘れようとした。しかし、なぜか消えない。
他の事を考えようとした。
しかし、他の事が考えられなかった。それを繰り返し続けていたら、夜が明けてしまった。
私は、ベットから起き上がるなり大声で、
「じい!」
「はい。お嬢様。このじいにどのような御用件で?」
「今から、昨日私が行った店に行くぞ。」
「分かりました。お車の方を手配します。」
そして、朝早くから屋敷を出た。数日後にあるクリスマスで一色の街を数分で通り、杉田がいる店についた。店は、一応開いていた。そして、赤坂は、
「暇だからきてやったぞ。」
と、言いながら引き戸を開けた。
店の奥から、健二が現れた。
「いらっしゃいませ。あれ?赤坂さん?どうしたの?」
「だから、暇だからきてやった。」
なぜか、『ひまだから』の所を強調して答えた。
その瞬間、赤坂の腹のあたりから、空腹を示す音が鳴った。
「お腹すいているの?だったら僕が作ってあげるよ。何がいい?」
「べ、別にお腹なんかすいてない。お、お腹が勝手に鳴っただけだ。それに、杉田がどうしても作りたいのなら、作ればいい。そして食べてやってもいいぞ。」
軽いパニックになりながら、答えたので少し日本語がおかしかった。
しかし、杉田はそのことに気付いても、何事もなかったように触れなかった。
「分かった。」
と、笑顔で答えた。
そして数分後には、日本の朝食の定番がテーブルの上に並べられた。
それを、赤坂は無我夢中に食べた。そしたら途中でいきなり杉田が、
「明日から、朝食を食べにこない?」
「ぐふ!」
「大丈夫?」
と、背中をさすった。
「杉田!い、いきなり何を言う。」
「別に嫌ならいいけど」
「杉田がそこまで言うのであれば、来てやらんこともない」
「じゃあ、約束。」
この言葉がきっかけで、クリスマスまで赤坂は、毎朝杉田がいる店に通うことになった。
そしてついにクリスマスになった。
赤坂は今日も、杉田がいる店に来ていた。
朝食後は決まって、それぞれの学校での話やたいしたことのない話を昼ごろまでしていた。今日もそうなるだろうと、赤坂も杉田も思っていた。
しかし、引き戸を蹴って、ナイフを持った男性達が入ってきた。
「おい!赤坂家の長女の亜海!お前がここにいることは調査済みだ!出て来い!」
と、店内の隅々まで聞こえる大声でいった。
赤坂は、とても怯えた。一瞬で体が震えていると分るほど、震えていた。
それを見た杉田が、
「赤坂さんに手をだすなら、まず俺を倒してからにしろ!」
と、いつもの笑顔とは真逆の怒りの顔をして、赤坂の前に大の字に立った。
「なんだ坊主。死にたくなければ、そこをどけ!俺達だって、生活がかかっているんや。」
「どんな理由があろうとも、赤坂さんには指一本も触れさせない!」
「じゃあ、死んでも後悔するなよ!」
と、真ん中にいた男性がナイフを杉田に向けた。
赤坂は、ポケットから携帯を取り出し、
「警察ですか?早く来てください。ナイフを持った人が乱入してきました。」
と、電話をした。それを聞いた2人の男たちは、
「やばいぞ、早く連れ去ろう。」
「大丈夫だ。途中で、昨日の大雪で一部道路が塞がっている。」
と、話し合っていた。
その間、杉田とさっきからナイフを杉田に向けている男性が言い合っていた。
「俺たちは、殺人者になりたくない。だから、とっとどけ!」
「僕は死んででも、赤坂 亜海を守る!」
杉田は、この一言でさっきよりも、さらに固く決めた。……必ず守ると…。
「分かったもういい。俺ら全員でお前を攻撃する。これでいいか?」
「かかってこい!」
「やれやれ。じゃあ、行くぞ。死」
「ね」と言う前に、杉田は男性の腹のみぞに、拳を入れた。
男性は、不意を突かれて交わすこともできずに、そのまままともに攻撃をくらって、意識が無くなった。
この攻撃を合図のように、他の男性も杉田に、ナイフを向けた。
杉田は怯むことなく、立ち向かった。ナイフが顔に来ても、軽く首を曲げて、ナイフが顔を軽く切っても、拳を相手に入れた。
杉田は、赤坂の為に決して、怯まなかった。死を覚悟して戦った。
人間、死を覚悟すること以上の覚悟はない。
その覚悟を決めた杉田には、怖いものがなかった。死闘といえる戦いが、警察が到着するまで続いた。
そして、杉田は勝った。
まるでサンタの服装のように、血だらけにやられた体を引き換えに…。
赤坂は駆け寄った。
警察の人も何人か駆け寄った。
その内一人は、救急車を呼んでいた。
赤坂は、脈と息を調べた。
そしたら、杉田は、弱い呼吸と弱い脈拍のみを動かしていた。
死にかけの人とは、まさに今の杉田のことを言う。
杉田は、数分後に来た救急車に運ばれて大きな病院に運ばれた。
赤坂も一緒に乗車した。
「健二!健二!」
と、赤坂が泣きながら杉田に言った。
「初めて、健二と呼んでくれた。とても嬉しい。」
と、弱々しい声で答えた。
「そんなことより、健二、大丈夫?死ぬなよ。」
「ハハ、初めて会った時みたいに、泣きながら言われたら大丈夫ではないとは言いにくいではないか。」
「じゃあ、だめなのか?そんなの嫌だ!私は健二が好きだ。だから死なないでくれ。」
「!…。それは、本当?」
「そうよ。私、赤坂 亜海は杉田 健二のことがすきです。だから、絶対に死なないで。もっと、健二と一緒にいたい」
と、泣き崩れながら答えた。すると、
「僕も、赤坂のことが好き。だから僕も、赤坂と一緒にいたい。」
と、目をつむりながら杉田は言った。
「健二?…健二?…健二!健二!」
と、言ってから病院に着くまで「健二!」と連呼し続けた。
病院についたらすぐに、救急治療室に運ばれた。
そして、赤いランプがついた。
それから1時間以上、赤坂は廊下の真ん中で、泣き崩れていた。
そして、赤いランプが消えて、杉田がいるだろうと思われる、ベッドが救急治療室から出された。
赤坂は、ベットに突進でもするのではという、勢いで駆け寄った。
「健二!大丈夫か?」
「ああ、大丈夫だ。」
その一言で、赤坂はやっと正常を取り戻した。
「なぁあ、赤坂。」
「何?」
「クリスマスというのに、悪いな。」
「んんん、いいの。健二がいてくれれば、ほかがどうなってもいい。」
「俺が嫌だ。だから、俺はクリスマスプレゼントが欲しい。」
「いいけど何が欲しいの?」
「僕と付き合ってほしい。そして、キスをしてほしい。」
「え?」
「だから、クリスマスプレゼントに君が僕の彼女になることと、キスがほしい。だめか?」
「いいよ。」
外は、粉雪が降っていた。今日は、ホワイトクリスマスになった。そして、私の初キスの記念日となり、初めて告って、初めて告られた日になった。私は、とても幸せ者です。この幸せを、みんなに分け与えたい。クリスマスプレゼントとして…。
いかがだったでしょうか?
この作品は、2012年に制作しました。
そして、作者が初めて作った作品ですねww