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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第四十四章 怪しい屋敷からの生還者

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第193話 食事中にやめてもらいたい話題

「今日は納豆……納豆まみれ……昨日のかえでちゃんはアレまみれ……又想像しちゃった」


 アメリアは食堂でもいつもの太陽のような笑みを失って黙り込んだまま食事当番からトレーを受け取り、誠とカウラと一緒にテーブルに着いた。


「しかし、ゲームではよく見ますけどリアルに存在するんですね、ああいう趣味の人達」


 誠は減退する食欲に鞭打って納豆ご飯を口の中に流し込んだ。


「言わないでよ。思い出しちゃったじゃない。かなめちゃんが帰って来たってことはリンちゃんが送って来たんでしょ?リンちゃんは昨日凄いものを食べたのよ……それを想像すると……ああ、お腹いっぱい。御馳走様」


 アメリアは半分ほどご飯を残したまま、納豆にもおかずの鮭にも手を伸ばさずに立ち上がろうとした。


「飯だ飯!なんだ、アメリア。まだ食ってるのか?今日はサラに御呼ばれしてるんだから早く食わねえと駄目だぞ」


 シャワーを浴び終えたのか、さっぱりした表情のかなめが食堂に入ってくるなりそう言ってアメリアの隣に座った。


「かなめちゃん。平気なの?昨日その現場に居たんでしょ?というかその主役だったんでしょ?自分のものをリンちゃんに食べさせたんでしょ?何も感じずにご飯食べられるわけ?かなめちゃんも変態?」


 アメリアは普段と変わらないかなめの様子に呆れ果てたようにそうまくしたてた。


「何が?アメリアの言ってることの意味が良く分からねえんだが」


 憂鬱そうなアメリアの様子に対し、かなめの様子はいつもと変わらないものだった。


「昨日はかえでちゃんにあれからずっと付き合ったんでしょ?そのプレイも全部見てたわけでしょ?その現場にも立ち会ったわけでしょ?それでも平気なの?」


 アメリアは相変わらず半分病気と言うような感じで元気そうなかなめにそう尋ねた。


「あんなもん、慣れだ慣れ。自分がしてるのは見慣れてるだろ?人様の物も見せたいって言うなら見てやりゃ良いんだよ!何度も見てればそのうち慣れる。アタシが租界でSMクラブに居た時はよくそう言う変態が居た。人間なんにでも慣れるもんだ。ただ、リンまで行くとあのクラスの変態は相違ないな。アタシが昨日食ったものを全部当てやがった。アイツはあの道を究めてる。そこまで行くとさすがのアタシも感心させられた」


 かなめの言葉は諦めを通り抜けてどこか悟りきった境地に達していた。


「僕はかえでさんの『許婚』ですよ。つまり慣れろってことですか?アレにまみれるのが好きな人に慣れろと」


 誠はみそ汁を飲むのを躊躇しながらかなめにそう尋ねた。


「そうだな。アタシはかえで達が腹の中に入れたものの量の多さにもがき苦しむ様が面白いから付き合ってやってるんだ。神前も人がもがき苦しむ様を見慣れればアレにも慣れる。面白いぞ、アイツの気取った顔が苦痛で歪むところを見るの。最高の気分だ」


 昨日のかなめによるかえでへの責めを説明するかなめの目には狂気の色が浮かんでいた。


「どうせ何を入れたのかは想像がつくけど、そんなこと食事中に言わないでよ!思い出しちゃったじゃない!」


 得意げに自分の責めを自慢するかなめに向ってアメリアがそう叫んだ。


「さっきから貴様等は何の話をしているんだ。それとアメリア。朝食をちゃんと取らないと一日の活動に支障をきたすぞ」


 何も知らないカウラはそう言って平然とデザートのライチを口に運んでいた。


「良いわね、純粋なのは……カウラちゃんがうらやましいわ。自分が汚れてるって今日ほど感じた時は無いわ」


 アメリアはそう言って立ち上がった。


「カウラの言う通りだぞ!あんなの臭いのさえ我慢すれば最高のプレイだ。苦しみ痛めつけ辱める。女王様である私にとっては最高の瞬間だな!」


 そう言ってかなめは急いで納豆ご飯を平らげていく。その食欲に誠はただ目を奪われて自分のちっぽけさを理解することになった。



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