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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第十一章 定時になって

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第44話 かなめの嫉妬

「じゃあご飯も用意できたことで」 


 アメリアはそう言って後ろの棚に四つんばいで這って行った。誠が振り向くと誠に手を振りながら帰って行く運行部の女性士官が目に入った。


 しばしの沈黙が警備室に訪れた。誠達はまったりしながら着替えと雑談を終えてゲートから出ていく運航部の女子隊員達を見守っていた。


「おい、神前。そんなに女に色目を使って楽しいか?」 


 背中から投げかけられたかなめの声に誠は我に返って正座していた。空腹のかなめの神経を逆なでして得になることは一つもない。


「ちょっと!」 


 戸棚に頭を突っ込んでいたアメリアが叫んだ。彼女の奇行に慣れている誠達はそれを無視した。


「ちょっ取って!」 


 戸棚から書類の入ったファイルを手にしてアメリアが顔を出した。その手に握られたファイルを見てようやく誠達はアメリアが何かを見つけたことに気づいて耳を貸す心の余裕を持つことにした。


「なんだよ……つまらねえことなら張り倒すからな」 


 そう言いかけるかなめだが、アメリアの手にあるファイルが輸送予定表であることに気づいて怪訝な顔でそれに目をやった。


「なんだ?そんなファイル。何か大物でも搬入する予定があるのかね」 


 そう言ってかなめが明らかに不自然な厚さのファイルを手に取るが、彼女がその表紙をめくったとたん、表情が瞬時に緊張したものへと変わった。


「神前。そこの窓閉めろ。機密事項だ」 


 かなめの表情からそのファイルの重要性を理解した誠は、ゲートが見える窓に這って行き窓を閉めた。


 外では疲れ果てたような運航部の女子隊員が不思議そうに誠を見つめていた。


「何かある……とは思っていたけどねえ……やっぱりか……」 


 かなめは頷きつつつぶやいた。カウラはかなめの手のファイルを伸びをして覗き込んだが、すぐに黙り込んだ。


「まあランの姐御がわざわざ暇な私達をここに呼んだってことで何か搬入があるんじゃないかとは予想は出来ていたけどね」


 アメリアがそう言うと出がらしの入った急須にポットのお湯を注いだ。



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