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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第四十三章 かえでの怪しい屋敷

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第186話 そこを『疑似遊郭』とかなめは呼んだ

 朝食を済ませると、かなめは急かすように誠達をカウラの『スカイラインGTR』に押し込んだ。仕方なく、カウラはそのまま首都高速に乗り、予想通りの年末の朝の渋滞に巻き込まれた。


「西園寺さん。日野少佐の家ってどんななんですか?行ったことあるんでしょ?教えてくださいよ。貴族趣味の日野少佐の家ですからかなり豪華なお屋敷なんでしょうね」


 渋滞の退屈を紛らわそうと誠はそう言って後部座席のかなめに尋ねた。


「私も興味あるわね。あのどちらかと言うと変わった趣味のあるかえでちゃんの家ですもの。普通じゃないわよね……怪しげな雰囲気に包まれた館……かなめちゃん好みの調教部屋があるとか」


 アメリアは朝の不機嫌はどこかに吹き飛んだかのように興味深げに隣に座るかなめを見つめた。


「そこがアメリアの期待に沿えちゃうところがかえでの恐ろしいところなんだよな……。あの屋敷には地下に調教部屋は確かにある。しかもあの部屋にはアメリアのゲームに出てくるような大人のおもちゃのもっとすごいのがほとんど揃ってる。アタシがあそこに行くとあそこの女共の相手をしなきゃなんねえ。一度に6人も縛って鞭打つのは疲れるんだ。それ以外のマニアックな攻めまで要求される。アイツ等マゾの欲望には限りがねえのか!アタシが生身だったら死んでるぞ」


 かなめは大きなため息をつきながらとんでもないことを言い出した。


「6人?日野少佐と渡辺大尉と……」


 誠はいくらかなめが生まれついての『女王様』だとしても6人の相手を務める本格的な『女王様』だとは思わなかった。そして、かえでとリン以外の4人の素性が気になっていた。


「ああ、6人の内容な、かえでと、リンとメイドが三人。それに料理人が一人で計6人と言う訳だ」


 かなめは指折り数えながら日野屋敷の住人達の数を数えた。


「メイドさんが居るの?料理人は当然男よね……かなめちゃんは料理人メインで責めるんだ」


 アメリアは興奮した調子でそう言った。


「アメリア。かえでは男の趣味についてはものすごく厳しいんだ。そんじょそこらの男で満足するようなタマじゃねえ。その料理人も当然女だ。全員が甲武の最底辺の岡場所の遊郭から身請けしてきた女ばかり。全員がかえでの為なら命を懸けると言うようなあのリンと同じ精神構造を持ってる変態のマゾヒストだ。あの屋敷に入るとアタシも頭の中がおかしくなってくる……東和に来てからはそんなことはさせていないが、甲武では貴族の偉いさんから大金を巻き上げてなんだかすごいことをしていたらしい。かえでがやってる私的な『疑似遊郭』みたいなもんだな」


 明らかに呆れ果てた調子でかなめはそう言ってため息をついた。


「私はそんなところに行くのか……大丈夫なのか?私なんかが行って。面倒ごとに巻き込まれるのだけは勘弁してくれ」


 車が首都高速を抜けて東要道路に入ったところで、運転していたカウラが不安そうにそう言った。


「その点は分かってるんじゃねえかな……アタシが行くと女共は全員裸でアタシの前に土下座して踏みにじってくれと迫ってくるんだ。たぶん今日はそんな上級プレイはやってこねえと思うぞ、なんと言っても今日は処女のカウラが主役なんだから」


 かなめはあっさりとまたとんでもない発言をした。


 自分がかえでの異常な脳内でどんな扱いを受けているのか想像すると誠はこの中での唯一の男として不安を感じざるを得なかった。



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