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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第十章 定められた闖入

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第40話 彼氏持ちの余裕

「あ!誠ちゃんとカウラちゃんがラブラブ!」 


 そこに突然響いたデリカシーのない女性の声に誠はゲートの方を振り向いた。


 サラの目が見える。その後ろには彼女のポップなピンク色の軽自動車が停まっていた。


「サラは帰りなんだ。作業の方は終わったの?」


 アメリアにとってはサラの存在はゲームを作る一従業員に過ぎなかった。 


「終ったわよ!かなめちゃんのおかげであとはアメリアの最終デバックを待つだけ」 


 帰ってきてすぐに顔を出した修羅場での死んだ表情はそこには無く、アメリアの問いに元気良く答えるサラがあった。


「じゃあゲート開けて」 


 仕方なくせかせかと歩いていった誠がゲートの操作ボタンを押した。


「ありがとうね!」 


 サラはそう言うとそのまま走って消えていく。誠は疲労感を感じながらそのままコタツに向かった。


「タフよねえ。サラは。さっきまで死にかけてたのにもう復活してるなんて。いいなあ、サラには島田君が居るから。クリスマスの予定もきっと決まってるんだわ。いくら中学生並みの付き合いとは言えまさに今回のテーマである『ふれあい』はクリアーできそうな関係だもの」 


 そう言いながらアメリアはもう五つ目のみかんを剥き始めていた。


「まあ元気なのは良いことじゃないのか?それにアイツ等の『青春ごっこ』でどこまで行くかって……いいとこキスどまりってのが限界じゃないのか?恋人達のクリスマスって感じじゃ無いだろ」 


 同じくカウラはみかんを剥いた。かなめは退屈したように空の湯飲みを握って二人の手つきを見比べていた。


「どうしたのよ、かなめちゃん。計画はすべて誠ちゃんが立ててくれることになったからって……」 


「アメリアさん。いつ僕がすべてを決めると言いましたか?そんな無茶なこと振らないでください」 


 異論を挟む誠だが、口にみかんを放り込みながら眉を寄せるアメリアを見ると反撃する気力も失せた。


「……わかりました……帰ったら考えます」 

 

 誠はそう言うのが精一杯だった。


 アメリアは誠を見て満足げに笑う。その時、終業のチャイムが警備室にも響いてきた。 



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