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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第十三章 出前を取ってのいざこざ

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第49話 ご飯の時間

「どうも……」 


 そこには中華料理屋の出前持ちの青年が愛想笑いを浮かべながら笑っていた。今までの騒動をすべて見ていたことを物語るその顔は微妙な引きつりを起こしていた。


「仕方ねえなあ。アタシがとりあえず立て替えておくから」 


 かなめは腰を上げて財布を取り出した。


「三千八百五十円です」 


 入り口の戸棚の上に料理を並べながら青年が口にしたのを聞くとかなめは財布に一度目をやった。


「ああ、やっぱアタシは万札しかねえやアメリア二千円あるか?」 


 立て替えておくと言った割にかなめの札入れには相当な厚みの一万円札が無造作に入れてあるだけだった。


「また……。しかたないわねえ……かなめちゃんは万札しか持ち歩かないものね。さすがお金持ちは違うと言うかなんと言うか……」 


 呆れたような口調でアメリアも財布を取り出した。その光景を見ながらカウラと誠はただニヤニヤと笑うだけだった。


「西園寺さんはお金があっていいですね。僕の財布なんて万札なんて滅多にありませんよ」


 誠は嫉妬半分にそう言った。そんな誠にかなめは得意げな笑顔を向けてくる。


「羨ましいか?それならオメエも殿上貴族の息子に産まれりゃよかったんだ。そうすりゃ金の心配はしなくて済む。アタシもそれだけはしたことがねえんだ。良いだろ?」


 かなめは明らかに優越感に満ちた表情で誠にそう言ってきた。


「それなら例外もあるぞ。隊長は殿上貴族だが小遣いは月三万だ。あの人も立派な貴族だが、常に金に追いまくられてる。まあ、ここの給料も含めてすべて娘に没収されているだけだから本当に金が無いわけでは無いがな」


 カウラの落ちにすっかりやられたかなめは腹を抱えて笑い始めた。



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