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踏んだり蹴ったり
告白って…、
好きな人を呼び出したり、手紙に想いを書いて渡したりするものでしょ…。
なんでもない、新学期初日に、うっかり告白するとか…。
また思い出してボンッと顔が真っ赤になる。
保健医の先生が体温計を見て言う。
「38℃だけど、どうする?」
「え…」
ーーー私本当に熱があるの?
「帰るなら親御さんに連絡して?」
「い、いえ…大丈夫です…」
ーーーーこれは…風邪とかじゃなくて…。
フラフラしながら、保健室を出て、教室に戻る。
教室に戻ると、粟野さんと佐々木さんに詰め寄られる。
「ちょっと間宮さん、さっきの告白はなんなわけ?」
「まさかと思うけど、澤野くんのこと狙ってたりしないわよね?」
“間宮のくせに…”と言われている気がして、
私はフラフラと、取りあえず自分の席に戻る。
「ちょっと、シカト?」
佐々木さんが私の腕を掴む。
ーーーーあ…っ。
ドカーン。
体勢を崩した私は、そのまま派手に転んでしまう。
ーーーー告白することすら、私は許されていません。
気を失いながら、私は心がひどくボロボロになっていることに気付いた。
ーーーーごめんなさい…。迷惑ばかりかけてーーー。