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告白
「あの…大丈夫?」
教室に入ると、澤野くんに声をかける。
「間宮…本当に俺のこと好きだよな…心配しすぎ」
澤野くんがからかうように笑って言う。
「…いけませんか?」
「え?」
私の小さな呟きは床に落ちて消えた。
誰にも…拾われることなく…。
でも…なんか心の中の言葉を吐き出したくて、
私はもう一度声に出して言う。
「ーーー好きな人、心配するのは当然です!いけませんか?」
私の言葉は、今度はクラス中に響き渡った。
クラスの女子がざわつく。
「ちょっと、間宮さん何言ってんの?」
粟野さんが私にズカズカと近づいてくる。
「ちょっとお前、今邪魔」
真顔になった澤野くんが私と粟野さんの間に入ると、
粟野さんに冷たく言う。
「ーーー間宮、やっぱり俺のこと好きなんだ?」
「す、すみませ…」
言ってしまってから、我に返って青ざめる。
ーーーー私なんかが…なんてことを…。
口を押さえて、慌てて教室を飛び出す。
しかも、クラスのみんなの前で…。
ーーーーバカだ…馬鹿すぎる…。
消えてしまいたい…。
その日、私は初めて授業をサボってしまいました。