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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第九章 警備室での色々

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第33話 喫煙場所は選びましょう

「叔父貴、違法カジノに通うのは良いが。あと二回違法カジノで捕まると降格処分だったよな。あの世界でも叔父貴は完全に危険人物として目を付けられてるんだ。気を付けろよ」


 かなめはそう言いながらゲートを操作して開けた、嵯峨は軽く手を上げた後、黙って自転車に跨った。それを見たかなめがポケットからタバコの箱を取り出した。


「吸うなら外に出ろ」 


 去っていく嵯峨の自転車の音に合わせるようにそう言うと、カウラは再びみかんに手を伸ばす。それを見たかなめは舌打ちをして立ち上がると誠の後ろの出入り口に向かった。


「じゃあヤニ吸って来るわ。叔父貴は去年も同じ手口で金集めてたな。しかもちゃんと利益はくれるからな。神前もやればよかったのに。本当に銀行よりよっぽど信用置けるぞ。利率的には」 


 かなめはそう言うと寒そうにこたつを出て立ち上がった。


「確かにねえ、でも誠ちゃんにはそこまで隊長の悪には染まって欲しくないもの。ああ、かなめちゃんは十分悪に染まってついでにニコチンにも染まってるからそのまま帰って来なくてもいいわよ!」 


 かなめが立ち去った分広くなったこたつの中に足を延ばしてアメリアがそう言ってかなめを送り出した。


「あとでぼこぼこにしてやるからな。覚えとけよ」 


 アメリアの挨拶に舌を出して答えたかなめが外へ消えていった。


「そう言えばどこまで話したっけ?」 


 アメリアはそう言うともぞもぞとコタツの中から足を抜いて正座をした。正面に座っていた誠は嫌な予感に襲われつつ、胡坐をかいていた足を引っ込めた。


「僕の家の正月はどうだって話ですけど……」 


「ああ、そうね。そうそう」 


 あいまいに頷きながらアメリアが左腕をコタツの上に置いた。腕に付いた小型の携帯端末の画面が誠とカウラの前に映った。


「今回は……私達は年末年始を満喫すると言う目的で動きたいと思います!」 


 アメリアのその宣言のとおり、そこには予定表のようなものが映っていた。


「貴様は……少しは仕事しろよな」 


 みかんを口に運びながら、カウラは大きなため息をついた。


「だってさー、ここにこうして詰めているのが歩哨の仕事でしょ?ちゃんとゲートの開閉はしてるし、サボってるわけじゃ無いじゃないの」 


 アメリアは自分を責めて来るカウラにそう言って反論した。


「そこのロッカーに銃なら入ってるぞ。それ持って外で立ってろ。そうすれば仕事をしていると認めてやる。規則ではそうするのが歩哨の仕事だ。今すぐ取り掛かれ」 


 みかんの皮をたたみながらのカウラの言葉にアメリアは頬を膨らませた。


「誠ちゃん!カウラちゃんって酷くない!あんな無茶なこと言うのよ!そんなことしたら凍死しちゃうじゃない!」 


「はあ……」 


 誠はただ苦笑するだけだった。アメリアはその頼りない誠の態度にため息をつくと再び目の前の画面に目を向けた。


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