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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第十八章 久しぶりの語らい

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第72話 生まれた日の思い出

「それより、もしかしてエルマさんの誕生日も12月25日なんですか?」 


 焦って口に出した言葉に誠は後悔した。予想通りエルマは不思議な生き物でも見るような視線を誠に向けてきた。


「誕生日?それは何のことだ?」


 エルマはそう言って首をひねった。どうやらエルマにも誕生日と言う概念は無いようだった。 


「どうやら私達がロールアウトした日のことを指すらしいぞ。まあ、エルマのロールアウトは私よりも少し遅かったな」 


 カウラの言葉で意味を理解したエルマがビールに手を伸ばした。


「そうだな。私は一月四日にロールアウトしたと記録にはある。最終ロットの中では遅い方では無いんだがな」 


 エルマの言葉を聞きながら誠は彼女の胸を見ていた。確かにカウラと同じようにつるぺったんであることが同じ生産ラインで製造された人造人間であるということを証明しているように見えた。


「あれ?誠ちゃん……」 


 誠の胸の鼓動が早くなった。声の主、アメリアがにんまりと笑い誠の目の動きを理解したとでも言うようににじり寄ってきた。


「レディーの胸をまじまじと見るなんて……本当に下品なんだから」 


「見てないです!人を何だと思ってるんですか!」 


 叫んでみる誠だが、アメリアだけでなくかなめやサラまでニヤニヤと笑いながら誠に目を向けてきた。


「こいつも男だから仕方がねえだろ?」 


「そうよねえ。でもそんなに露骨に見てると嫌われるわよ。ねえ、カウラちゃん」 


「ああ……」 


 突然サラに話題を振られてカウラは動揺しながら烏龍茶を飲んだ。


「こういう時に島田が居ると神前に鉄拳制裁を食らわせてすっきりするのにな。こういう時は『純情硬派』を売りにしているヤンキーは役に立つ」


 かなめはいつも通り物騒な提案を誠にしてきた。


「そんな……もう根性焼きはこりごりですよ。あの人何かというと人を殴ったり、蹴ったり。本当にヤンキーは暴力でしか自分を表現できないんですから」


 この場に居ないことを良いことに誠は島田についていつも思っていることを口にした。


「ああ、誠ちゃんは正人の事をそんな風に言うんだ。あとで正人に言っておこう。どうなっても知らないからね」


 サラの告げ口宣言にパーラがそれを止すようにと手を振って止めにかかる。


 いつもの月島屋の光景が今日も繰り広げられた。




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