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プロローグ
世界は3度滅びを迎えた。
人類は機械文明と言われる高度な科学技術によって栄え、滅びた。
人類は魔法文明と呼ばれる高度な魔法技術によって栄え、滅びた。
人類は様々な文明が複雑に混じり合う高度な魔法・科学によって栄え、滅びた。
人類は様々な異種族や文明を許容し、複雑高度な魔法・科学技術をもって四度目の滅びを退け、
栄光の一途を辿る。
全てが夢のように思える光景。
魔法王国に訪れた者は誰しもがそう口ずさむ。
大地から空を見上げれば、今日も数千の船と島々が空の上を悠々と流れる。
元号は【魔幻】――魔力と機械の力によって幻をも現実と化す時代に相応しい元号。これら一つ一つの島々が科学の力と魔法の力によって可能にした奇跡の力。その力を人々は意図も容易く扱うことができる。
神さえも恐れぬ業の数々。
あるのは発展と好奇心の塊だけ。
人類の永遠の夢でもあった不老不死の技術も完成しつつある今日。
恐れるものは何もなかった。
これで誰も悲しむことのない、
幸せだらけの世界が待っていると、
誰もが思い描き、希望を抱いていた。