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法術装甲隊ダグフェロン 永遠に続く世紀末の国で 人造人間の誕生日又は恋人の居ない星のクリスマス  作者: 橋本 直
第四十一章 宝石よりも美しい

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第178話 誠の思い

「これ……プレゼントです!」 


 一瞬何が起きたのかというような表情の後、カウラは笑顔を浮かべてそしてすぐに周りの視線を感じながら恥ずかしそうにうつむいた。


「あ、ええと。ありがとう」 


 小さな声、いつものカウラとは別人のような小さな声でカウラが答えた。そしてカウラは静かに箱を受け取るとそのままテーブルの片隅に箱を置いた。まかれたリボンを丁寧に解いた。


「どんなの?ねえ、どんなの?」 


 ニヤニヤ笑いながらアメリアが身を乗り出してきた。端末の画面では興味津々と言うようにランが目を輝かせていた。


 リボンが解け、箱が開かれた。


「あ……あのときの私か。神前にはこう見えていたんだな……有難う」 


 箱の中の色紙には宝飾店で見にまとった白いドレスのカウラの姿が描かれていた。カウラはしばらく誠のイラストを見つめた後、すぐに恥ずかしそうにうつむいてしまった。


 カウラの瞳には涙が滲んでいた。


「カウラ、泣くなよ。化粧が崩れる」


 場を読まないかなめの言葉を聞いてカウラは拭っていた手を止めてまた再び背筋を伸ばして目の前の誠の描いたイラストに向き直った。


『おい、どんなのだ?見せろよ。神前が描いたんだろ?神前は絵が上手いからな。アタシも見たいんだ。こっちからも見えるようにしてくれよ』 


 ランが画面の中で伸びをしているがそれはまるで無意味なことだったのでつい、誠も笑ってしまっていた。


「どうせ、隊に持っていくことになるんだからランちゃんはその時見ればいいでしょ?」


 アメリアの脳内ではカウラにプレゼントしたイラストは機動部隊の詰め所に飾られる予定らしかった。誠はそれを聞いて自分でも驚くほど顔が真っ赤に染まるのを感じていた。


「ありがとう。本当にありがとう」


 ただひたすらカウラはそんな言葉を誠に向けて繰り返すだけだった。




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